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◆CWリプレイ:PyDSガイド◆

2023.09.29(04:03) 409

 2023年09月29日 更新。 

 現在カードワースのリプレイ再録をしています。新しい話もぼちぼち。
 この記事は目次代わりであり、旧リプレイより読みやすくなっています。

 ◆リプレイR分再録完了しました!◆

 更新の日付が変わっている時は、たいてい再録されたリプレイがアップされているので、「この記事が最新のまま変わらないよ」ってときも、よろしければ確認をしてみて下さい。
 知らないうちに話数が増えていたりするかも?


 旧宿データが吹っ飛んでしまい、前回のリプレイから相当年月が経っているため、思い切って様々な要素を詰め込んだリプレイ再録と相成りました。

 使用エンジンはカードワースPy Reboot。
 せっかくカードワースダッシュのスキンを作って紹介したので、そのStandardスキンを使うこととします。

 再録にあたり、Standardで宿を作りPCを作成し直しました。
 若干能力値が上がったり下がったりですが、大きく変わった感じはありません。
 Standardは標準の才能型がもう少し能力的に緩やかで、生命力の極端な低下を避けていて、子供の身体能力が抑えられている程度なので、特殊型ばかりの風を纏う者たちはあんまり影響がないです。

 せっかくなので別パーティも作成し、将来的にリプレイ2のオルフたちも作り直して第5パーティとして合流させようかなと。
 第2パーティの煌く炎たちは、元傭兵のマルス、すれっからしの女火精使いゼナ、高飛車尼僧レシール、燻し銀老魔術師カロック、野暮ったい盗賊ジェフの5人組。クロスの関係でリプレイできないシナリオや絶版になってリプレイに出せない古いシナリオなどをプレイして、アイテムのトレードなどで補助的な役割を果たす予定です。

 第3パーティ華麗なる花々は外伝に登場した年増姫こと白の妖精姫アルフリーデ様をリーダーにリプレイ2で登場したグウェンドリンとレベッカの盗賊仲間エメリーを加えた女性オンリーパーティ。予定では連れ込みのジゼルとシアをこっちに。最後枠は秀麗で女性なら何でもOKっぽい…(このパーティの特徴が女性で秀麗持ち)

 第4パーティは魔道具バザーのラファーガとアナベル、白弓の射手からリノウ、こびとのなくしたものからラディーという連れ込み混成の後輩パーティの予定。あと2枠は新人連れ込みキャラで適当なのを。

 第5パーティはオルフ、エルナ、フィリ、バッツ、コール、ニルダのリプレイ2メンバー予定。ある程度本編が書きあがったら入れて行きます。

 予備戦力としてサキュバスシリーズのアンジュ、銀斧のジハードからオロフ。そのうち人外の中堅レベル連れ込みキャラが増えたら第6立ち上げようかなぁ。この2人は本業が別です。(アンジュはささやかな宝の店員さん、オロフは宿専属の修理屋さん)

 こうやって連れ込みキャラ見てみると…専業僧侶少ないですね。


 この記事は単独カテゴリにして、記事へのリンクを張り、目次代わりになっています。
 ブログ記事は読み難いと思うので、どうぞ活用して下さい。

目次

・序章 パーティ結成(PC紹介)

PC1:シグルト
PC2:レベッカ
PC3:ロマン
PC4:ラムーナ
PC5:スピッキオ

・第一章 実力派の駆け出したち
『第一歩』
『希望の都フォーチュン=ベル』 ゴブリンと狼
『碧海の都アレトゥーザ』 新たなる地へ
『碧海の都アレトゥーザ』 碧海色の瞳
『碧海の都アレトゥーザ』 路地裏の鼠たち
『碧海の都アレトゥーザ』 図書室の少年
『碧海の都アレトゥーザ』 故郷は波間の先に
『碧海の都アレトゥーザ』 荒波の啓示
『古城の老兵』
『碧海の都アレトゥーザ』 デオタトの依頼
『街道沿いの洞窟』
『聖なる遺産』
『風繰り嶺』 風纏いて疾る男
『魂の色』
『Guillotine』
『防具屋』
『碧海の都アレトゥーザ』 風は留まらない

・第二章 英雄の片鱗
『ヒバリ村の救出劇』
『シンバットの洞窟』
『魔剣工房』
『希望の都フォーチュン=ベル』 オーガ討伐
『見えざる者の願い』
『解放祭パランティア』
『希望の都フォーチュン=ベル』 商船護衛
『古城の老兵』 【影走り】開眼
『碧海の都アレトゥーザ』 鼠たちの囁き
『希望の都フォーチュン=ベル』 魔法の大鍋
『碧海の都アレトゥーザ』 空に焦がれる踊り子
『碧海の都アレトゥーザ』 海風を震わす聖句
『闘技都市ヴァンドール』 “傷難の枝”

・第三章 出逢いと縁
『甘い香り』
『夜明けの鳥』
『私』
『剣と籠手』
『ジゼリッタ』
『碧海の都アレトゥーザ』 風は南海に集う
『碧海の都アレトゥーザ』 午後の余暇
『碧海の都アレトゥーザ』 闇窟の妖魔
『グリュワ山中の護衛』
『新たな冒険の先触れ』
『“腹黒姫”』
『防御の玄妙』
『厭世の書』
『雪が降っている……』
『傾斜45度の戦い』
『冒険者の余暇』 合一の三風呪
『冒険者の余暇』 軽戦士は勲を踊る
【冒険者の余暇】 聖女フリジアの奇蹟


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【冒険者の余暇】 聖女フリジアの奇蹟

2023.09.29(03:33) 539

 その日スピッキオは、“風を纏う者”の仲間たちと別れてリューンの中央にある大きな聖北教会を訪れていた。
 
 スピッキオの属す聖海教会は、独自の解釈で精霊や古い神を聖人として取り込んでいるが、教義そのものは聖北教会と変わらず、布教のための聖典も基本は同じものを使う。
 聖北教会の本拠地、アロントの法王庁と相互承認のある教派である。
 高位聖職者の委嘱はアロントの法王庁も関わるものであるし、聖北教会から聖海教会に対して司教が派遣されることもある。

 では聖北教会と聖海教会を分けたままなのは何故なのか。

 それは聖北教会の聖人認定などに対し、聖海教会側の一部の教義に食い違いがあるためだ。

 聖海教会では、南海地方の聖職者たちが集まって開く南海公会議(開催させる年月や都市名などで名前が変わるので、それらをひっくるめた南海地方独自の宗教会議のこと)で決まったことを元に、独自の方針を定めている。
 そのもっともなるものが、土着の宗教…精霊や異教の神を教化して教会に聖人として宗教ごと取り入れる、神学者に言わせれば〈聖祇混淆〉…この場合、祇(くにつかみ)は精霊や土着の神を意味する…の考えに由来する。

 南海諸国はもともと海神信仰や独自の都市守護神信仰など多神教や土着の神への帰依、他にも精霊信仰が根深い地域であり、古くから多くの神や精霊たちが存在していた土地であった。

 土着の信仰で有名なものは、リューンの下水道などを作った古代魔法文明以前、連峰(オリンポス)神群などとも呼ばれる古代の神が有名であった。

 連峰神群とは、元々西方にあるという伝説の巨大な連峰…オリンポス山に対する山岳崇拝から始まった神話群の神々である。

 オリンポス山は、常世とか幽世と呼ばれる異界に存在する連山だ。
 西方にある美しい山々をそれに見立てて呼んだ時代もあったが、現在の賢者たちの定説では現世(現世)と呼ばれるこの世界とは霊的に境界を分かった場所にあると考えられている。

 オリンポス山には神々の張った結界により人間は近づくこともできないが、特別な道を通れば行くことができるなどと考えられていた。神隠しは時間の流れがずれた幽世に隔離された者が行方不明になることを主に指し、魔法や精霊の存在するこの世界では時々関連した神秘と怪異が起きる。

 幽世にある特別な土地は様々な国で伝承が残っており、この連山以外にも奈落(タルタロス)や境海(オケアノス)などと呼ばれるものがある。
 北方にもグラズヘイム(喜びの野)やギンヌンガガプ(虚淵)、世界そのものだというユグドラシル(世界樹)の伝説が伝わっていた。 

 オリンポス山…白く冠雪した巨大な山々は、遠方から見ればえもいわれぬ神秘性と美しさがあり、天地の広大さに神秘性を見出した人間や亜人たちが信仰や畏怖の念を持った。
 そういった思念は、長い年月をかけて世界を漂う霊気と触れあい、特別な存在へと変異する。
 特別な存在…超越存在を、人は神や精霊と呼んだ。

 古の詩人が作成した神々の叙事詩『神統記』によれば、オリンポス山の連峰神群は、魔法語で主神をゼウス…後に神聖語ではユピテルと呼ばれる神を中心に語られる神々であり、聖北教会の前身である十字教が信仰される以前、西方の南で熱心に信仰されていたものであった。

 南海の交易都市であるアレトゥーザやフォルトゥーナも元は連峰神群に登場する女神の名前であり、聖海教会でよく信仰される聖人の聖ネプトゥヌスや聖ミネルヴァも元は同じ神群に属する神々である。

 ただ、神々とは民間の様々な土着信仰と絶えず融合や分裂を繰り返しており、時には各地で矛盾する姿として伝わっていて、分霊や和魂(守護する神)と荒魂(祟り神)という変質する姿形と性格があり、人間的な常識で区分するにはいささか混沌としていた。
 何が正しいのかはまさに、神のみぞが知る世界であろう。
 
 南海はこういった古い神々の信仰が根付いていた場所であり、一神教の概念が入ってきても、頭ごなしに既存の神や精霊の存在を否定するのは難しい土地柄であった。

 聖海教会の都市司教座があるアレトゥーザなどは、カヴァリエーリという精霊術師が水の上位精霊アレトゥーザの力で、毒沼の多いアレトゥーザ湾地域の瘴気に犯された土地を清め、湾の埋め立てによって生活が安定したという歴史的背景がある。
 このあたりの水源も元は泉の精霊だったアレトゥーザがもたらしたものとされていた。
 
 次代が変遷し、多神教を否定する聖北教会の教えが入ってくると、当然のように土着の宗教との緊張が高まり、特に精霊に対して信仰に近い畏敬の念を持っていた地元の精霊術師や、古くからの信仰を守り続けてきた者たちは、次第に勢力を増してくる聖北教会に対抗するようになった。

 中でも海と地震を司る海神、大精霊ネプトゥヌスを信奉する好戦的な派閥…海神派が、海賊や土着の排他的な考えの勢力と結びついて、聖北教会と共存を考える者たちを敵視し、小島などを拠点にして湾岸都市や近隣を通る船を襲撃するようになった。

 聖北教圏の文化を取り入れて豊かになった交易都市アレトゥーザを攻撃し強奪する理由付けにも、宗教問題を利用された背景があるのだが、問題はネプトゥヌスが海神派の有力な精霊術師と神降ろし…憑精の契約を結び、天候や津波を操るその精霊術師や、ネプトゥネスの眷属精霊を使役する術師たちによって、アレトゥーザや近郊の南海諸国は甚大な被害を受けた。

