Y字の交差路

 ここはY2つめがノリで作ったブログです。  カードワースを中心に、私が思ったことや考えたことを徒然なるままに書きたいと思います。

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『黒い鎧の男』

 一人の男が酒を飲んでいた。
 
 湿気た木の生臭い香りがする、宿兼酒場。
 
 そのカウンターで、色気も無い三十路前の宿の主人に注がれた安酒を、ぐびりぐびりとやっている背の高い男。
 
 眼つきの鋭い男だった。
 一睨みで獅子でも怯みそうな眼光である。
 
 刃渡りだけで1mある大剣が、カウンターの彼の傍らに立てかけられていた。
 それを振るう腕は、程よく締まった強靭な筋肉の固まりだ。
 傷痕が多数あり、彼の戦歴を物語っている。
 
 腕ばかりでなく、筋骨隆々というわけではないが、野獣のしなやかさを連想させる身体つき。
 背丈は180cmを越える。
 そして、その体躯を覆う漆黒の革鎧。
 
 強面からか、側には誰も近寄ろうとしない。
 
 この宿は『冒険者の宿』と呼ばれる、何でも屋のたまり場である。
 そして、この宿で黒い鎧を着た剣士と言えばこの男。
 知らない者は少ない。
 
「…おい、ラング。
 
 あんまり昼から飲んでると、次の仕事に障るぞ?」
 
 宿の主人が不機嫌そうに言うと、男は外見通りの低い声で、ああそうだな、と生返事をした。
 
「…かといって、俺が出張る仕事もすぐにはねぇだろ。
 
 あの《牛退治》みたいなのが、頻繁に起きるわけもねぇ。
 ちったぁ、酒飲んでごろごろしたって、聖北の神様とやらだって勘弁してくれるさ」
 
 宿の主人はため息をつくと、八つ当たりするように手近な食器を取ってゴシゴシと磨き始める。
 
 ラング、と呼ばれた男は、木製のジョッキに残っていたエールを飲み干すと、銀貨を数枚カウンターにおいて席を立った。
 
「親父ぃ。
 そんな仏頂面じゃ、客が逃げるぜ。
 
 …河岸を変えて、もう少し飲んでくらぁ」
 
 男はそう言って、外見と口調からは想像できないような、滑らかな動作で宿の入り口に歩いていく。
 
 ドアを閉めて、男が去って行った後。
 宿の主人は大きなため息を吐いた。
 
「…お前みたいないかめしいのが、昼間っから管巻いて酒を飲んでると、客も寄り付かないんだよ。
 
 一人でミノタウロスを屠るような奴が、な」
 
 
 宿を出て、のんびりと歩いている黒い鎧の男。
 名をラング グリードという。
 
 性別は男で、職業は冒険者。
 
 粗野で、信仰心はからっきし。
 腕っ節はめっぽう強く、度胸もある。
 
 愛用の大剣は、鎧に合わせて黒くつやを消したもの。
 切れ味より、耐久力を重んじた半分鈍器のような代物だ。
 だが、よく手入れされている。
 柄に巻かれた革は汗と返り血を吸ったのか、どす黒い。
 剣の飾りや護拳の鍔は、やすりをかけたものではない磨耗で丸くなり、良く見れば細かい傷が無数にある。
 
 他の様々な装備の磨り減り方からも、熟練冒険者であることが予測できた。
 
 事実、ラングは冒険者の宿『希望の扉亭』で最高の冒険者だった。
 
 数日前にはミノタウロス…牛頭の怪力巨人…をたった一人で倒すという荒業をやってのけたほどだ。
 
 しかし、彼が倒したミノタウロスは、実は通算3匹目である。
 1匹目はまぐれだったが、2匹目からは実力で倒した。
 妖魔や魔物退治だけなら、百を越す討伐数を誇っていた。
 
 しかも、ラングはあまり長く仲間と組まないことで知られる冒険者だった。
 普通の冒険者が数人で成し遂げることも難しい依頼を、ラングは淡々とこなしてきた。
 
 一見柄が悪く、厳しい雰囲気を持つ、孤高の冒険者。
 その勇名は、冒険者たちの間に知れ渡っていた。
 
 だが、この男が運と腕っ節だけの男かというと、彼を知るものは皆首を横に振る。
 
 外見に似合わない堅実さ。
 冷静沈着かつ、常識に囚われない柔軟な思考。
 義理を重んじる誇り高さ。
 決して挫けない不屈の意志。
 そして憎めない人の好さ。
 
 付き合った者は、不思議とこの男に惹かれていくという。
 強面に似あわず、笑うと爽やかで子供っぽく、魅力的な顔になる。
 決して美形ではないが。
 
 総じて彼を知る者は《好漢》と彼を評した。

 
 
