Y字の交差路

 ここはY2つめがノリで作ったブログです。  カードワースを中心に、私が思ったことや考えたことを徒然なるままに書きたいと思います。

『シンバットの洞窟』

 アレトゥーザを後にして一週間。
 シグルトたちはリューンに帰還し、『小さき希望亭』に戻っていた。
 
 『小さき希望亭』は比較的小規模の冒険者の宿である。
 現在専属の冒険者パーティは、シグルトたち“風を纏う者”と、同期である“煌めく炎たち”の2つだけ。
 その他で、特定のパーティに属さない者が数人いる。
 それ以外で専属の冒険者はいない。
 
 冒険者たちの中には、特定の宿の専属にはならずフリーの状態で各地を放浪する者も多い。
 この方が柵(しがらみ)が少ないからだ。
 
 シグルトたちが『小さき希望亭』の専属になったのは、仲間のレベッカがこの宿の専属だったためだ。
 
 宿専属の冒険者には様々な特権があり、例を挙げるなら宿の共有基金の使用権や、宿の倉庫に持ちきれない道具を預かって貰う、などがある。
 専属同士では、情報のやりとりや、状況に応じてメンバーチェンジを行ったりもする。
 
 宿専属の冒険者でも、他の地方や他の冒険者の宿で仕事をすることは可能だ。
 しかし、宿を背負って立つ冒険者としてそれなりの責任が伴う。
 
 反面、属する冒険者の宿からの全面的なバックアップを受けられるし、宿の主人が身元引受人になってくれるので、有事には大きなメリットがある。

 そして、一番大きな特権が仕事の優先的斡旋であった。
 
 宿の専属冒険者は、名指しで仕事を受けられる。
 これは、宿が冒険者たちの住所代わりとなり、宿の店主が冒険者たちの留守でも代わりに仕事を受けてくれるのだ。
 急ぎの仕事でなければ他のフリー冒険者に仕事が流れたりしないので、専属でない者たちよりは仕事を確保しやすくなる。
 
 シグルトたち“風を纏う者”は、現在宿の看板となりつつあるパーティだ。
 有名どころの先輩冒険者はほとんど独立しており、宿は人材不足に陥っていた。
 
 そのため、仕事の達成率が極めて高く、久しぶりの優れたパーティ結成ということで、宿の主人が精力的に宣伝してくれていることも大きい。
 “風を纏う者”は駆け出しでありながら、名前もそこそこに売れ始めていた。
 
 今回の仕事も、そういった“風を纏う者”の名を頼っての依頼だった。
 
 
「オークの討伐か。
 随分と冒険者らしい荒事が回って来たな。
 
 “煌めく炎たち”の連中に回さなくてよかったのか?
 討伐ものは、火力のあるあいつ等の方が得意だと思うんだが」
 
 依頼内容を確認しながら、シグルトが宿の主人に確認する。
 
 “煌めく炎たち”は、戦士マルスを中心とする冒険者たちだ。
 サブリーダー的な存在のゼナは性格が過激で難はあるものの、炎の精霊術師であり戦士としての技量も持つ。
 回復術を得意とする尼僧のレシールもいて、サポート面でも充実している。
 攻撃魔法が得意な魔術師のカロックがおり、盗賊であるジェフという男もいる。

 彼らは総合的に戦闘力が高く、特に炎の精霊術師であるゼナの攻撃能力は極めて高い。
 命懸けの危険な依頼が多い討伐依頼ばかりを受け、八割以上の達成率を誇っていた。
 
 シグルトたちと同期の冒険者であり、宿の若手では“風を纏う者”と実力を二分するとさえ言われている。
 
 彼らの実力を認めているシグルトは、宿の親父の真意を問うた。
 “風を纏う者”に依頼するというのは、どういう意味があるのか、と。
 
 宿の親父は「確かにあいつらに頼むのも手だが…」と前置いて、話を続けた。
 
「場所は隣町になるんだが、件のオークが占拠した洞窟がフォーチュン=ベル方面に向かう街道の近くにあるんだ。
 
 お前たちは、あっちでも討伐依頼をこなしてただろう?
 向こうでの活躍を噂に聞いてたっ、てわけで依頼人の覚えがよくてな。
 
 それに、“煌めく炎たち”の連中は戦闘力こそ高いが、罠の解除とかは苦手だ。
 血の気の多い猪女がいるからなぁ。
 
 今回の依頼は、場所が半ば遺跡で、探索能力も必要になりそうなんだ。 
 この宿でレベッカ以上の探索能力を持ってる奴はいないだろ。
 
 加えて、この仕事はちょっとばかり因縁があってな。
 一回同じような依頼が、他の宿で出されて、そこそこの冒険者どもが出張った後なんだ。
 その時討伐し損ねたオークが逃げて、戻って、また増えたらしい。
 