 これに対抗し聖北教会は、当時高僧として名高かった聖職者アマデオが、神より授かった【魔法の矢】の如く敵を撃つ【聖なる矢】の神聖術を教団の聖職者や教会の兵士団に広めて対抗。結果としてアレトゥーザの防衛に成功した。

 聖北教会勝利の背景には、海神派と対立していたアレトゥーザの守護精霊である水姫アレトゥーザと契約した精霊術師カヴァリエーリの子孫や都市民、ネプトゥヌスとは犬猿の仲とされていた南海の都市守護神にして海洋国家の守護神でもある戦女神ミネルヴァ…後に列聖される聖ミネルヴァを信奉する者たち…女神派と俗に呼ばれる派閥が聖北教会に味方したおかげとも言われている。

 アマデオの率いる聖北教会の勝利により破れた海神派は淘汰されたが、精霊ネプトゥヌスはアマデオによって改悛させられた。

 やがて聖北教会の〈アマデオ派〉…〈南海派〉とも…と呼ばれる宗教派閥が生まれた。これらは土着信仰をする者たちを力で支配するのではなく、聖北の神を中心にして、緩やかな信仰の習合をしようと考える者たちであった。
 味方になってくれた女神派に対し恩義を感じていたアマデオ派が、カヴァリエーリの子孫の精霊術師やミネルヴァを信仰する土着の守護神信仰を持つ宗教勢力と友好関係を築いていたからである。

 改悛したネプトゥヌスは聖海教会のために力を振るい、これが後にネプトゥヌスやナブーといった土着の神々や精霊たちの聖人化へとつながり、聖北教会の本拠地であるアロントの法王庁とは違った独自の教義の成立へと繋がる。

 これが聖海教会の始まりである。

 聖海教会の誕生から数百年後、今度は聖北教会がアレトゥーザを脅かす事態になる。
 それが聖北教会による聖海教会の〈異端審問事件〉だ。

 当時有力だった司教が、聖海教会独自の聖人認定のやり方や土着の宗教との習合に異端の嫌疑をかけたことで、聖北と聖海、両教会の間に宗教戦争勃発の可能性が生まれ、緊張が走った。

 結局異端の嫌疑をかけた司教の突然死により、南海の交易地に強く信仰されている聖海教会がアロントの聖座の影響から離れることを嫌った聖北教会側の妥協により、〈異端審問事件〉はうやむやとなったのである。

 現在の聖海教会は、アレトゥーザも含めてアロントの法王庁によって認証されている。

 しかし、〈異端審問事件〉の原因ともなった土着宗教との習合…土着の古い神と精霊の列聖は、聖北教会が認めないという問題が長く続いていた。
 故に聖海教会は聖北教会に認証されながら、独自教派の教会勢力なのである。

 〈異端審問事件〉以降、聖北教会側も妥協案として〈土着の古い神と精霊の列聖は認められないが、福者としてなら扱ってもよい〉という政策を打ち出した。
 その方式も実にこじつけに近いもので…
 聖ネプトゥヌスはアマデオに改悛させられたという、ネプトゥネスを憑精させた〈名も無き人間〉の精霊術師。
 聖ミネルヴァは女神の化身とされていた女神に〈仕えていたミネルヴァという巫女〉。
 つまりあくまでも異教徒の〈人間〉が改悛させられて福者として扱われるという、都合の良い改ざんが加えられていた。

 列聖する、聖人に叙せられるには、まずその生き方において聖性が示されて(偉業が認められて)福者となる…列福された上で…少なくとも一つ以上の奇蹟が証明されることが条件である。

 列聖や列福の審査は、基本的に審査対象の人物が殉教した(天に召された)後に行われるのが慣例であったが、強力な聖性を示した人物は生前に列聖されることもあり、特に不老不滅の古い神や精霊が列聖される時には、きわめて扱いが面倒くさいことになる。

 聖北教会側の譲れない考えとして、聖人の力とは唯一神の奇蹟であり、〈異教の神々や精霊の持つ異能を奇蹟としてはならない〉という前提がある。
 元々異教の神や精霊の持つ超常力や精霊力の類によって起きた神秘は、奇蹟として認められないということだ。
 すなわち、聖海教会独自の聖人が起こした権能は〈奇蹟ではない〉ので、聖北教会側で列聖の基準とされる条件を満たさない根拠とされるのだ。

 この問題は、聖海教会側には後々〈波化聖人(はけせいじん)〉という類の、独特な聖人たちが生まれることになるきっかけにもなっていた。

 〈波化聖人〉とは、〈聖海教会独自の聖人の関わる奇蹟によって聖人になった者〉で、有名どころは崖海の聖者アンティウスである。
 アンティウスは聖ネプトゥヌスの起こした津波の奇蹟に関わる聖人であり、その津波が神の奇蹟か?という点で聖北の列聖条件が満たされず、聖海教会だけに列聖が認められる聖人なのだ。
 アンティウスが使ったという【不撓の加護】についても伝わっているが、これは〈奇蹟ではない〉ただの神聖術…【癒身の法】などと近しいものという扱いだ。
 聖海教会に認定される奇蹟は、アンティウスを襲った権力者を人知を超える規模の荒波が押し流して民が守られ、アンティウスが昇天したことによる。
 聖北教会側の見解は、荒波によって権力者とともに流されたアンティウスは、あくまでも信仰に殉じた死を迎えた…殉教した扱いなのである。

 荒波を起こしたのは聖ネプトゥヌス。〈聖北教会が聖人として認めていない福者〉であり、この荒波を奇蹟とするならばネプトゥヌスも列聖しなければ筋が通らない。
 このような理由で、アンティウスは素晴らしい行いをして聖北教会の信徒にまで尊敬されているものの、福者扱いなのだ。

 〈異端審問事件〉の少し前に、南海から北方に向かって旅立ち、イルファタルの地で数々の奇蹟を起こした、癒しの聖女オルデンヌの事例もある。

 オルデンヌは、北方の異種族の坩堝とされるイルファタルで信仰される聖海教会の聖女である。
 彼女はもともと聖海教会所縁の者であり、分け隔てなく癒しの力で人々を救ったことで有名だ。

 オルデンヌの逸話の中に、神の啓示を受けたオルデンヌが北方に向かおうとしたところを、彼女の奇蹟の力を惜しんだ教会の権力者が邪魔し、〈聖ミネルヴァが姿隠しの奇蹟によって、彼女の脱出を助けた〉とされ…〈波化聖人〉の条件を満たしていたことが、後に大きな影響を与えた。

 オルデンヌは聖北教会の列聖基準を満たすほどの奇蹟を他にも起こしていたのだが…彼女の殉教後に列聖すべきかという論争になり、聖遺物となるはずの彼女の遺体が彼女と同行していた“蓮の亜神”ハーレーンに奪われ、〈波化聖人〉の条件を理由に聖北教会側では死後の列聖がなされなかったのだ。

 オルデンヌは、その棺から癒しの水が湧き出たという聖女本人に関わる奇蹟も起きており、実は聖北教会でも列聖すべきかどうかいまだに検討されている異例の存在だ。
 列聖がかなわず福者のままなのは、湧き出た癒しの水の泉がイルファタルの聖海教会の重要な財源と信仰の要になっているからで、聖北教会側が泉の所有権を移譲するように求めた時、イルファタルの聖海教会がやんわりと拒否し、あわやアロントから御堂騎士団が出動するかという緊張状態になった。
 結局、癒しの水の泉は〈不動〉の聖遺物という扱いで、権力者や土地に住む異種族の反発も警戒した聖北教会側が引き下がって、事件は終息する。
 二つの教会の間にわだかまりが残ったため、さらにオルデンヌの列聖を妨げている…両教会の微妙な関係を象徴する有名な裏話である。

 これらの聖北教会と聖海教会間の問題は、最近勃発した〈シグヴォルフとスウェイン両国の聖海教会改宗事件〉にも多大な影響を与えたとされる。

 歴史的にシグヴォルフやその隣国であるスウェイン王国などは、さらに北方にある宗教都市国家エンセルデルから国の教会を統括する司教を派遣していた。
 エンセルデルは、アロントから遠く離れた北方諸国に配慮し、小法王などともいわれる総大司教を置くことが例外的に許された宗教都市だ。

 総大司教は権限としては、特定の諸国において特別な権限の与えられた司教という扱いなのだが、戦国状態にある北方ラダニール諸国やその近くにあるグロザルム諸国は、アロントや西方諸国からあまりに危険で遠く離れた土地にある。
 蛮族との争いが絶えないキーレのさらに北方、大きな山脈を越えて西方から陸路を馬車と徒歩で一か月以上、海路でも風の精霊の力を借りた特別船で二週間以上かかる。
 陸路は蛮族や飛竜・巨人などが生息する地域を抜けねばならず、海路は海賊の跋扈する海域を通らねばならない。

 〈キーレに行っちまえ!〉が〈死ね!〉と同意語のスラングだとすれば、そのさらに北に行くということはどれほど忌避されるか分かるだろうか。

 急な司教座などの上位聖職者の空白ができた折、対応できる高位聖職者の総大司教座を設けるのも必然であった。
 だが、ここでも微妙に地形的問題が発生する。
 海に面したグロザルム諸国と山脈を挟んで内陸にあるエンセルデルを含むラダニール諸国は、近いようでいて微妙に隔絶されているのだ。

 シグヴォルフにある司教座と関係する聖北教会は、より原理的な聖北主義を掲げ、その思想を持つ司教をここ百年ほど就任させてきた。
 シグヴォルフ司教区における聖北教会は、異種族・聖海教会・魔術師・精霊術師など、純粋ならざる者はすべて異端に準ずると考える相当に過激な教義を掲げており、特に近年司教座にいたホフデン司教は、異種族であれば追放刑、魔術師や精霊術師は妖術の使い手として火刑にすることも躊躇しない過激派であった。

 このホフデン司教であるが、原理主義的な考え方があまりに強かったため、若い頃に問題を起こしアロントからエンセルデルに左遷され、先代の司教が亡くなった後にアロントの聖北原理主義者たちのごり押しでシグヴォルフの司教となった人物だ。

 シグヴォルフの聖北教会に冬をもたらした〈首落しの司教〉ホフデンの悪名は北方全土に轟いており、敵対者は異端審問にかけて貶める…一国の公爵家すら例外でないという行いをしたことで周辺諸国を恐怖させた。

 ホフデンは、「完全ならざる肉体の者は天国に行けない」という教義を掲げ、敵対者は異端認定して、神罰として首を斬りさらし者にするという野蛮極まりない刑罰を好んで行った。
 私兵の教会騎士団を周辺諸国の許可なく編成し、我が物顔で国とは別の税を徴収し、司教座があるシグヴォルフの賢人機関〈墓守〉は異端の巣窟であると言って認めず、ついには絶世の美女として有名な公爵家の一人娘を、教会の聖職(ホフデン司祭の愛人)に臨むという無茶振りをする。
 公爵家は穏便に公爵家の後継問題があるので彼女の身柄を差し出さなかったのだが、ホフデン司教それに怒り狂い、とんでもない暴挙に出る。
 グロザルムでも歴史あるシグヴォルフ王家の親戚ワルト公爵家の公爵夫妻を、事業の失敗を原因に自殺したとして、公爵邸を占領、自殺は大罪であるとしてまともな宗教裁判もせずに公爵家の一族を破門、家門断絶を国に強要するなど、専横を極めていた。

