Y字の交差路

 ここはY2つめがノリで作ったブログです。  カードワースを中心に、私が思ったことや考えたことを徒然なるままに書きたいと思います。

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CWPC3:ロマン

 レベッカは疼くような胸の高まりと、好奇心を抑えつつ、できるだけ何気ない態度に見えるように振舞いながらシグルトを見た。
 
「なるほど。
 
 あなた、冒険の経験はなくても、戦いの経験はあるみたいね。
 自分の性格や実力を分析しているところも、その辺の自信過剰な馬鹿戦士とは一線を隔しているわ。
 
 私に求めるのも、明確に盗賊としての技能とセンス、ということよね?
 
 それと、魔術師の仲間がすでにいる、ということだけど…
 
 前言撤回。
 話を聞く価値はありそうだわ。
 
 できれば、その魔術師さんを加えて話がしたいわね」
 
 シグルトはレベッカの答えに頷く。
 
「件の魔術師はもうすぐ来るはずだ。
 
 あいつは歳のわりにしっかりしてるんだが…」
 
 からん…
 
 ドンぴしゃりのタイミングでドアのベルが鳴った。
 シグルト、レベッカ、親父の三人がいっせいに扉に眼を向けるが、すぐには相手を見つけられなかった。
 現れた人物は背が低かったのである。
 少し視線を下げて、シグルト以外の二人は目を丸くした。
 
 子供であった。
 
 年の頃は10歳ほどだろうか。
 
 まるでドワーフの銀細工のような細いシルバーブロンド。
 血管が透けて見えるような白い肌。
 金色かかった神秘的な茶色の瞳。
 ほっそりとして力を込めたら折れてしまいそうな身体。
 
 まるで芸術の神が作り上げた彫像のような、繊細で美しい子供だった。
 
「遅かったな、ロマン」
 
 シグルドが声をかけると子供はその美しい眉を寄せた。
 
「時間は正確だよシグルト。
 僕は自分でも無頓着な方だと思うけど、君ほど時間に鈍感じゃない」
 
 子供とは思えない辛辣で理知的な言葉だった。
 
 そして口調から性別が判明する。
 声変わりこそしていないが、少年のようだ。
 一見女の子にも見えるぐらい中性的な雰囲気があるのだが。
 
「いや、お前なら少し早く来るかと思ったんだがな…」
 
 シグルトは参ったよ、というふうに肩をすくめた。
 少年はふん、と息を吐くと、まったくしょうがない、とかぶつぶつと呟いていたが、やがて気付いたようにぼけっと突っ立ってる親父とレベッカを見た。
 そして、頭の位置から自然とレベッカの胸元に眼が止まった瞬間、まるで染めたように真っ赤になって固まってしまった。
 
「ロマンにはその服はちょっと刺激が強かったみたいだな」
 
 シグルトのその言葉に、少年は何とか言い返そうとしつつ結局黙ってしまった。
 小動物のように身を固め、フルフルと柔らかな銀髪がなびいている。
 
 その仕草に、レベッカはふつふつと湧き上がるある衝動を感じていた。
 
(…か、可愛い!)
 
 美少年愛好とでも言おうか。
 少年はその手の母性というか感性というかを猛烈に刺激する雰囲気を持っていた。
 
 レベッカは、普通の男などには興味がない。
 しかし、そこは女性と言うべきだろうか。
 小動物や、子供のような可愛いものには、違う食指が動くのである。
 
 親父とシグルトの視線の陰から、レベッカは流れるような動作で少年に接近した。
 
「…ふえ?」
 
 突然目の前に現れた色っぽい美女に、ロマンが眼を丸くした瞬間である。
 
「か~わ~い~い~!!!」
 
 レベッカは少年の顔を自分の豊満な胸に抱き寄せ、柔らかな銀髪のなびく頭をがっしりと抱きしめた。
 
「~!!!!」
 
 少年の声にならない悲鳴が、宿を震わせることになった。
 
 
 数分後、少しあきれた表情のシグルトと親父に、頭をかきながら弁解しているレベッカの姿があった。
 
「…あのレベッカが、美少年愛好とはな。
 
 いやはや、普通の男たちになびかないわけだ」
 
 親父が深いため息を吐きながら、皿を磨いている。
 
「あら?
 