 高い金払って仕事をして貰ったのにまたオークに住み着かれちまったから、依頼人にとっちゃ、より完璧にやってくれる奴が良いってことだ。
 だから宿としても、仕事を確実にやってくれるお前たちを推薦したってわけだ。
 
 その上、事前に聞いた情報では、重武装したオークの姿を見たって話もある。
 おそらくは上位種のロードがいるんだろう。
 きっと何かでその洞窟を離れていたロードが、帰ってきたんだな。

 ただのオークどもならたいしたことはないが、ロード種がいるとなれば話は別だ。
 優れたリーダーのいるオークたちは、結束力と戦闘力が段違いになる。
 実際、見張りは二匹もいて隙が無く、偶然通りかかった冒険者たちに頼んだところ、太刀打ち出来そうに無かったらしい。
 
 そこで戦術に明るいシグルトの名前が出たってわけだ。
 
 お前の巧みな戦術は、最初にお前たちがやったゴブリン退治の頃から語り草なんだよ」
 
 親父の高い評価に、レベッカがウインクして、「こういう評価には応えなくちゃね」と微笑んだ。
 
「…話は分かった。
 
 だが、馬鹿力のオークどもが相手となれば、ゴブリンを相手にするのとはわけが違う。
 やる以上は、かなりの危険を覚悟する必要があるが、皆構わないか?」
 
 シグルトは、いつものように仲間たちに問うた。
 彼はせっぱ詰まった状態でもない限り、仲間の意見を出来るだけ確認するようにしている。
 
 反対意見は特に無かった。
 此処まで期待されているのに、断るとなれば、名折れとなるからだ。
 
 シグルトはハーティの総意を確認し終えると、すぐにこの依頼に必要な契約を済ませた。
 
「まだ昼前だから、今から立てば今日中に依頼が遂行出来るな。
 
 旅の準備は万端か?」
 
 契約書にサインし終えてシグルトが問うと、抜かり無しとばかりにレベッカが道具の入った袋を持ち上げた。
 
「ではすぐに立とう。
 
 貪欲で気性の荒いオークどものこと。
 依頼の達成が遅くなるほど被害も出る…討伐ものの依頼は、迅速さが大切だ。
 
 昼食は軽く、道中で済ませよう。
 あまり腹が満たされていない方が、仕事は出来る。
 美味いものは、依頼を終えてから食えばいい」
 
 きびきびと仲間に指示を出すと、シグルトは得物の具合を確認し始めた。
 
 
 数時間後の夕刻近く、シグルトたちは件のオークたちが占拠したという、『山の洞窟』の前に来ていた。
 
 洞窟には見張りのオークが3匹。
 そのうち2匹は洞窟前方、もう一匹は洞窟の入り口から少し上にある岩棚に陣取っていた。
 
 “風を纏う者”は、一端洞窟の風上にならないよう戻って距離を取り、どうするか相談を始める。
 
「…厄介ねぇ。
 
 下手に正面の連中を倒せば、後ろの奴にすぐにばれるでしょう。
 しかも2匹もいるから、忍び寄って暗殺ってわけにもいかないし。
 
 かといって、後ろの奴をロマンの魔術でちまちま攻撃していたらばれるかもしれない。
 やっぱり、岩棚の奴をロマンの魔術で寝かせて、続けて正面でのんきに話してる2匹も眠らせるのが妥当かしら?
 
 飛び道具を持っていないのが痛いわ。
 あれば、同時に仕留める方法とか考えられるのに」
 
 連続で魔術を使うという案に、「疲れそうだね」とロマンが溜息を吐く。
 魔術の使用回数には限りがあるのだ。
 
 そこでシグルトが、話に割って入った。
 
「レベッカのやり方は堅実だが…ロマンの魔術は今後にもっと必要になるはずだ。
 ここは魔力を温存しておくべきだろう。
 
 眠りの魔術は、オークのような群れを作る連中に大きな効果がある。
 中にいる敵の数が分からない以上、切り札は多い方がいい。
 
 岩棚の一匹は…何とかする。
 ロマンは正面の2匹を眠らせてくれ」
 
 シグルトの言葉に、一同目を丸くする。
 
「あれを何とかする、じゃと?
 