 シグヴォルフ王国にとって、ワルト公爵家は王族に含める歴史的特別な家柄だった。

 この事件をきかけに、シグヴォルフ王家はホフデン司教が宗教儀礼に関わることを拒絶。
 一気にシグヴォルフ王族と国内の聖北教会の関係が悪化するに至る。

 結局、ホフデン司教が公爵家を潰してまで臨んだ絶世の美女…オルトリンデ姫は、破門された咎により王国騎士への報酬として下賜され、その騎士の妾となった。
 これはホフデン司教に対する王族側の抵抗であり、オルトリンデ姫の保護のためでもあった。

 姫を下賜された騎士…彼こそがシグルトの父アルフレトであり、オルトリンデ姫はシグルトの母親である。
 後にアルフレトは隣国との戦争による武功の報酬を王に臨まれた時、病気で亡くなった本妻に代わってオルトリンデ姫を正妻へと望み、そのために姫の貴族復帰を願って叶えられた。

 朴訥なる騎士アルフレトとオルトリンデ姫の物語はまたの機会としよう。

 問題はこれらのことに過激で悪辣なホフデン司教が黙っていなかったということである。
 ホフデン司教は、甥の男爵子息グールデンと共謀してオルトリンデ姫の息子であるシグルトへの苛烈な嫌がらせをした。
 ついにはグールデンが、シグルトの妹シグルーンを拉致。
 シグルトは自らも虜となるが、妹を守るためにグールデンを撲殺した。
 そして貴族殺しの罪でやむを得ず追放刑となる。

 この追放の背景には、さらなるホフデン司教の復讐でシグルトの父アルフレト男爵が殺害されたことで、父系を重んじるシグヴォルフにおいて、男性では唯一の公爵孫であるシグルトを国外に逃がすための、苦肉の策であった。
 聖海教会に改宗したシグヴォルフ側における最近の主張では、このように言われているという。

 シグヴォルフ王国の隣国イルファタルは、聖海教会の聖女オルデンヌ所縁の地。
 エンセルデルの意向なくアロントを通して聖海教会の人間を司教として任じる慣例があった。
 異種族の坩堝と呼ばれ、精霊術師が聖海教会と共存共栄している非常に珍しい都市国家であり、この国風に親和性の強い司教でなければ土地の人間に反発されてまともに教会運営ができなくなるからなのだが…ホフデン司教はイルファタルに対しても度重なる過激な発言をしており、〈邪教の温床〉などと非難してシグヴォルフとイルファタルの関係を悪くさせてきた。

 先日ついにシグヴォルフ王国側がホフデン司教の横行を非難し、隣国スウェインとともにイルファタルの司教座に帰依と救済を求め、ホフデン司教を国外追放に処し、アロントの法王庁に聖海教会を経由したホフデン司教の処罰を要求したのである。

 アロントの法王や枢機卿たちはすんなりとこれを認め、ホフデン司教を破門に処した。
 エンセルデルの総大司教もこれを認める。

 どう考えてもホフデン司教はやりすぎたのである。

 シグヴォルフとスウェインで吹き荒れたホフデン派粛清の嵐に、両国の一部の貴族や教会騎士団が揃って山岳地帯の砦を占拠し、現在はにらみ合いが続いている。両国では内戦に近い状況だ。

 現在ホフデンは自らを大教主と名乗り、アロントやエンセルデル、北方の諸国は異端に毒されれていると声高に反乱を扇動していた。

 ホフデンについた貴族や教会騎士団は、司教の専横に便乗してきた者たちであり、土地に根付いた元からの排他的思想と深く結びついていたので、この勢力はなかなか大きなものになった。

 アロントとエンセルデルは、戦力を派遣すれば多大な戦費がかかるとして「ホフデン元司教の断罪は関連する国家にゆだねる」と武力関与しないことを決定。
 この本心は暴走した司教などよりも〈シグヴォルフとスウェインが聖海教会の教義に改宗〉してしまったことであり、下手をすれば北方の聖北教会に不満のある諸国はこぞって同様のことを行い、北方の多くの聖北教会が聖海教会に乗っ取られる可能性を警戒したためであり、シグヴォルフ側も聖北教会側の意図を敏感に感じ取り、アロントの法王庁にも歩み寄りを見せているからである。

 歴史的に聖北教会と聖海教会は、何度か分裂する可能性もあるほど緊張状態になった。

 十字教の歴史では、アロントの聖北教会とアウグスティノープルの東方教会の宗教分裂という大きな事件も、実際に起きている。
 東方教会分裂事件はその後の十字軍計画を妨げ、東方帝国から侯爵家が東方教会の教義に反発して〈ラヴァンディエ侯国独立〉を成し遂げ、彼の国は東方にある聖北教徒として聖北教会から大司教を招致している。

 現在聖王国隣接にある十字軍遠征のきっかけともなった、聖北教会や東方教会を含む十字教(聖十字教・十字聖教)・聖典・聖戒共通とされる昇天の聖地メーヘナは、聖地により近い東方教会の影響力が強かった。

 十字軍が聖地遠征の折には総大司教を聖王国に置いていた聖北教会は、互いに認証しない東方教会を牽制する意図もあって、聖王国が実質機能しない壊滅状態の原罪はラヴァンディエ侯国に大司教を派遣することを認め、その影響において近年ラヴァンディエの隣国ヒョルド王国が聖北教会に改宗した。

 水面下では同じ十字教から分裂した教派同士が、火花を散らして勢力争いをしていた。


 スピッキオが本日会う予定だった聖職者は、スピッキオが修道士時代の時に知り合った聖職者で、手紙で何度も信仰の何たるかを語り合った人物だ。
 しかし、いざ教会に来てみれば会見は叶わず…目の前にいるのは、アロントからやってきた聖北教会の枢機卿である。

 リューンに来た当時、聖地巡礼を終えたばかりで薄汚れていたスピッキオは、教会に宿を求めるも門前払いを受けていた。
 今では冒険者としてそこそこ成功し、先日聖北教会の大信徒ヴェルヌー女伯イザベラから名誉臣民の地位を叙せられたばかり。
 聖職者としての扱いが良くなったからこそ、この教会を待合の場として使う事にもできたのだ。

「…はて、枢機卿猊下からいきなりの御呼出し。
 心当たりがないわけでも御座いませぬが、いささか分が過ぎておりませぬか?

 貴下の使者の方々に要件を告げられる程度ならばありましょうが、先触れも無く直接お目にかかるほどの理由、愚僧めには思い至りませぬ」

 いきなり座るように言われて、とぼけたようにスピッキオはそれを拒絶した。

 スピッキオとしては、今の冒険者生活が気に入っているし、今ある司祭位にも執着があるわけではない。
 どれほどの地位の聖職者を相手にしても、敬意を払うに値しなければしない…スピッキオはそういう人間であった。

「謙遜する必要はございません。
 スピッキオ師のご活躍は、遠くアロントにも聞こえております。
 なんでも、最近は何度か〈福者〉の啓示を受けられたとか。

 同じ聖北の教えを守るものとして、敬意を払わずにはおかれぬのです」

 そういうとジェルメーヌと名乗った緋の衣の高僧は、口端を釣り上げた。
 目はまったく笑っていなかったが。

 枢機卿とは、法王(教皇)の最高顧問団の一員のこと。
 すでに司教に叙せられた者たちであり、法王の側近中の側近と言える。
 この時代は、法王宮廷の貴族のような立ち位置にあった。
 平民出身の者は少なく、多くが名門貴族の出である。

 スピッキオがぎろりと大きな身体から一瞥すると、枢機卿はびくりとして汗を拭った。

 側にいた若い僧侶が、「なんと無礼な!」と怒りをあらわにしている。
 この側近などは先ほどからわざとらしい馬鹿にした態度で、スピッキオに礼すらしない。
 助祭らしいのだが、おそらくはこの枢機卿の寵愛が厚いのだろう…従者的な立場にも関わらず、身分不相応にも枢機卿に同意を求めたり、独り言のようにスピッキオを田舎臭いだの、うすらでかい年寄りだのとぼそぼそ馬鹿にした言葉を口にしていた。

 司教や枢機卿などの高僧は、品位を損なう悪口を自分では言わず、相手を勝手に貶める部下を連れ歩くことがあることがある。
 多くの聖職者は、目上である高僧の影響を恐れて言い返せない。
 高僧もわざと悪口や無礼な態度を咎めないことで、遠回しに相手を侮辱する手段なのだ。

「わしは南海の僻地で生まれた粗忽もので御座いますから、そのような気遣いは無用です。
 我らの田舎話など、お耳を汚すところで御座いましょう。

 猊下も聖務がお忙しい身のはず。

 遠回しにせず、要件をお話しくだされ」

 この類の面倒な下っ端はまずは無視するのが一番だ。
 スピッキオは、若僧のたわごとは無視して枢機卿に促した。

「…師がそう言ってくださるのであれば、話は早い。

 法王庁としては、先のシグヴォルフ王国・スウェイン王国の両国による、イルファタル聖海教会帰属が大変問題になっております。
 聖海教会は法王庁も承認する教派ですから、古い時代のようにまた溝ができて関係が険悪になるのはよろしくない。
 
 師はなんでも、ことの中心人物であられるワルト家公爵孫子シグルト殿とともに冒険者として行動しておられるとか。

 ホフデン元司教の目に余る悪行により、法王聖下の望まれぬ結果となってしまいました。
 聖下はことの解決をお望みです。

 師にはシグルト殿への取り次ぎと、〈法王庁はシグルト殿の味方である〉と伝達をお願いしたい」

 淡々と用件を伝えているが、枢機卿の目にはスピッキオに対する嫌悪感が見て取れる。
 おそらくこの枢機卿は、聖海教会をよく思っていない。

 こういう人物をわざと遣わした法王庁の意図も見える。
 地位的には強く出られないはずのスピッキオに圧力をかけ、法王庁の権威を示すつもりなのだ。

 アロントから押し付けたホフデン司教が行った問題行動のため、関わった各国から法王庁が厳しい突き上げを食らったとは聞いている。
 この枢機卿は、おそらくホフデンと同じ聖北原理主義の人間で、後始末の意味もあって今回使い走りにさせられたのだろう。
 先ほどの〈福者〉の啓示云々の口上で、それが良く分かる。

「承知しました。

 シグルトが申しておりましたが、あやつはすでにリューン市の自由市民として亡命と帰化を望んでおりますれば、我らが後援者ヴェルヌー伯爵閣下もそれを承認なさり、閣下の名誉市民に叙された次第。