 色恋と、可愛いものを愛でるのは違うわよ。
 ま、そういう性的嗜好もあるにはあるのでしょうけどね。
 
 私の場合は母性から起こるそれよ。
 一応女よ、こんなんでもね」
 
 開き直って答えるレベッカに、シグルトが肩をすくめた。
 
「だからといって、いきなり抱きつくのは問題だと思うがな。
 
 話の始まらないうちから、件の魔術師を窒息死させられたら、たまらない」
 
 悪かったわよ、と呟くレベッカ。
 
 緊張した態度でシグルトの後ろから少年が顔を覗かせた。
 心なしか青ざめているのは、先ほどのレベッカのハグで呼吸困難を起こしたからだ。
 
「冗談でもこういうことはこれっきりにしてほしいよ…
 
 すべての女性に恥を知れなんて言うつもりはないけど、いきなり初対面であんな、あんな…」
 
 今度は顔を真っ赤にして、少年は一旦言葉を切る。
 
「…そういう服でああいうことされると、死んじゃうよ。
 
 そもそも革製品は通気性が悪いから、濡らして窒息の拷問に使ったほどなんだ。
 この熱い季節で汗にぬれたその服で顔を締められたら、屈強な男でも耐えられないよ」
 
 そして場違いな薀蓄で場をごまかす。
 
 レベッカの動向にびくびくしながら、少年は訥々と自分のことを語りだした。
   
 
 ロマンというこの少年は魔術師、というよりは賢者だった。
 
 まだ10歳であるが、3歳で神童と呼ばれ、5歳で3つの言語をすらすらと話せるようになった天才児である。
 その話が真実であることは、風の噂でレベッカも聞き知っていた。
 
 何と、リューンの大学に6歳で出入りを許されたらしい。
 さすがに入学は年齢的に無理だったという話だが。
 
 シグルトとロマンの出会いは偶然だった。
 
 最近は大学の図書館では物足りなくなって、市井の雑学の研究のために外出をしていたが、ごろつきにからまれ、シグルトに助けてもらったというのだ。
 そのときの乱闘でシグルトはごろつきが振るった凶器を剣で受けて、唯一の武器を破損してしまったのである。
 
(なるほど…それでこの美形君は武器を持ってなかったわけね)
 
 レベッカは納得したように頷いた。
 
 シグルトへの恩義と、彼が言う冒険者という職業について興味を持ったロマンは、研究と恩返しの意味でシグルトに同行することにしたのだという。
 話によると初歩的な魔術なら使えるとのことだ。
 
 どうやらシグルトにはかなり心を許しており、ときおり辛辣なセリフも言っている。
 だが本来は結構人見知りをする内気な性格らしい。  

 
 レベッカはこのでこぼこコンビを気に入り始めていた。
 特にこのロマンという少年は可愛いという部分でも気に入った。
 さすがにもう警戒して先ほどのようなことはできだろうが。
 
 気に入るということは、冒険の仲間を選ぶ場合において、実力とはあまり関係のないことである。
 しかし、チームワークに影響する、心理的に重要な要素であった。
 
 加えて、戦士と魔術師が一気に揃うのも好い。
 爺むさい魔術師や厳つい戦士と組むよりは彼女の好奇心を満たしてくれるだろう。
 
「というわけで…よろしくお願いします」
 
 丁寧に頭を下げる少年に眼を白黒させて、親父はこれからのことに思いをはせていた。
 美少年…レベッカ以上に騒ぎそうな人物を親父はもう一人知っていたからだ。
 
(しばらく姦しくなるな…)
 
 食材の仕入れに出かけている娘を思い起こして、親父は禿げ上がった自分の額をつるりと撫でた。

 
 