 弓があるようには見えんのじゃが…
 あれほど離れた奴を、どうやって倒すのじゃ?
 
 ロマン以外は離れた敵を攻撃する手段など、持っておらんぞ?」
 
 スピッキオが素直に仲間たち疑問を代表して口にすると、シグルトは虚空にすっと手を差し伸べた。
 それに応えるかのように、ふわりと風が渦巻く。
 
「この間の旅は、ただ金を稼ぐだけの結果にはならなかった、ということだ。
 
 丁度いい機会だから、相棒を紹介しよう」
 
 シグルトが少し苦笑して、虚空に「〈トリアムール〉」と呟くと、彼を包むように一陣の風が吹いた。
 
 
 そのオークは、見張りという貧乏クジを引いたことに不機嫌だった。
 
 もとより真面目にやる気などまるで無い。
 この岩棚からなら周囲を一望可能だし、見張りは他に2人もいるからだ。
 
 下の連中も暇なので、のんびりと談笑しているではないか。
 
 「〈王〉は神経質過ぎるのだ」、とぼやき、そのオークは下品に鼻を鳴らした。
 
 前に人間たちの襲撃があっが、その時ちょうど〈王〉が他の〈王〉に逢うために巣を留守にしていた。
 〈王〉とその護衛たちがいなかったせいでまとまりの無かったオークたちは、その半数が殺された。
 
 それは、〈王〉がいなかったから仕方なかったのだ。
 今は賢く強い〈王〉がいる。
 
 そしてこの巣には、〈王〉が様々な仕掛けをしてある。
 強欲な人間ならコロリと引っかかるように。
 だから大丈夫だ。
 
 そう思ってオークが下を見下ろすと、下の2匹は呑気にあくびをしている。
 …寄り添って仲良く眠るつもりのようだ。
 
 オークは、「さぼるな」と声をかけようとする。

 …その時不意に、強い風が吹き付けて来た。
 
「…?」
 
 自分の声が出ないことに気付き、オークは目を見開いた。
 だらだらとどす黒いものが、自分の喉からこぼれ出て行くく。
 
「…ヵ…ヒュッゥ―」
 
 それが自分の血ではないかと気付いた時、オークの視界は濁り始めていた。
 
 何故だろう?
 とても眠い。
 
 遠くで人間の牡が立っていた。
 その人間が、自分に向かって手をかざしている。
 
 下の連中に知らせなくては…
 
 続きを考える前に、オークは喉からの失血によって目覚めることのない眠りについた。
 
 
「―すっご~いっ!!!」
 
 鮮やかに岩棚のオークを仕留めたシグルトを見て、ラムーナが驚嘆の声を上げた。
 
 シグルトが使ったのは、精霊〈トリアムール〉の力を用いた風の斬撃である。
 敵が気付いておらず油断していたため、正確に遠距離から喉を切り裂いたのだ。
 
 眠りについた2匹の見張りに止めを刺すと、レベッカが戻って来た。
 
「…まさか精霊術を修得してるなんてね。
 この手の術が便利なものだとは聞いていたけど、これじゃ飛び道具がお役御免になるわよ。
 
 使いどころを考えれば、奇襲にはもってこいだわ」
 
 感心するレベッカの言葉に、誇らしそうに強く風が吹いた。
 シグルトの風の精霊〈トリアムール〉が自慢でもしているのだろう。
 
 シグルトは、ふんぞり返った〈トリアムール〉を想像し、戦いの緊張に強ばっていた頬を少しだけ緩めていた。
 
「…この術そのものは2~3回の使用が限度だ。
 一度の術で、2回ほど風を起こして攻撃が出来るが、乱戦時に狙いを定めるには制御が難しい。
 剣を振るいながら準備するのは、おそらくほとんど無理だと思う。
 俺は専業の精霊術師ではないからな。
 