 教会側が余計な詮索や強硬手段をせぬ限り、あやつや愚僧めが法王庁に敵対することはありませぬ。

 両国とイルファタル聖海教会における問題に関しては、わしらのまったく与り知らぬ間に起きた事件で御座いますれば、法王庁が直接あちらと交渉なさるがよろしかろう。

 お話は以上で御座いますかな?」

 すぐにも話を終わらせようとするスピッキオの態度に、ついに枢機卿の側近が前に出てきて怒鳴りかかる。

「この無礼者め…磯臭い田舎司祭の分際で、先ほどから猊下に対しなんたる態度であるのか!」

 その言葉に、スピッキオは太い眉をぐりりと釣り上げると、杖で床を突き大きな音を立てた。

「…無礼者はどちらか!
 脇に侍るだけの若僧めが好き放題ほざきおってからに。

 助祭ごときが、高位聖職者の前に出て話の端を折るでないわ!
 斯様な身の程知らずが、礼儀を語るなど笑止千万。 

 枢機卿猊下…この側近の教育はなっておりませぬ。
 法王庁の権威を傘に、先触れもせずわしを呼び出したのも、そちら側がまず礼を失しておることが分かりませぬか?
 関係改善を望むならば、まず下々の者にも礼は尽くすことです。

 かつてわしが巡礼の旅路を終え、この西方に戻った折も、この教会に宿を求めた時に、聖海の者は異教贔屓だのと追い払われ、足蹴にされたことを忘れてはおりませぬ。
 聖北教会が、正しく承認した聖海教会と同じ神の使徒というのであれば、こういった態度をまず改めらるがよかろう。

 わしは南海公会議にて、聖海教会の司教座より正式に司祭に任じられた聖職の身なれば、枢機卿猊下の部下でもなければ、そこの礼儀知らずの若僧に返す礼などありませぬし、アロント法王庁の使い走りでも御座いませぬ。

 今回の仕儀はそちらの言う要望を叶える前に、まず聖海教会を通して然る筋からアロントに抗議させて戴く。

 …もうよろしいですかな、枢機卿猊下?」

 有無を言わせぬスピッキオの態度に、無礼発言をした側近は真っ赤になって震え、拙いことになったと理解できる程度の分別はあったらしい枢機卿は、青ざめた顔をして側近を鋭い声で諫め、スピッキオに自ら無礼を詫びた。

 法王の次の地位、法服の貴族たる枢機卿にこうも強く言い返したのは、スピッキオが高僧の扱いに慣れているからである。

 スピッキオがかつて修行していた聖アンティウス修道院は、様々な高僧が政争に敗れて流れ着く吹き溜まりでもあったのだ。
 そこで修道院長の側近として彼らの行動まで管理し、ずっと差配していたスピッキオである。
 主導権争いでの年季が違う。

 〈聖域の伏魔殿〉などとも揶揄される法王庁では、腹芸の一つもできて当然。
 毎日のように権力者を迎え入れて式典を行っているアロントの聖職者たちは、たてまえとはいえ目下の者にも丁寧に対応するものだ。
 それができないから、使い走りとしてこのようなところに派遣されるのである。

 一般的な司祭の中にも格の違いというものがある。
 スピッキオは信者たちに尊敬される聖地巡礼を終えた聖職者であり、格式ある修道院で長く修道院長の側近として過ごしてきた。
 それこそ、次の修道院長の候補にもなったほどに。

 高潔で地位に執着せず、確固たる信仰を持ち、破門すら恐れない
 先日の商船衝突事件ではたくさんの人々の命を神聖術で助けている。
 ヴェルヌー女伯の寵厚きシグルトとともに冒険者として、在野で行動している話題性もある。
 何よりここ一年足らずで、一生に一度あるかという聖人の啓示を複数回受けるという、極めて強い聖性を示している。
 
 聖職者には、行いや聖性という〈徳〉を判断基準にする人間も多い。
 スピッキオ本人は、神への信仰の前に恥じぬ行動をしていればそれでいいと考えているだけなのだが、世間一般的に見るなら、やらかして地位が危うい枢機卿などより、はるかに〈徳〉が高いのだ。

 足早に去っていく枢機卿とその取り巻きの背中を見つめながら、自分がいたような僻地の修道院に流される彼らの未来を幻視し、スピッキオは彼らの面倒を見る修道院の世話役たちに同情し、心の中で祈りをささげるのであった。


「さすがはスピッキオ師。

 お叱りの言葉が、聖ネプトゥネスの雷鳴の如く響き渡っておりました」

 一呼吸を置いて入室してきた聖職者の歯にものを着せぬ言いように、スピッキオは苦笑する。

「なに、若者の過ちを諫めるのも老骨の役目なれば。

 ご壮健のようで何よりです、ヨハネス師」

 胸で十字を切って礼をするスピッキオに、相手も同じように十字を切る。

 ヨハネスは、北方エンセルデル出身の元高僧である。
 かつては時期法王あるいはエンセルデルの総大司教候補と目され、聖都アロントの法王庁で枢機卿の一人にまで上り詰めるが、まともな聖職者としての感性が強かったために、いつも聖都アロントの腐敗を嘆いていた。

 アロントに巡礼に来ていた、聖アンティウス修道院の院長に随行していたスピッキオとは、その縁を通じて邂逅を果たすと、スピッキオがアロントに滞在する間は夜通し信仰について語り明かしたものだ。

 二人は位階を離れた友であり、また信仰の兄弟としてずっと手紙のやり取りをしてきたのである。

 ヨハネスは聖海教会への理解も深く、特に熱心に聖海の聖女オルデンヌの徳を讃えて聖北教会での列聖を叫んでいた人物でもある。
 だが数年前にヨハネスは突然聖地巡礼を申し出て枢機卿を辞し、オルデンヌ列聖を願いながら果たせなかった力不足を、法王に詫びて一司祭となってから聖地巡礼の長い旅に出た。

 本来は一度司教、しかも枢機卿まで上り詰めたほどの聖職者が一司祭に戻るということはめったにないことである。
 これは、現法王庁に対する抗議でもあったとされていた。

 そして、先日過酷な聖地への旅を無事終え西方に戻ってきたところ、“風を纏う者”との面会を終えた直後のヴェルヌー女伯に西方期間を知られ、乞われて会談し、スピッキオのうわさを聞いてリューンまで会いに来たのである。

「…改めまして、ヨハネス師。
 先ほどはお聞き苦しい状況で申し訳もございませぬ。

 すでにお聞き及びのことだと思いますが、先日シグヴォルフとスウェインがイルファタルの聖海教会に帰属したことは、聖北・聖海両教会においても大変な物議を醸しておりましてな。

 わしの冒険者仲間のシグルトが、シグヴォルフ王国の失われた公爵家の孫だったが故に、あのように法王庁の者が釘を刺しにやってきたのです。
 シグルトは気持ちのよい青年で、物欲も出世欲も無く、当人も貴族に戻るつもりはないと申しておりました。
 
 いきなりリューンに来てわしを呼び出すなど、まったくお門違いの話。
 まずは後援者のヴェルヌー女伯に話を通すのが筋というものです」

 困ったように苦笑するスピッキオに、ヨハネス司祭も大きくため息を吐いた。

「ホフデン元司教は、エンセルデルでも凄まじい原理主義を掲げておりました。
 とても聖職者の器ではなく、私がアロントにおりました時は、司教就任を強く諫めておったのですが。

 私はイルファタルのオルデンヌ列聖を推薦していた立場ですから、異教排斥主義が強いあの方たち原理主義者とは全く話がかみ合いませんでした。

 なぜ今更、破門程度で済ませているのか。
 あの方のしてきたことを思えば、騎士団を派遣して捕らえ、アロントの法王聖下の名のもとに厳しく裁き罰せねば示しがつかないでしょう。
 事実、周辺勢力を取り込んで新興宗教を立ち上げている始末です。

 かつては強く天に輝いていたアロントの威光も、今となっては地に落ちた明星のごとしですね。

 シグルト殿やそのご家族の話を聞くにあたり、かつてはそれを諫められる立場にあった者として、お詫びのしようも御座いません。
 一度会う事がかなうのでしたら、跪いて許しを請いたいと思っております」

 ヨハネス司祭はこういう人物だった。
 自分が悪いわけではないのに、関わっていた時分の事は自分にも責任がある。だから、誠意を込めて謝る…それが身分の低い貧民や冒険者のような職業の者に対してであっても。

「シグルトはただ言葉をかけるだけでも、師の気持ちを理解するでしょう。
 大仰な所作などいりませぬ。

 どうか、神に召されたあやつの父上や友のために祈ってやってくだされ」

 スピッキオの言葉に、ヨハネス司祭は強く頷いて目を閉じると十字を切った。


「…それにしても、ヨハネス師。
 これからどのようになさるおつもりなのですか?

 アロント、あるいはエンセルデルに戻られるのですか?」

 しばらく互いの巡礼の話や、スピッキオが体験した啓示の話を乞われてしていたが、一息ついたところで、スピッキオは今後ヨハネス司祭が何をしようと思っているのか尋ねた。

 彼は大きく息を吐くと、天を仰ぐ。

「アロントやエンセルデルに戻るつもりはありません。
 争いの渦中にあるイルファタルやシグヴォルフにも、行ったところで一司祭となった私には何もできないでしょう。

 私は神の御国のためと言いながら、薄汚い手段で民の血や涙を流させて集めた金を積み、祝福を求める権力者のために祈る気はもうありません。
 聖遺物と称して、遺体の身体を引き裂き、生き血を啜る怪物どものために秘蹟を行う気も起きません。

 廃教会の一つでも戴いて、神にこれまでの懺悔を祈り続ける生活などを考えていましたが…
 本日スピッキオ師にお会いして、その生き生きした様を拝見して思うのです。

 罪深い私がするべき真の贖いとは、やはり人々のために力を尽くすことではないかと」

 かつてヨハネス司祭は、どんな薄汚いやり方を前にしても怖気づくことなく神の正義を信じ、聖務に励んでいた。
 自分の考える理想の実現のために、過ちを犯した信徒たちを励まし叱り、道を踏み外した聖職者がいれば上に立つ者としてそれを糾弾し、正しい神への信仰とは何たるかを説いていたのだ。

「…師よ、どうか聞いてください。

 愚かな私の懺悔と、なぜ私が巡礼の旅に出たのかを」

 ヨハネス司祭…ヨハネスは、話し始めた。

 金剛石のような信仰と決意をもって人を導いていた高僧が、自らの信仰すら疑い、使命感に燃えていた心が、ぽっきりと折れてしまったその事件のことを。

 それは〈聖女フリジアの殉教〉と呼ばれた。

 辺境の寒村にフリジアという信心深い娘がいて、彼女は病気治癒の奇蹟を使うことができた。
 教区の司教が自身の権力の強化のために、フリジアを聖女として大げさに法王庁に紹介した。
 当時から法王庁の権威を増すため、聖人や聖遺物を躍起になって集めていたアロントでは、異例の速度でフリジアの列聖が認められる。
 その話を聞きつけた貴族出身の御堂騎士が『聖遺物の保護』の名のもとに聖女フリジアを誘拐。