 最近、文章が上手く(元々駄文ですが)書けない、深刻なスランプ状態のY2つです。
 シナリオ製作も停滞して、申し訳ありません。
 
 リプレイも、新しいシナリオが形になるまでお休みします。
 そのうち復活すると想いますので…
 
 文章のリハビリがてら、新シリーズを書くことにします。
 
 粗野な黒ずくめ戦士と、白い尼さん聖戦士のお話。
 私がカードワースを始めて、初期の頃から考えていた小説です。
 
 タイトルの『灰色の嵐』というのは、主人公のラングが組むコンビにつけられる名前です。
 
 シグルトが格好好い英雄タイプだとすれば、ラングは渋い路線で行こうかと思っています。
 彼が英雄型なのは、シグルトのルーツが彼にあるからでして。
 あと、組む相棒がとんでもない設定の人物だからです。
 能力の調整で結局英雄型になってしまいました。
 知力の高い戦士を作りたかったからです。
 勇将型や豪傑型だとちょっと難しかったので。
 
 粗野でクールな鋼鉄の香りのする戦士のお話です。
 バイオレンスで、ちょっとエロス…かもしれません。
 中学生程度の描写のつもりです。
 
 まぁ、呆れずにお付き合い頂ければ幸いです。
 
 舞台は『鬼媛傳』の5、600年後くらい。
 シグルトたちが活躍する20年以上前のお話です。
 Djinnさんのリプレイと大体同じ世代でしょうか。
 ブレッゼンが冒険者やってる頃ですね。
 微妙に『風屋』や小説とクロスオーバーします。
 
 『鬼媛傳』もチョコチョコと書いてますので、そのうち…
 
 リプレイではちょっと出来ない、ばりばりの高レベルアクションで行こうと思っています。
 
 主人公、ラングのデータは…
 
◇ラング グリード◇
 
・年代:大人(25歳)
・性別:♂
・英雄型 
・レベル7
 
 器用度:5 敏捷度:5 知力:7 筋力:11 生命力:8 精神力:9
 好戦性+1 勇猛性+2 正直性+1

不心得者   誠実     冷静沈着
進取派    鈍感     無頓着
勤勉     地味     粗野
武骨     硬派     お人好し
 
 宿のエースで、実際にミノタウロスとガチンコバトルで勝てる実力です。
 スキルや、彼のトレードマーク、黒い鎧のデータは何れ…
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灰色の嵐 | コメント:2 | トラックバック:0 |
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この記事のコメント

こんにちはm(__)m

ラングさん、素直にカッコイイと思います。渋くてクール。まさにタフガイって感じです。決して饒舌ではない感じですが、彼の背中が語ってくれるような感じがします。

私は、病弱で、美形で物凄い強さの戦士(沖田総司など)にある種憧れを感じていますが、ラングさんにも惹かれるものがあります。
Y2つさんが、生み出す新たな英雄達の話に期待します♪(ぷれっしゃーになったらごめんなさいm(__)m)
それでは、失礼いたします。
2006-12-18 Mon 15:32 | URL | らっこあら #mQop/nM.[ 編集]
 まだ文章スランプのY2つです。
 
 いらっしゃいませ、らっこあらさん。
 
 美形で繊細な冒険者は、私も格好良いとは思うのですが、冒険者の男は基本的にタフガイであるべきだという考えがどうにも抜けません。
 
 『風屋』の付帯能力、【鋼鐵の淑女(女神)】や【神龍の御力】は、生命力が低くなりがちな(秀麗とか過激とか好奇心旺盛とかで下がるので)カードワースで、タフな冒険者の演出できないかという狙いも少しあります。
 鎧着るより、こっちの方が受け入れられないかな~と打算的に狙った部分もあります。
 
 ラングはシグルトのあだ名にも影響を与えています。
 昔シグルトが故郷で“青黒い稲妻”と呼ばれていましたが、シグルトの師匠の槍使いはラングと北方で起きた戦争で共に戦った間柄です。
 シグルトの周囲の人間もラングを覚えていて、シグルトはラングにちなんだあだ名をもらったわけです。
 
 つまるところ、私のカードワース世界では、ラングは結構有名人だったり。
 
 微妙にいろんなところでクロスする予定です。
 お楽しみに…待っていただければ幸いです。
2006-12-21 Thu 14:05 | URL | Y2つ #TIXpuh1.[ 編集]

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