 ロマンは選んだPCのカード絵の関係で、女の子みたいな美少年という設定になった人物です。
 彼もインチキで生まれた天才型。
 
 何でこんなに特殊型を作ったかといえば、アレトゥーザでレナータを連れ込もうと計画し、連れ込みまで5人編成でいこうと考えていたからです。
 さすがに途中まで5人パーティだとちょっときついですからね。
 加えてレナータ、十分特殊型に混じっていられる才能の持ち主ですし。
 精神力12…人間の最高値ですからねぇ。
 
 ロマンという名前はフランス人の役者さんの名前からもらいました。
 
 彼は内気で人見知りの激しい性格ですが、一度信頼した人物には結構辛辣なことも言います。
 それは彼なりの信頼の表れなのですが、ひねくれていますからね。
 
 ちなみに「大人のくせになさけないよね…」が口癖で、内面はニヒリストでませています。
 ただ、女性関係にはまだ子供なのでウブな反応を示します。
 
 神経質で悲観的で繊細で内気という性格は、かなり内向的になることを狙っていたのですが、思ったほどではありませんでした。
 鈍感で武骨なシグルトに、むらのある性格のレベッカに負けない個性を考えて特徴を選んでいたら自然とこうなりました。
 
 ロマンはごく普通の商家の生まれでしたが、頭脳明晰な上に学問好きで努力家でした。
 遊び人で怠け癖があるレベッカとは対照的です。
 まあ、子供のくせに努力もなしに天才と呼ばれるほど知識を持つにはそれなりに努力は必要でしょうしね。
 
 いくら天才だからといっていきなりレベル1の子供がリューンの大学に入学するのも変なので、「将来を見込まれて出入り自由」程度の設定にしておきました。
 
 シグルトには憎まれ口を吐きつつ、兄のように慕っています。
 その異存ぶりはシグコンといってもいいくらい。
 なんだかんだ言って、ロマンはシグルトにあこがれています。
 
 宿の娘さんあたりには「BLだぁ~」と変な萌えられ方をされてそうですが…
 
 彼らの馴れ初めはこの次のPCの項で語りますが、シグルトがロマンを助けるためにごろつきとひと悶着起こしたのは、シグルトがお人好しで、弱いものを守ろうとする意識が強いからです。
 そして、助けたことで恩を売ったりしないところをロマンはとても格好良く感じたのだと思います。
 
 実直なシグルトは年齢とか性別で差別せず、実力で評価するという美徳をもっています。
 天才と言われながらどこかで子供扱いされていたロマンにとって、シグルトのそういう性格も貴重で嬉しかったのでしょう。
 
 ロマンとシグルトは冒険の中で、リーダーと知恵袋としてよく意見を交わすことになります。
 薀蓄含蓄で語りまくるロマンは、賢者らしいといえばらしいのですが。
 レベッカが利害や経験からくる狡賢さ、ロマンは知識を主体としたロジカルな賢さでパーティを助けます。
 “風を纏う者”、結構インテリなパーティ(知力の最低値が6)です。
 
 脳内設定では「女性にマスコット扱いされる」美少年属性です。
 顔を赤らめて母性を刺激する彼は、もてるというよりおもちゃにされます。
 宿の娘さんが可愛い女の子の衣装を用意して狙っていたり…
 
 ロマン、美少年なりに大変です。

 
◇ロマン
 男性 子供 天才型

秀麗     不心得者   誠実
無欲     保守派    神経質
無頓着    穏健     悲観的
勤勉     内気     謙虚
上品     繊細     ひねくれ者
 
器用度:7 敏捷度:7 知力:12
筋力:2 生命力:5 精神力:9

平和性+1 臆病+1 慎重性+3
 
 知力12なので人間としては最高峰でしょう。
 意外にも精神力も高く、魔法関係は隙がない感じです。
 
 知力系の技能、何とすべて優秀である緑玉以上の適性で使いこなすことができます。
 慎重適性は白玉です。
 
 子供だけあってすばしっこくて器用。
 でも、ダメージ系の魔法はやや苦手なほうです。
 
 筋力が2なので華奢です。
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