 今俺に宿っている風の力はあと一回解放できるから、このまま維持して、出会い頭の敵に対する反撃手段にするつもりだ。
 
 倒したのは見張りだけだから、まだ敵の本体は他にいる。
 中の連中が、この異常に気付く前に攻めるぞ。
 
 油断せず、進むとしよう」
 
 はしゃぐ仲間を軽くいさめ、術の詳細は仕事が終わってから話す、と話を終わらせるシグルト。
 そのまますぐに洞窟進入後の手順を確認する。 
 
「まず俺とレベッカが先頭だ。
 レベッカは罠と敵の気配に注意してくれ。
 俺が敵と遭遇した時には壁になるから、無理せず後衛に下がるんだ。
 
 ロマンは…可能なら小出しでいい、前衛の後ろから魔術で援護してくれ。
 ロード種との一戦までは、可能な限り魔力は温存するんだ。
 
 スピッキオとラムーナはその後ろで、後続の敵に備えつつ付いて来てくれ。
 
 スピッキオが癒しと【聖別の法】による援護を頼む。
 ロード種との戦いまで、治癒の秘蹟は出来るだけ温存するぞ。
 重い傷でない限りは、今後のことを考えて秘蹟の力を残しておくんだ。
 傷の重いものを優先して治してくれ。
 
 ラムーナはロマンとスピッキオを護るように、敵と遭遇したなら体勢を崩すように動く。
 前に型合わせをした時のことを思い出して、新しい技が必要なら臨機応変に織り交ぜてくれ。
 いざ戦いになったら、レベッカと組んで敵を翻弄するように動くように。
 
 レベッカは無理せずに、戦いがきつい場合はラムーナと隊列を交代すること。
 
 俺は、体勢の崩れた敵を確実に斃していくつもりだ。
 オークは力が強いから、組み合いや正面からのぶつかり合いは止めておくんだぞ。
 
 皆、油断無く自分の役回りに集中してくれれば、十分通用するはずだ。
 早々に俺たちの存在が敵にばれたその時は…攻めるが無理なら引くこと。
 
 …さっき道すがら話した通りだ。
 
 何か問題や提案はあるか?」
 
 オーソドックスな作戦だが、セオリーを確実に守ることが着実な強さになるのだとシグルトは言う。
 奇策に頼るのは時々だからこそ大きな効果になるのであって、本来戦いに必要なのは実力と手堅さであると。
 
 実際、多人数の混乱を利用する大規模な戦略が可能な軍隊同士の戦争とは異なり、冒険者の行う戦闘は堅実さや実力がものを言う。
 そして、満遍なく実力を活かせる状況をつくれることがとても重要なのである。
 