 一度は御堂騎士の元から脱出し保護された聖女フリジアであるが、功を急いだ貴族が御堂騎士に依頼し、再びフリジアを強引に誘拐しそのまま殺害。
 彼女の遺体は教会の中の派閥同士で奪い合いになってバラバラにされ、特に病気平癒の奇蹟をおこすという右手は剥製にされ、聖遺物として現在もある貴族が治める領地の教会が所持している。

 「せめて遺体の一部でも故郷に」。
 フリジアの両親によって依頼された冒険者たちが頭部を奪還すると、それは両親とともに行方不明となった。

 左手はフリジアを聖女として紹介した司教が所持して教会を設立しようとたくらむが…穏健派に属する御堂騎士が司教の汚職を見つけ出して解任破門に追いやり、保護の名目で奪取されたが、今は行方不明のままだ。

 胴体やその他の四肢はすでに微塵にされ〈不老不死と病気平癒の霊薬〉にされて、悪名高い派閥の資金源になったという。

 〈聖女フリジアの殉教〉…当時はアロントのスキャンダルとして各国…特に教会関係者を戦慄させた。

 御堂騎士という、アロントの象徴となる武力は、聖遺物を強奪し聖人を引き裂く狂気の代名詞として地に堕ちた。
 同様の事態を恐れて生きたまま列聖された一部の聖人が身をくらまし、聖体分散を防ぐ理由で各地の聖人の遺体が専用の棺桶…鉄格子のついた鋼鉄の箱に収められるなど、仰々しい有様になる。

 この事件は、近年における聖北教会の大きな汚点となり、事態の収拾を図った法王庁と御堂騎士団、裏で暗躍する貴族の派閥との間で諍いが起き、たくさんの血が流れた。
 その抗争は、〈聖女フリジアの血涙〉と呼ばれた。

 ヨハネス司祭はこの事件の当事者であった。 

 聖女フリジアは、さらわれてアロントにつれてこられていた時、両親を求めて御堂騎士団の元を逃げ出した。
 途方に暮れて泣いていたフリジアを見つけたヨハネスは彼女を保護し、御堂騎士団やそれに関わる権力者の悪行を責め、なんとかフリジアを両親の元に返してやろうと手を尽くした。

 自分に優しくしてくれた善良な聖職者ヨハネスに、フリジアは神様の話をせがんでよくなつき、彼の膝の上で一緒に聖書を読みながら屈託のない笑みを浮かべていたという。

 そんなヨハネスの元を盗賊に扮した御堂騎士が強襲、ヨハネスは重傷を負い、フリジアは連れ去られた。

 法王庁の優れた癒し手によって傷の治療を終え、フリジアの行く末を心配しながら聖務に復帰したヨハネスは、法王庁にやってきて自慢げに幼子の右手の剥製が入った瑠璃張りの箱を掲げる貴族を見て…金切り声を上げてその貴族を司教杖で殴りつけ、その箱を掻き抱いて慟哭したのだという。

 その剥製の腕には、フリジアが聖女の証として神につけられたという癒しの徴…百合の痣があった。

 フリジアの頭部は「せめて遺体の一部でも故郷に」と願った彼女の両親に依頼されて、匿名の冒険者が奪い返し聖女の両親とともに行方不明となった。
 この件に関して、冒険者への報酬を用意してフリジアの頭部奪還の手引きをし、両親の逃亡先の手配をしたのは、他ならぬヨハネスであった。

 聖女の虐殺の後に、徳の高い高僧がいきなり貴族を殴りつけ聖遺物の盗難に関与する…立て続けに起こるスキャンダルの前に、法王や枢機卿団は、自身も頑なに司教位を固辞するヨハネスの辞任を認めるしかなかった。
  
 殴りつけられた貴族はヨハネスの処刑を声高に叫んでいたが、間もなくフリジアの腕の剥製をめぐって他の勢力と争い、殺されてしまう。

 法王庁としてはこれ以上の悪い噂は何とか封じ込めたかったため、貴族を殴ったヨハネスの罪はうやむやとなり、聖女フリジアを保護しながら守れなかった件と、主導していた〈オルデンヌ列聖〉の聖務が叶わなかったことの責任を取り、ヨハネスは枢機卿を辞任して司祭位を返上する形となった。

 ヨハネスは普段から清廉潔白で、多くの聖職者たちから尊敬されていた。
 聖職のすべてを剥奪ともなれば、他の聖職者たちの反乱も予想される。
 すんなりと辞任を認める条件として、ヨハネスは反乱の旗印にはならないよう誓約をさせられ、一司祭に格下げされた。

 その後は数日間僻地の教会にこもり、祈って身を清めたのち巡礼に旅立つ…追放同然の身となったのである。

 資産というものをほとんど持たなかったヨハネスは、枢機卿時代に使っていた装飾品や神聖術の技能書の類を処分して金を作る。巡礼の旅の準備だと言えば疑う者はいなかった。

 作ったお金でまずしたことは、フリジアの両親を保護するために、善良で優秀な冒険者を雇う事。

 ヨハネスは、聖遺物に関する調査が及び、噂が広まれば、いずれ貴族たちによってフリジアの両親の身柄が狙われる可能性を危惧していた。

 聖遺物の認定とは聖人の持っていた所有物に及ぶ。
 遺留品はもちろん遺体や住居、さらに飛躍すれば血の繋がった身内の人間たちさえも。
 特に母親は、〈聖人を産んだ玉体〉扱いされる可能性がある。

 法王庁や御堂騎士のやり方を誰より目の当たりにしてきた元枢機卿。
 フリジアの両親への深い愛を知っていたからこそ、ヨハネスは迷わず先んじて手を打った。

 幸い、国外からアロントにやってきた、高潔な性格の冒険者たちを雇うことができた。

 ヨハネスが懺悔のように今までの経緯を話をしてフリジアの両親の保護を願うと、正義感に燃える冒険者たちは提示した報酬に納得してすぐに依頼を引き受け、実行してくれた。

 フリジアの両親は愛娘を壮絶な仕打ちによって失い、茫然自失で移動する気力すらなくなっている状態だった。
 ヨハネスはそれも予測しており〈せめて自分が確保できた、フリジアの遺品を渡したい〉という言葉を添えて、二人が冒険者に同行する理由を作り出した。

 冒険者たちが連れてきたフリジアの両親を見ると、ヨハネスは額を地面に叩きつけて涙を流し、起きた事件のすべてを正直に話した。
 そして、フリジアに渡してとても喜ばれた小さな銀の聖印と、彼女が両親に作ってもらってずっと抱いていた粗末な人形を形見の遺品として渡したのである。

 それらに加えてヨハネスの財産のすべてを差し出そうとすると、フリジアの両親は「どうかそのお金で、せめてフリジアの頭部だけでも取り戻してほしい…そしてヨハネスの祈りでフリジアが愛した故郷の地に弔ってほしい」と願ったのだ。

 娘を深く愛していた両親だからこそ、ヨハネスの心情をすぐ理解してくれたのだろう。
 彼らはヨハネスを責めることはなく、愛娘を救うために奔走し、枢機卿という地位を失ってまで自分たちを救い、娘の遺品を与えてくれたことに深く感謝していた。

 フリジアの両親を助けだした冒険者たちは、アロントの教会や貴族から憎まれるリスクを負ってまで、〈フリジアの頭部奪還〉という危険な任務に志願してくれた。
 
 法王庁の各所に顔が利くヨハネスの手引きと、聖女の虐殺に怒りを覚える衛兵や聖職者たちの協力もあり、スキャンダルによる混乱に乗じて、冒険者たちは見事にフリジアの頭部を奪還。

 フリジアの頭部は、彼女の父親が作った木の胴体に母親が晴れ着を着せ、遺品の人形と銀の聖印とともに葬られた。

 五体満足の身体でなければ、最後の審判の後に天国で復活できない。
 獣や魔物に身体を食われた者、落盤や事故で身体を失った者、病や戦争で身体障碍者になった者。
 身体が不自由な人間は、労働力として役に立たなくなることから因習のある田舎では時に迫害され、格式にこだわる聖職者はその葬送を嫌う者すらいた。
 身体を失ったまま死んでしまった者は、その姿をできるだけ見ないようにしてひっそりと埋葬されるだけである。

 失われた身体を補い、その仮の身体に聖職者が祝別をして弔うのは、今は廃れた古の風習である。
 なぜならば、神が与えた身体だけが魂のよりどころと考える信仰にとらわれた者たちは、それ以外の異物を…義手や義足ですら許さない。
 
 ならば、現世利益のために、信者たちに遺体をバラバラにされた聖人たちはどうなるのか。
 ヨハネスは思う…そんな因習よりフリジアへの愛に満ちた両親の行いの方が尊いと。

 フリジアがいつも朝日や夕日を眺めながら神に祈っていたという故郷の丘の上に、墓碑の無い小さな石を目印に置いただけの粗末な墓。
 墓碑などを刻めば、何れフリジアの首がまた奪われるかもしれないからだ。

 ヨハネスが涙を流しながら葬送の言葉を唱えると、その時小さな奇蹟が起きた。

 五体満足のフリジアの霊が現れ、両親には「愛している」と。ヨハネスには感謝の言葉と「お坊様、大好き」と言葉を添えて、微笑みながら天に昇って行ったのだ。

 これは後に、信心深い冒険者たちの間で〈聖女フリジアの奇蹟〉と呼ばれる話である。

 この奇蹟を目の当たりにして、絶望していたヨハネスは神への愛と使命を取り戻した。

 聖地巡礼をしたのも、一緒にいた時にフリジアが聖地を見てみたいと言ったからだ。
 一司祭となったヨハネスは、少しだけ分けてもらっていたフリジアの遺髪を聖地メーヘナの十字架の丘に埋め、フリジアの天国での幸せを心から神に祈った。


「聖地の丘から見える夕日を眺めながら、その時誓ったのです。

 フリジアのような不幸な目に合う子供があらわれないように、私の残された時間を使おうと」

 ヨハネス司祭の話を聞いていたスピッキオは、いつの間にか涙を流していた。

 最初は聖職者でありながら道を踏み外した者や残虐な貴族たちへの憤りがあった。
 続いて、フリジアの死を嘆く司祭やフリジアの両親への深い同情があった。
 最後は、奇蹟を目の当たりにしフリジアの愛でヨハネス神父が再び立ち上がった話に、感動と強い共感を覚えた。

 どうしようもない不幸がある。
 それをもたらす鬼畜で邪悪な輩もいる。
 聖なる存在すら、貶められ、理不尽に引き裂かれることもある。

 でも悲劇の先にあったのは、ただ優しく真心で包み、感謝する聖女の愛。
 己の不幸に悲観し世界を憎むことをせず、その健気な愛で両親と一人の聖職者の心を救う。
 これはきっと、聖女の真心が起こした殉教の奇蹟だ。

「…神は、不幸に死んだフリジアを天に召されたように、お救いになる。
 そして信仰を疑い、叩きのめされた私の心をもお救い下さった。

 口さがない者たちならば、神はフリジアを死なせずに救えばよかったと言うでしょう。

 でも私は思うのです。
 フリジアが悲劇に見舞われたのは、愚かな人間たちがもたらした人災という罪そのもの。
 この罪から赦し救ってくれる、フリジアのささやかな愛こそが最も尊いのだと。

 世にあるたくさんの不幸な死を、神はお嘆きになりながら、フリジアのような無償の愛を与えて、救おうとして下さっている。
 かつて主が、神の子が…その身と愛をもって私たちの罪を贖ってくださったように。

 今の私はただその愛を信じているのです。

 故に私はこの先いかな悲劇に磨り潰されようとも、変わらず神に感謝ができるでしょう。
 これこそが、過去に殉教して行った先師たちの信仰の本質だと気が付いた時、この心の中に神と聖女フリジアの愛が満ちるのを感じました。

 恥ずかしながら…この歳で、アロントを離れて、やっとその御心に触れられたのです」

 ヨハネス司祭の瞳は、穏やかな光に満ちていた。

 地位を失い、障碍の場所と考えていた居場所を追われ、聖地巡礼を終えた後…クレメント司祭の言葉で恐れることの無い信仰を得たスピッキオは、ヨハネス司祭の言葉が身に染みる思いだった。

「…スピッキオ師、シグルト殿は冒険者の傍ら、身寄りの無い子供たちの保護をなさっていると聞いています。
 しかも文字や技能を習得させ、一人前の仕事に就いて自立できるように導いていらっしゃると。
 
 私はもし許されるのであれば、そのお仕事の手伝いをさせて戴きたいのです。

 本日スピッキオ師に会いたいと願ったのは、シグルト殿と話す前に、まずあなたとお話しするのが筋だと思ったからです。

 口利きをしてくれとは申しません。
 私が直接シグルト殿に会って、私の願いを伝えればいいだけのことです。

 ただ、同じ聖地巡礼を終えた信仰の兄弟、スピッキオ師には、私の決意と至るまでのすべてを聞いて戴きたかった」

 スピッキオはヨハネス司祭の言葉に、ただ深く頷いた。
 かつてアロントの腐敗をともに嘆き、信仰について語り合い、同じく巡礼の旅をして、その先に自分の道を見つけたからこそ、言葉にしなくても理解できる、神の僕たる者同士の共感。

 なればこそ、ヨハネス司祭が求めなくてもするべきことは決まっている。

「師は遠慮しておいでですが、シグルトたちにはわしから話しましょう。

 それと、件の孤児や親に問題があった子供たちの保護は、旅ばかりの冒険者をしておるわしら“風を纏う者”では腰を据えてできませぬ。

 リューンの南の教会におりますクレメント司祭が中心となっておりますので、まずはその方と会って戴きたい。
 わしも宗教関係の孤児院などへの口利きもあるので、少々関わっておるのです。

 これからお時間はよろしいですかな?」

 この優しい司祭の力になりたい。
 スピッキオもまた決意して、自分の希望をヨハネス神父に伝えた。

 一瞬驚いた顔をした司祭は、やがて嬉しそうに「お願い致します」と頭を下げた。

 法王庁でも名の知られたヨハネス司祭と会談したクレメント司祭は、とても感激した様子だった。

「申し訳ない…各地の教会の助けを借りて何とか先日巡礼の旅を終えたばかり。
 私財と呼べるものはほとんど処分してしまい、持ってるものと言えば、手元にある神聖術に祈祷書と襤褸着程度の有様です。

 こんな状態で申し訳ありませんが、許されるのであれば、どうかクレメント司祭が行われる尊い事業の末席に加えて戴きたい」

 ヨハネス司祭の申し出を、クレメント司祭は感激して「師のお力添えを戴ければ、アスカロンを得た聖ゲオルギウスの如き頼もしさです!」と諸手を挙げて承諾した。

 ヨハネス司祭はやや高齢ではあるが、かつてのコネクションは健在であり、聖女フリジアの一件に関して同情する聖職者も多数いる。
 さらにこの元高僧は神学者としても大家であり、アロントに関わる良識的な信者のほとんどが、その人柄に感銘を受けているのだ。

 スピッキオは手を取り合う二人を前に、銀貨千五百枚の入った袋を取り出して机に置いた。

「冒険者なんぞをやっておりますと、世知辛さも骨身に染みるものでしてな。
 これをヨハネス師の当面の生活費として、納めさせてくだされ。

 うちの吝嗇(けち)な会計からも、この金は自由に使ってもよいと言われております。
 お二人であれば、間違いのない使い方をしてくださるでしょう。

 かつて宿を求めたわしを追い出し、今回は先触れも無く無理やり話をさせられるなど、あっちの教会の連中には愛想が尽きてしまいましたわい」

 太い眉を下げて苦笑するスピッキオに、二人は苦笑して同意した。

 不意にヨハネス司祭は一冊の祈祷書と聖水の瓶を取り出し、スピッキオへと差し出した。

「これは【祝福】の祈祷書と、私が聖地への巡礼の魔除けとして聖別して持ち歩いていた聖水です。

 【癒身の法】はどんな状況でも役立つ神聖術ですが、【祝福】は戦いに赴く騎士や競技者の健闘を祈るために使うのがせいぜい。冒険者であれば役に立つかもしれませんし、必要なければ売ってしまって構いません。
 聖水も、アンデッドと直接戦うこともある冒険者の身の上では何かの役に立つときがあるでしょう。

 御厚意のお金は、有り難く使わせて戴きます。冒険者を雇った時にも思いましたが、世の中はこれに対して本当に意地汚い。そして、使い方次第では多くの子供を救う糧ともなります。

 私は世知辛く、意地汚くあっても、救いを求める子供たちを救いたいのです」

 優しく微笑む老いた聖職者には、アロントの伏魔殿を戦い抜いてきたかつての高僧の威厳があった。
 礼とは言わず、断れないタイミングで貴重なものを差し出してくれる手際の良さも健在である。

 スピッキオは「有難く頂戴致します」と、祈祷書と聖水の瓶を両手で恭しく受け取るのだった。
 
⇒【冒険者の余暇】 聖女フリジアの奇蹟の続きを読む

Y字の交差路


タイトル画像

『風鎧う刃金の技』 エンジンVer1.50対応版(Ver0.70以降)テストプレイのお願い

2023.09.25(05:06) 492


2023/09/25 Ver0.82、誤字、リプレイと矛盾する内容など修正。
        新しいアイテムを追加しました。主にクロスオーバーネタです。
        6つほどリプレイやクロス由来のアイテムを追加しました。
    
2022/05/05 Ver0.81、スキル【劈く雷光】の威力バグ修正。このスキルは単独攻撃用です。バグ報告有難う御座いました。

※修正したシナリオはY字の交差路別院(新) 【別院(新)】 の「Y2つ プライベート・テストシナリオ」のフォルダからダウンロードできます。旧サイトは編集できないため、こちらからダウンロードをお願いします。

2021/08/09 Ver0.80に修正。
スキルなどの無効化音やスタンの効果、誤字脱字などかなり大きな修正を加えました。
旧来のカードをお使いの方は変更した方が良いものも多数ございます。(シグルトの相伝スキルなどは【剣揮う槍雷】以外はそのままでも大丈夫です)
なお、これを機会に1.28エンジン対応の旧バージョンはすべて削除しましたので、悪しからず御了承ください。
バグ報告感謝致します。