 個々の実力があり結束力の強い“風を纏う者”にとって、このスタイルは最も合っていた。
 
「頼りにしてるわよ、リーダー。
 
 こういう荒事ではあんたの戦術眼の方が、臨機応変に対応出来るからね」
 
 レベッカがそう言ってロマンを見ると、彼も頷く。
 
「僕だって古今東西の戦術書は読んでるけど、実際の状況に合わせて素早く指揮をとって対応することは出来ないからね。
 
 頭で考えるのと行うのは、それぞれ専門家がやればいいよ。
 その点で、僕もシグルトのことを信頼してるから」
 
 この少年はひねくれものである。
 だが、目の前の事実には謙虚だった。
 
「ここから先は完全に敵の領域だ。
 素早く、静かに、力強く。
 
 では…行こう」
 
 仲間たちの表情と覚悟を確認すると、シグルトはレベッカと並んで洞窟へと足を踏み入れた。
 
 
 洞窟の内部は、硬い岩肌に覆われていた。
 2人並んで歩くにはやや狭い。
 
「この構造であれば、多少なら剣を振り回すことも出来そうだ。
 落盤の心配も無いだろう。
 
 横に2人並ぶのは、確実に後ろを守る時でいい。
 動き回れる空間を確保しながら戦おう。
 小柄なラムーナなら、俺と並んでも戦えるはずだ。
 
 レベッカ、敵を見つけた後はすぐに下がってくれ」
 
 具体的な指示を出すシグルトに頷きながら、レベッカが周囲を調査していく。
 
「この先が2つに分かれているわ。
 
 敵の気配は全く無し。
 気付かれた様子もないわね」
 
 レベッカの言う分かれ道に着くと、シグルトはすぐに行く先を示した。
 
「このまままっすぐ行くと、洞窟の入り口があった岩壁沿いに進むことになるはずだ。
 
 奧に敵の首領がいるはずだから、こちらには高い確率で伏兵がいる気がする。
 まず後顧の憂いを断ち、挟み撃ちされないようにしよう。
 
 それに、別の入り口があったりすると何匹か逃がす恐れもあるからな。
 今回の依頼は、オークの殲滅だ。
 敵の退路を塞ぐように、まず手を打つとしよう」
 
 レベッカが、ぱっと外から見た様子を思い出して洞窟の構造を予測する。
 
「その入り口を、私たちの退路にするのもありね。
 
 敵地を攻略する時、端から確実にってのは、時間に余裕があれば悪くない選択よ」
 
 他の仲間たちもその意見に反対することなく、一行は真っ直ぐ進むことにした。
 しばらく歩くと、突然景色が変わる。
 
「…これって人造の壁だね。
 
 ということは、此処が遺跡なんだ」
 
 そこはテーブルが2つ置かれた、やや広い部屋だった。
 石を組み上げて作られた壁は堅牢で、周囲が崩れないようしっかりと塗り固められている。
 
「構造から思うに、此処は人間が隠れ住んだ跡だと思う。
 石壁の古さや建築様式だと…数百年前の統一帝国のものだね。
 
 この壁を固めてるのは、帝国が馬車を走らせる石畳を造る時にも使った、砂や石の粉を練って作る接着剤だよ。
 リューンの下水道や水道、賢者の塔にも使われている、優れた建築技術なんだ」
 
 ロマンがレベッカが調べ終わった壁を触りながら、説明する。
 
「大抵の遺跡はこの技術で作られてるのよね。
 
 ま、規模は小さいけど一応遺跡みたい。
 オークが住んでる程度だから、お宝は期待出来ないわね」
 
 一度調べられたって聞いてるし、と付け加え、レベッカは部屋をくまなく探す。
 
「…見るからに怪しい箱が一つあったわ。
 
 それと、棚にあったんだけど…掘り出し物よ」
 
 調べ終えたレベッカが掲げたのは、一本の酒瓶らしきものである。
 
「…ほう、それは聖別した葡萄酒じゃな?
 
 毒や麻痺、加えて石化の呪いすら解除出来るという優れものじゃ」
 
 スピッキオが、瓶に刻まれた不思議な形の十字を示して言った。
 
「この紋章は、異端とされる教派の聖印だね。
 ドルイドたちの文化を吸収して生まれた、古い聖北の一分派が使っているものだよ。
 
 この遺跡は、彼らが弾圧から逃れるために作ったのかもしれない」
 
 ロマンの言葉に、詳しいのうとスピッキオが相槌を打つ。
 
「うへぇ、なんか抹香臭い話ね。
 
 年代物だと思ったんだけど、確か【聖別の葡萄酒】って、味は渋くて薬臭いって奴でしょ?
 後で飲もうと思ったのに…
 
 まあ買うと高価な薬の一種みたいだけど、美味しくない酒はオークの豚面ぐらい罪なことだわ」
 
 レベッカが戯けたように揶揄した。
 スピッキオが、「罰当たり者め」、とそれを睨む。
 
「確か、此処で手に入る物は報酬にしていいという契約だったな?
 
 役に立つなら貰っておこう」
 
 シグルトが決定すると、ラムーナが嬉しそうに酒瓶を受け取って荷物袋に仕舞い込んだ。
 
「さて、次の問題はそこにある箱ね。
 
 さくっと行くわよ」
 
 説教を始めそうなスピッキオをなだめると、レベッカが見つけた小箱を丁寧に調べる。
 
「ほほう?
 外さずに開けると、どこかで鳴り子かベルでも鳴る仕組みね。
 
 で、ちょいなちょいな…と。
 
 やっぱり引っかけの箱だったか。
 中は空っぽ」
 
 レベッカが素早く箱を調べて罠を解除すると、素早く箱を開け、つまらなそうに鼻を鳴らした。
 
「ふん、お前のような欲深には宝よりその空箱の方がお似合いじゃ。
 
 少しは清貧という言葉を知ればよい」
 
 スピッキオの言葉に、疲れたようにレベッカが肩を落とした。
 舌戦を始めれば説教好きのスピッキオは後に引かず、結局付き合った分だけ疲れるのだ。
 
 奧に続く道を見つけ、即座に入って行く。
 
「こ、こりゃ…待たんかっ!」
 
 無視されて怒り出すスピッキオを、シグルトがなだめる。

「説教は後だ。
 
 今は敵地の中なんだから、大声は控えてくれ」
 
 「ぐむぅ」と唸って押し黙るスピッキオ。
 気付けば、シグルトもレベッカに続いて奥に進んでいる。
 
「もう歳なんだから。
 
 あんまり怒らない方が長生きの秘訣だよ」
 
 辛辣にそう言ってロマンも奧に進む。
 
 呆然とするスピッキオの大きな背中を、優しくラムーナが叩いた。
 気にしちゃダメ、という風に。

「おお、主よ。
 
 これは試練ですかの…?」
 
 大きな身体を折り曲げて項垂れ、スピッキオも仲間の後を追うことにした。
 
 
 部屋の奥はまた部屋になっており、石段が上へと続いていた。
 レベッカを先頭に石段を登ると、扉のある部屋に出る。
 
「扉の向こうに気配がするわ。
 多分オーク…複数よ。
 
 どうするリーダー?」
 
 扉を調べていたレベッカが、シグルトを振り返ると小声で囁いた。
 
「討伐が俺たちの仕事だからな。
 
 罠が無いなら、俺が先頭で飛び込もう。
 この広さの扉なら、俺の横はラムーナだ」
 
 仲間を集め、小声で伝えるシグルト。
 その後も扉を調べていたレベッカは、「連中、気付いていないわ」と付け足す。
 
「それなら呑気に援護の術を使うより、一気に踏み込んで奇襲しよう。
 
 3つ数えて踏み込むぞ…1、2、3っ!」
 
 滑るように同時に、シグルトとラムーナが部屋に飛び込んだ。
 
 部屋の中では4匹のオークがひしめいていたが、突然の来訪者に言葉も無い。
 
「ヤァアアアァァッッッ!!!」
 
 全力でラムーナが一匹に体当たりをする。
 
 よろめいたオークに、強い風が吹き付けてさらに傷を負わせた。
 精霊〈トリアムール〉の力である。
 
 シグルトがその風がくれる勢いに乗って、その隣にいたオークに剣を振るった。
 図太い首を叩き落とされて、オークの身体がどさりと倒れる。
 
 あまりの勢いに、オークたちは叫ぶことも出来ずに硬直していた。
 
「ふんっ!」
 
 スピッキオが部屋になだれ込む勢いをのせて、手前のオークを杖で突く。
 一打ちで、オークは意識を飛ばしよろめいた。
 
 その時点でロマンは、魔導書を手に呪文を準備していた。

 はっとして反撃してくる一匹のオーク。
 ラムーナがその攻撃を華麗に躱した刹那、シグルトは身体に宿った〈トリアムール〉の魔力を利用して【渾身の一撃】を放つと、そのオークも一気に屠る。
 頭蓋をかち割られたオークはだらしなく舌を出してのけぞると、びしゃりと脳漿を床にばら撒きながら後ろに倒れた。
 
「《…眠れっ!》」
 
 そこでロマンが完成させた【眠りの雲】の呪文が、勝負を決定づけた。
 
 睡魔に囚われた残りのオークたちは、地面に倒れる間も無く、シグルトとラムーナの追撃によって息の根を止められたのである。
 

「…っはぁっ」
 
 シグルトは全てのオークが倒れる数秒間、完全に呼吸を止めていたのだろう…すうと息を吸い込み、オークたちの遺骸が放つ生臭い臭気に眉間を寄せた。
 
「…無傷で、完全勝利ってやつね」
 
 レベッカが、どちらも一太刀で屠られたオークたちを見下ろして息を吐いた。
 屈強なオークを2匹も斃したシグルトの膂力には、感嘆の他無い。

 シグルトの使う精霊術には、術者の能力を強化する作用がある。
 当て難い大振りの攻撃では、その精度や威力をさらに高めるため、一気にたたみかける時には有用な攻撃なのだ。
 