 誤字脱字その多数の不具合を修正し、新スキル(魔術呪文)を3つほど追加しました。
 テストプレイと不具合報告、ありがたく。

 ご希望には沿う形にしたいのですが、システム的に難しい部分もあるため、悪しからず御了承ください。

 今後も文章の誤字脱字違和感の報告、システムの改善、細かいツッコミ大歓迎ですので(何分あまりの文章量で脳内で煙吹いてました…)感想をいただけると幸いです。

 DL場所は 別院(新) の方にアップしてあります。

 よろしくお願い致します。


《更新履歴》
~2007/10/18 試作版Ver0.10完成
 同日    Ver0.11、誤字等バグ修正。
        暁斗さん、バグ報告有り難う御座います。
       スキル【剣揮う槍雷】、召喚獣【串刺す雷槍】
        バグ修正、効果微修正
        hirosuzuさん、バグ報告等有り難う御座います。
2007/10/19  Ver0.11’、バグの取り忘れ修正。
2007/10/24  EXVer0.20、システムの見直し。
        溜め効果追加。
       EXVer0.20’、【風逸る剣閃】、【剣揮う槍雷】
        販売リンクミス修正。あれ~?何でこんなバグが?
2007/10/26  EXVer0.21A、【風逸る剣閃】、【剣揮う槍雷】
        〈反撃〉と〈溜め〉に対応。
        全体で行動不能時に溜まらないよう修正。
        アイテム【錬鋼の籠手】追加。戦略性激変?
        スキル【姦しき波濤】追加。
        その他、誤字、文章修正。
       EXVer0.22、【昇り風】プレミアからノーマルへバグ修正。
2007/10/28  同、【風逸る剣閃】、【剣揮う槍雷】、【渦巻く剣旋】
        バグ修正。
        召喚獣【串刺す雷槍】、紛らわしい説明文を修正。
        hirosuzuさん、バグ報告等有り難う御座います。
2007/10/29  EXVer0.23、カウンターセットスキル等、
        戦闘以外でのセットをしないように修正。
        アイテム【真銀の籠手】、【風唄う籠手】追加。
        スキル【峻烈の瞬き】バグ修正。
        バグ報告、有難う御座います。
       EXVer0.23’、アイテム【真銀の籠手】
        購入できないバグ修正。
        らっこあらさん、バグ報告有難う御座います。
2007/10/30  Ver0.30、通常版、EX版統一。
        以後EX版の後継となります。
        召喚獣【報復の籠手】のバグ修正。
        氷羽さん、バグ報告有難う御座います。
        無駄だった称号付与【;薔薇の王冠】
        その処理を消去。
        スキル【風纏う刃金】説明文修正。
2007/11/02  Ver0.31、スキル【渦巻く剣旋】バグ修正。
        氷羽さん、バグ報告有難う御座います。
        このバージョンまでテスト協力に書き忘れてました。
        お許し下さい。
        解凍後、シナリオ内にもう一個シナリオがありました。
        完全なバグです、消去致しました。
~2007/11/04 スキル追加等。
       Ver0.32、召喚獣【罌粟の化身】バグ修正。
        スキル【毒花の誘惑】バグ修正。
       Ver0.33、称号【聖北教徒】付与のバグ修正。
        hirosuzuさん、バグ報告有難う御座います。
~2007/11/05  スキル【蜘蛛の楼閣】追加等。
2007/11/06  Ver0.34、諸々のバグ修正。
        氷羽さん、Penaltyさん、バグ報告有難う御座います。
        スキル【蜘蛛の楼閣】改良。
        Dragonzordさん、御意見有難う御座います。
        おまけで【アラクネ】の同士討ち処理追加。
        よりデンジャラスに。
~2007/11/10 Ver0.35、召喚獣【アラクネ】、スキル【蜘蛛の楼閣】
        バグ修正。
        Penaltyさん、氷羽さん、バグ報告有難う御座います。
        四大精霊の霊験スキル追加。
       Ver0.36、誤字修正。
        氷羽さん、誤字の報告有難う御座います。
        著作テキストの不備修正。申し訳ありません。
        剣技スキル、説明文の誤字修正。まだ残ってました。
        シグルトの剣術追加。
~2007/11/13 Ver0.37、カード解説の誤字修正。
        氷羽さん、誤字の報告有難う御座います。
        待機スキルにあった無駄な処理及び、召喚獣不具合修正。
        待機属性や籠手関係の召喚獣が、戦闘後に残って、
        次の戦闘に持ち越すと、溜めてしまうバグがありました。
        待機、あるいは籠手はこのバージョン以降の最新版に
        交換して下さい。
        大剣スキル二つ追加。
        その他、細かい修正等。
~2007/11/18 Ver0.38、スキル【狼背構】のバグ修正。
        氷羽さん、誤字の報告有難う御座います。
        スキル【狼躯襲】キーコードと説明文統一。
        Penaltyさん、報告有難う御座います。
        盾スキル追加。
        技同士の相性システム追加。
        全ての武芸系(濃い緑枠のスキル)スキルはギミック
        追加です。交換してお試し下さい。
        仕様が度々変わって、申し訳ありません。
        精霊術【氷剣の乙女】シリーズ追加。
2007/11/19  Ver0.39、誤字修正。
        氷羽さん、誤字の報告有難う御座います。
        召喚スキル追加。
        マルコキエルさん、御協力感謝。
        盾スキル&盾一個追加。
2007/11/20  Ver0.39'、【水淑女の守】スキル、メニュー画像修正。
        アイテム【真銀の籠手】、【風唄う籠手】召喚獣変更。
        マルコキエルさん、御報告有難う御座います。
        適当だったキーコードを統一。
        剣技、大剣の技は、【狼躯襲】の効果以外、召喚獣を含め
        すべて【剣技】のキーコードをつけました。
        障害が出るほどではありませんが、よろしかったら
        カードを交換して下さい。
2007/11/21  Ver0.40、【絡み合う蔦】、販売説明文誤字修正。
        hirosuzuさん、誤字報告有難う御座います。
        スキル【極光の旗手】追加。
        あまりに危険なスキルなので、収録のみです。
        詳しくは#解説テキストにて。
        マルコキエルさん、御協力感謝。
~2007/11/23 Ver0.41、召喚獣【面殴打】説明誤字修正。
        スキル【見攻守】とともに修正。
        衣さん、誤字報告有難う御座います。
        スキル【機転衛】、庇うのを選択肢方式に変更。
        氷羽さん、御意見有難う御座います。
        召喚獣【極光の軍旗】眠りを精神属性に変更。
        バグでした。【極光の旗手】も修正です。
        マルコキエルさん、コメント有難う御座います。
        おかげで気が付きました。
        細剣スキルちょっぴり追加。
~2007/11/25 Ver0.42、【薔薇の王冠】&【棘刺す半剣】画像修正。
        【臥狼王】の召喚獣【狼王座】画像修正。
        スキル【吹雪の姫君】3セット追加。
       Ver0.42’、【薔薇の王冠】メニュー画像の変更し忘れ修正。
2007/11/26  Ver0.42''、スキル【雪崩の歌声】、召喚獣【緊縛の粘糸】
        説明文修正等。スキル【蜘蛛の楼閣】修正。
        hirosuzuさん、御意見有り難う御座います。
        スキル【雪花の装飾】と関係召喚獣微調整。
        【誉れの氷冠】修正。ほぼ効果はそのままですが、
        説明文の辻褄を合わせました。
        氷羽さん、バグ報告有難う御座います。
2007/11/27  Ver0.42+、【雪化粧の姫】適性バグ修正。
        マルコキエルさん、バグ報告有難う御座います。
        召喚獣【誉れの王冠】修正。スキル【雪花の装飾】等修正。
        使用時に負傷者が出てしまう状態を緩和しました。
        眠りから覚醒する場合のみ、悪影響を残してあります。
        冷気が苦手だったり、能力の低下が著しい時に起きますが、
        仕様としてあえて残しました。
        普通に起きる場合はほぼ大丈夫です。姫様の前で寝こけていた罰、
        と言うことで。
        「生命を持たない」者でないかぎり、ちゃんと回復するはずです。
        氷羽さん、御報告有難う御座います。
        情報を下さった衣さん、Penaltyさん、御意見を下さった方、
        有難う御座います。
2007/12/01  Ver0.43、精霊術ちょっぴり追加。
2007/12/04  Ver0.44、【闇冥雲の息】バグ修正。
        マルコキエルさん、バグ報告有難う御座います。
        ペンギンシリーズ2つ追加。
2007/12/04  Ver0.44'、【闇冥雲の息】、シェード→シェイドに変更。
        氷羽さん、御報告有難う御座います。
~2007/12/07 Ver0.45、スキル6つ追加。
        キーコード大改正。
        カウンターセットスキル改正。
        溜めの状況で効果音が変わるようになりました。
        一段階が攻撃音、二段階が渾身音、三段階(MAX)が光線音。
        耳で溜めを確認して下さい。
        【雪花の装飾】の装飾品にあるキーコードを、【召喚獣】→【魔法】へ。
        他微修正。
 
        このバージョンで、8割近いスキル、召喚獣を調整致しました。
        互換性が無いので、以前のものをお使いの方は総入れ替えをお願いします。
        
        今後もシステム換装にて前のバージョンのスキルが使えなくなる場合が
        御座います。
        このシナリオはスキルのシステム研究を兼ねたテスト版故、
        不都合をかけますが御了承下さい。
~2007/12/10 Ver0.46、スキル【血咲の花弁】バグ修正。付属テキスト誤字修正。
        ブリックさん、バグ報告等有難う御座います。
        スキル2つ追加。龍使いさん、アイデア感謝。
2007/12/11  Ver0.46'、スキル【間斬り】バグ修正、文章修正。
        ブリックさん、バグ報告等有難う御座います。
~2007/12/16 Ver0.47、スキル【豹駆の闇穿】効果修正。回避に重点を置きました。
        スキル【風逸る剣閃】仕様変更。要呪文となり、防御効果増大。
        一騎討ちでも優秀なディフェンススキルとして使えます。
2007/12/18   細剣スキル2つ追加。
~2008/01/01 Ver0.47’、全待機スキル及びアイテムの召喚獣誤字修正。スキル修正。
        待機属性と説明文にあるスキルを用いて召喚した召喚獣、盾と籠手の召喚獣で、
        ×「反撃の構え」とあるものは全て誤りです。
        ○「反撃の備え」が正しいです。
        紛らわしいですが、全て間違いです。
        今まで気付きませんでした…申しわけありません。
~2008/01/05 Ver0.48、召喚獣【反撃の備え】を能力ごとに分裂。今のところ2種類
        (器用度、筋力)でスキルにセットし直しました。
        気になる方は待機属性のスキルを交換なさることをお勧めします。
        遂に登場、抜刀術。とりあえず5つ&専用の刀追加。
        新しいシステムなので、虫さんがいたらごめんなさい…
2008/01/06  Ver0.49、フラグクリアを忘れていたのを修正。
        大盾さん、バグ報告有難う御座います。
        アイテム【間隠】、仕様イベントを軽量化。
        抜刀術・乙を5つ、武器1つ追加。
        敏捷度関係です。お待たせしました~ 
2008/01/07  Ver0.49'、メニュー説明文のバグ修正。
        氷羽さん、バグ報告有難う御座います。
        召喚獣【居刀・甲】、【居刀・乙】画像変更。
        居刀・~属性のスキル改変。
        入れ忘れていた召喚獣【居刀・乙】、敏捷度版の【報討】インポート。
2008/01/07  Ver0.50、スキル【辻風】のバグ修正。
        説明の誤字修正。
~2008/01/08  抜刀術・丙を5つ、武器1つ追加。
       Ver0.50’、召喚獣【居刀・甲】、【居刀・甲】、【居刀・甲】
        バグ修正。居刀属性の全てのスキルを修正。
        アイテム【間隠】、【迅継】、【剛吹】修正。
        氷羽さん、バグ報告有難う御座います。
        テキストの誤字を修正。
~2008/01/17 Ver0.51、誤字修正。
        硝子時計さん、誤字報告有難う御座います。
        抜刀術・丁を5つ、能力(アイテム扱い)1つ追加。
        シグルトの抜刀術解説を補強。
        甲、乙、丙、丁は全て訓読みです。書き忘れてました…
~2008/02/11 Ver0.52、精霊術15、剣術4追加。
        フーレイさんと氷羽さんのリクエストのスキルは
        一部出来ました。
        長らくお待たせしました。
2008/02/12  Ver0.52’、スキル【風渡りの靴】バグ修正。
         召喚獣【風渡りの靴】微修正。
        【激怒の睥睨】と【巨狼踏】、スキルとメニューの誤字修正。
        スキル【棘囲う姫垣】、召喚獣【蔦茂る薔薇】修正。
        シナリオ添付テキストの修正、分割。
        氷羽さん、Penalty さんバグ+誤字報告&御助言有難う御座います。
2008/02/13  Ver0.53、スキル【風立つ舞子】説明文修正。メニューも修正。
        召喚獣【雪男】、スキル【燥ぐ雪の子】修正。重複召喚時、失敗しやすくしました。
        【雪男】のリアクション追加。
        氷羽さん、御報告有難う御座います。
        スキル【届かざる円】微修正。
2008/02/14   細剣スキル2つ追加。りっつさんからのリクエストスキル対応です。
        微妙な誤字修正等。
2008/02/15  Ver0.53’、スキル【血気の鋭刃】、【裂き躍る歩】バグ修正。
        Penalty さんバグ報告有難う御座います。
2008/06/11  Ver0.54、召喚獣【ジルフェ】修正。スキル【風立つ舞子】修正。
        破壊力と精度を落とし、回避低下時間を延長。重ね掛けのバランス向上。
2009/01/29  Ver0.55、月刃の剣舞系追加。伴って文章の形をいくらか変更。
2009/01/30  Ver0.55´、スキル【羅刹の爪】、【修羅の腕】、【薬叉の顎】、
        【龍蛇の牙】の【舞踏】のキーコード追加。
        氷羽さん、バグ報告有難う御座います。
        スキル【薬叉の顎】、テキスト等の名称の誤りを変更。
        Lohengrinさん、バグ報告有難う御座います。
2009/01/31  Ver0.55´b、スキル【祷裂】のバグ修正。
        Penaltyさん、バグ報告有難う御座います。
2009/08/26  Ver0.56、シグルトによる【紫電の斬光】の解説修正。
        氷羽さん、報告有難う御座います。
2009/09/08  Ver0.57、スキル【乖離の氷刃】バグ修正。
2009/12/02  Ver0.58、スキル【銀狼衝】バグ修正。
        連絡先メールアドレス変更。
        みちさん連絡先変更。
2017/11/05  Ver0.60、初心技能9つ、特殊召喚術6つ追加。
2017/11/05  Ver0.61、救済イベントが起こらないバグ修正。
2017/11/06  Ver0.62、【堅牢】の敵性を筋力から生命力に変更。
        誤字修正。
2017/11/07  Ver0.63、【転旋】と【飛襲】の使用者ギミックを変更。
2017/11/09  Ver0.64、テキスト修正。SIGさんのシナリオは旧街道でした。もうしわけなく。
2017/11/10  Ver0.65、シナリオ内の誤字修正。カードデータには変更ありません。
        樹音さん、誤字報告有難う御座います。
2018/01/28  Ver0.66、初心技能にあった無駄なイベントを削除。
        (以前のものでもシステム的な障害はありません)
        アイテム【練武の大盾】を『防具屋』仕様に。値段アップ。
        Ver1.28版は守護の代わりに防御ができます。
        このバージョンアップを最後に『風鎧う刃金の技』は1.50仕様になるかと思われます。
        こちらも残しておきますが、悪しからず御了承下さい。
2018/01/31  Ver0.66´、スキル【狼聖吼】シグルトの解説の誤字修正。
        スキルデータには問題ありません。
~2019/04/25 Ver0.70、エンジンVer1.50仕様に完全変更。Ver1.28ではたぶんバグが起きます。
        精霊召喚術の一部をレベル3から5に変更し、効果修正。
        劣化版召喚スキル対応、六属性から十属性に。
        スキル等追加、システムの見直し、一部PNG画像化、張り紙イメージ変更。
        強すぎるスキルの入手制限。
        付属テキストのリンクなど確認。他微調整多数。
2019/04/27 Ver0.71、スキル【廻る旋風】のキーコード判定バグ、召喚獣の称号誤字による発動ミス等を修正。
        スキル【折れない刃】の精霊術師制限イベントが抜けていたのを追加。
        【聖賢の賜】解説メッセージの誤字修正等。
2019/04/27 Ver0.72、スキル【廻る旋風】のキーコード判定が一部パーティの誰かひとりになっていることで起きるバグを修正。
        (仲間の冷気による攻撃に反応し、その人物にキーコードを書き込んで本人に書き込まれないことで追撃が発動しませんでした)
2019/04/30 Ver0.73、販売時の選択肢の誤字修正等。
        精霊術師専用、聖海教徒専用のスキルの販売・強化後に称号所持を警告するメッセージ追加。
2019/05/06 Ver0.74、付帯能力【揚羽の踴】がレベル7以上で使えなくなる致命的バグ、ペナルティがパーティー全員に及ぶバグを修正。
2019/05/08 Ver0.75、スキル【昇り風】解説文の誤字修正。進行イベントに関わるので旧バージョンのものを所有する方は持ち替えを。
        女神ダナのイベント追加。
2020/01/04 Ver0.76、スキル【群狼覇】の溜めの不具合修正。バグ報告有難う御座います。
2021/05/10 Ver0.77、付帯能力【微睡む女神】と【刃金の女神】に呪縛解除効果が無いバグを修正。
        バグ報告有難う御座います。
2021/08/09 Ver0.80、誤字、無効音の削減、スタン効果のカードをほぼ行動キャンセルに変更、他微調整。
        魔術呪文スキル3つ追加。
        さすらい人さん、詳細なテストと御意見、報告を有難う御座いました。
2021/08/09 Ver0.80´、焼きフォウ描いた人さんのサイト情報が抜けていたので修正。
        大変失礼致しました。
2022/05/05 Ver0.81、スキル【劈く雷光】の威力バグ修正。このスキルは単独攻撃用です。
        バグ報告有難う御座いました。
2023/09/25 Ver0.82、誤字、リプレイと矛盾する内容など修正。
        新しいアイテムを追加しました。主にクロスオーバーネタです。