 あまりに迅速な奇襲だったため、オークは仲間を呼ぶ隙も無かった。
 
「此処で行き止まりか。
 ベッドか…寝室だったようだなこの部屋は。

 今の騒ぎで、他のオークが来ると拙い。
 素早く調べて、さっきの分かれ道に戻るとしよう」
 
 シグルトは剣に着いた血糊と脂を、その部屋にあった腐りかけたシーツでぬぐうと、鞘に剣を納めた。
 
「はいはいっと。
 
 あら、ベッドの下からこんな物が出てきたわ」
 
 手早く調べ終えたレベッカが手に取ったのは、純金製の小さな鍵だった。
 
「何かの鍵みたいだけど、金だから鋳潰せばそこそこで売れるわよ」
 
 思わぬ副収入に、レベッカの顔がほころんだ。

「綺麗だね~」
 
 ラムーナも好奇に瞳を輝かせて、その鍵を見る。
 ロマンは鍵の造りから、出来た年代を推測しているようだ。
 
「宝探しは、討伐の後だ。
 
 どうせやるなら、ゆっくり探したいだろう?」
 
 呆れたように苦笑してシグルトが肩をすくめると、「まとまりが無いのう」と達観したようにスピッキオがばそりと呟いた。
 
 結局その部屋には鍵以外は無く、“風を纏う者”の一行は来た道を慎重に引き返すと、先ほどの分かれ道から奥に進む。
 しばらく天然の岩壁が続いていた。

「…止まって!」
 
 突然のレベッカの鋭い、静止の声。
 一同がはっとなると、その先には黒い影が浮かび上がった。
 
 2体の禍々しい悪魔像が立ち並び、奧を守るように配置されている。

「…これはガーゴイル像だね。
 時々門番…一種のゴーレムだったりするんだけど、この奧にオークがいるとするならただの飾りだと思うよ。
 そうでないと、通る度に襲いかかってきたり、馬鹿なオークが攻撃して傷くらい残ってるはずだからさ。
 
 この像はさっきの遺跡とは建造の時代が違うし、こっちは像以外天然の洞窟だね。
 魔術師の類が、後になって置いたんじゃないかな?」
 
 ロマンがそう推測する。
 
「攻撃してくる魔法生物でないのなら、下手に弄らないのが得策だな。
 
 奥に進むとしよう」
 
 危険が無いと判断したシグルトは、自身が先頭になって奥に進む。
 
 その奧には、梯子が掛かった縦穴があった。
 
「私が先頭に行くわ」
 
 レベッカが、しなやかな動きで素早く梯子を駆け上る。
 やがて、縦穴から彼女の白い手が出て手招きした。
 
 全員が登り切ると、さらに奥に進む。
 
「…ストップ。
 
 この先に部屋があるみたいね」
 
 窓のように開いた横穴から、やや赤く夕日が差し込んでいた。
 先ほどシグルトが仕留めたオークが、横穴の外にある岩棚に倒れている。
 
「この分だと、この先気付かれてると考えてもいいでしょうね。
 
 最初に聞いた話だと、この奧は行き止まりの広間になってるから、ロード種のオークはこの先にいるんじゃないかしら?」
 
 レベッカの言葉に、ロマンが頷いた。
 
「少しだけど石壁が見える。
 多分、王の間のつもりなんじゃないかな?
  
 オークロードの性質から言って、こういういかにも高くて、煙と一緒に上がりそうな場所にいる可能性が高いよ。
 見張りの配置から考えてもかなり神経質な奴みたいだし、聞いたとおりの部屋なら、残りの戦力全てで戦いを挑んでくると思う」
 
 言葉にするロマンは、少し緊張して顔が蒼白だ。
 ロード種に率いられたオークはとても強いからである。
 
「…そうか。
 では、こちらも決戦の構えで行くとしよう。
 
 スピッキオ、出し惜しみ無く皆に防御の秘蹟をかけてくれ。
 ラムーナと俺は突撃する。
 レベッカは援護を頼む。
 ロマン、攻撃魔法は使わなくていい。
 とにかく【眠りの雲】で、敵の出足をくじいてくれ。
 他のことは、一回【眠りの雲】を唱えるまで考えるな」
 
 シグルトは素早く指示を出すと、手をかざして〈トリアムール〉の名を呼んだ。
 横からシグルトを包み込むように、柔らかな旋風が巻き上がる。
 
 スピッキオが仲間の一人一人に【聖別の法】で、防御の加護をかけた。
 これは鋼鉄の鎧のような防御力を得るという秘蹟である。
 
「…では、突撃するぞ。
 
 3つ数えたら、一気に、だ。
 
 1、2…3っ!!!」
 
 一気にシグルトが部屋に飛び込む。
 
 景色が一変し、角張った人工の石壁が目に映った。
 
 奧には、重装備のオーク2匹と多数の手勢を引き連れ、大きな体格のオークがシグルトたちを睨み据えていた。
 オークたちはにわかに騒ぎ出すが、大きな体格のオークが一喝すると静かになる。
 