Y字の交差路


タイトル画像

『独白』公開開始

2023.09.22(21:05) 499

 
 2023/09/22 Ver1.02 軽やかな娘の独白中、精神適性部分の表現に誤りがあるのを修正。
 2023/09/22 Ver1.01 女武芸者と流れの舞人の独白中、精神適性部分の表現に不足や
             誤りがあり修正。
             報告してくださった方、有難う御座います。
             一部防具装備者に、装備防具の使用で失敗すると
             キャンセル音が鳴るバグ修正。
             不快に感じた方はアイテムを交換してください。
 2023年09月20日 Ver1.00 誤字修正、付属テキスト修正、情報追加など。
             正式版です。ひとつ前のバージョンと連れ込みPCのデータなどは
             変わっていません。
             安心してそのままお使いください。
             ※付属テキストの修正で蟲の流浪民などいくつか追加。
  2022年05月10日 Ver0.41 レオニダスとアリエノールに【牙】の称号追加。
             不具合報告有難う御座います。
 2022年05月01日 Ver0.40。付属テキストの修正と内容追加。 おまけの連れ込み
             キャスト5名追加など。
             一応これでこのシナリオの拡張は終わりになります。テストしてくださった
             方々、有難う御座いました!
 2020年04月27日 Ver0.32。連れ込んだキャラのデータ変更はありませんので、そのまま
             使って戴いて大丈夫です。
 2020年03月03日 Ver0.31。ビョルン、ベストラ、トゥイリンの初期装備と所持金改正。
             アイテムのみでキャラクターそのものに大きな変更はありません。
 2020年02月19日 Ver0.30。獣人など13キャラ追加。大幅アップデートです。しばらく
             バグ取りに御協力くださいね。
 2020年01月30日 Ver0.24。ドワーフのヴェイグを連れ込んだ方は、所有する盾に
             バグがありました。
 2020年01月27日 Ver0.23。老人キャラクターのクーポン点合計を調整。年代相応
             になりました。
 2020年01月27日 Ver0.22。エルフやドワーフなど異種族13キャラ追加。
 2020年01月22日 Ver0.20。26キャラ追加。全部で39人連れ込めます。


 『野伏の教え』で隠しキャラクターを作っていた時、ちょっと思い立って作ったNPC連れ込みシナリオです。
 できるだけ忠実にプレイヤーキャラクターを再現してみたつもりです。

 新しく遊びたいけど6人分キャラクター作るの大変だなぁ、とか思ったことありませんか?
 あるいは適当なNPC拾ってパーティ作ろうかなと思ったけど、適当な人材がいなかったとか。
 初心プレイヤーさんで、思ったような能力値のキャラクターができずに挫折してしまったり。
 自分は物語の中での出会いを求めてるけど、作成したキャラクターが強過ぎだったり弱過ぎだったり。
 低レベルから寝食をともにできる仲間が欲しい方。
 連れ込みキャラクターの遺伝が一律で面白みがないなぁと感じている方。
 
 初期装備付きのキャラクターを60人+αご用意しました。
 装備品は拙作よりのインポートですので、その一例としても参考になるでしょう。

 ぜひ使ってみて、感想を聞かせてくださいね。
 バグや不具合の報告も助かります。

 シナリオは 別院 よりどうぞ。
 ※旧別院は編集できないため、今後は新別院の方からのダウンロードをお願いします。
 シナリオは公開シナリオの中にあります。

 ◇更新履歴
2019/12/02 Ver0.10
2020/01/22 Ver0.20
 隠れキャラを含め、連れ込めるキャラクターを+26人。
 キャストデータの裏話に、おまけとして東方ワールドガイドを追加。
 あくまでもY2つの設定垂れ流し資料です。参考程度に。
 一度独白を聞くと、独白を聞くかそのまま連れ込めるか選べるように。
 初期版は手を抜いていてすみませんでした。 
2020/01/23 Ver0.21
 メッセージの誤字修正。
2020/01/27 Ver0.22
 付属テキストの修正。
 異種族的キャラクター13人追加。
 エルフ・ハーフエルフ・ドワーフ・ファルスブラット(小人)。
 キャストデータの裏話に、種族の設定を追加。 
2020/01/29 Ver0.23
 老人キャラクターのクーポン点数合計を調整。
2020/01/30 Ver0.24
 誤字を修正。
 ヴェイグの所持するアイテムのバグ修正。(変更)
2020/02/19 Ver0.30
 獣人・鳥人など異種族的キャラクター13人追加。
 付属テキストのおまけ情報種族編追加。
 防具のインポート元における画像データ変更につき入れ替え。
 付属テキストの不備を修正。
 なもなきさん、不備の報告有難う御座います。
 十重さん、名前の表記ミス申し訳ありませんでした。 
2020/03/03 Ver0.31
 『野伏の教え』のアイテムデータ変更に伴い、ビョルン、ベストラ、トゥイリンの
 初期装備と所持金改正。 
2020/04/17 Ver0.32
 シナリオ内の誤字・脱字などを修正。
 さすらい人さん、御指摘有難う御座います。
2022/05/01 Ver0.40
 シナリオ内の誤字・脱字などを修正。
 付属テキストの修正と内容追加。
 おまけの連れ込みキャスト5名追加など。
 一応これでこのシナリオの拡張は終わりになります。
 テストしてくださった方々、有難う御座いました!
2022/05/10 Ver0.41
 レオニダスとアリエノールに【牙】の称号追加。
 不具合報告有難う御座います。
2023/09/20 Ver1.00
 誤字修正、付属テキスト修正、情報追加など。
 正式版です。ひとつ前のバージョンと連れ込みPCのデータなどは変わっていません。
 安心してそのままお使いください。
2023/09/22 Ver1.01
 女武芸者と流れの舞人の独白中、精神適性部分の表現に不足や誤りがあり修正。
 報告してくださった方、有難う御座います。
 一部防具装備者に、装備防具の使用で失敗するとキャンセル音が鳴るバグ修正。
 不快に感じた方はアイテムを交換してください。
2023/09/22 Ver1.02
 軽やかな娘の独白中、精神適性部分の表現に誤りがあるのを修正。


Y字の交差路


タイトル画像

シナリオに結構改変がありました。各記事をご確認ください。

2023.09.22(05:56) 538

 バグ報告を戴き、調べてるうちに、いろいろと問題に思うものがありまして、結構いじってしまいました。

 まず、『風たちがもたらすもの』に久しぶりの追加商品です。あと対応エンジンが1.50になりました。

 『防具屋』、キャンセル音が消えないバグがありまして、どうやらアイテム使用時の失敗の時に出る音のようです。
 絶対成功にして起きなくなりました。数値的な影響はありませんが、不快に感じた方は交換してください。
 リソースも含め、すべてイラスト対応しました。

 『三年待てば宝』、防具屋の修正によりキャンセル音の鳴る防具類は交換しました。

 『独白』誤字修正等をしつつ、装備してた防具類を微調整。

 変化したことも多いので、ご確認ください。
 
 

Y字の交差路


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  5. シナリオに結構改変がありました。各記事をご確認ください。(09/22)
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