 そして、大柄なオーク…ロードは自身の剣を抜き放ち、がなり声で攻撃を命じる。
 
 素早く2匹の重装備をしたオークが前に出た。
 刺々しい兜をかぶり、気勢を上げて迫ってくる。
 
「むう、この陣形では親玉に攻撃が届きそうにないぞ?」
 
 スピッキオが十字架を前にかざしながら、歯ぎしりをする。
 
「ならば、前衛から切り崩すまでだっ!!!」

 トリアムールの風が迫ってくる一体のオークを打ち据え、シグルトは勢いのまま前衛の重装オークに斬りかかった。
 
 その横から舞うように一転したラムーナが、重装備のオークを蹴り飛ばした。
 怒り狂ったオークが突進して、ロマンが壁に激突する。
 
「…《眠れっ!!!》」
 
 同時にロマンの【眠りの雲】は完成していた。
 途端ばたばたとオークたちが眠りにつく。
 
「《主よっ、高き天の御座より慈悲の雨を降らせたまえっ!!!》」
 
 スピッキオが聖句を唱え、ぐったりとしたロマンを即座に癒す。
 
 シグルトの策が功を奏し、魔力を温存していたロマンの術で前衛が悉く眠ったため、敵はほとんど無力化していた。
 牙を軋ませ、後ろからオークロードが剣を振り回して躍り出る。
 
「っっ!
 
 こん畜生っ!!」
 
 スラングで怒鳴り、レベッカが短剣で正面のオークに止めを刺した。
 
 その横ではラムーナがくるくると回転して左右から連続攻撃し、2撃目で重装オークの頸椎を蹴り砕いていた。
 盛大に豚のような鼻から血を吹くと、重装オークは絶命する。
 
「ガァアアアアァァッ!!!」
 
 ちょこまかと動くレベッカを疎ましく思ったのだろうか、オークロードが甲冑の重みを利用した荒々しい体当たりを放った。
 脇腹を突き上げられたレベッカは、痙攣しながら吹き飛ばされた。
 
「くぅっ、持ちこたえろっ!」
 
 シグルトが即座に前面に出てレベッカを庇う。
 
「―ィィイヤャァァアアアアアッッッ!!!」
 
 ラムーナが気合いの声と共に、嵐のような一撃でオークの1匹を切り裂いた。
 
 すでに前衛の重装オークは倒れ、残るはロードを含めた後ろの5匹。
 敵の戦力は徐々に削られている。
 
 しかし“風を纏う者”の方も、レベッカが倒れぐったりして動かない。
 
「《主よっ!!》」
 
 そのピンチでスピッキオの聖句が朗々と響き、レベッカが即座に意識を回復した。
 
「…《眠れっ!!!》」
 
 【魔法の矢】で1匹を斃したロマンが再度【眠りの雲】を唱えると、勢い余って睡魔の霧を吸い込んだロードがぐらりとよろめく。
 
「ここで決めるぞっ!」
 
 シグルトが鋭い掛け声で仲間の士気を高め、剣を構える。
 
 ラムーナは今にも起きそうなオークの顎を蹴り砕き、続く肘打ちで頸骨を粉砕する。
 吹き飛んで壁にもたれかかると、そのオークは動かなくなった。
 
 ロードの攻撃で一様にかすり傷があるが、“風を纏う者”の面々の闘志は十分である。
 残る敵は、満身創痍のロードのみ。
 
「はぁああああっっっ!!!」
 
 シグルトの剣が、ロードの大剣とぶつかり合って火花を散らした。
 重い斬撃がぶつかり合い、互いの剣が軋んだ音を立てる。
 
 双方、再度の斬撃で肩を斬り合うが、スピッキオの秘蹟で守られたシグルトの傷は浅い。
 
「ブ、ブヒィィッ!!!」
 
 シグルトの一撃はロードの胸近くまで切り裂いていた。
 血を吐いて下がったロードの真上から、シグルトを飛び越えたラムーナが抉るような突きを放つ。
 
 ザシュゥゥゥッ!!!
 
 その一撃が止めとなり、ロードの巨躯は地響きを立てて倒れ臥した。
 
 
「…はぁはぁ、か、勝った~」
 
 ロマンが途端にへたり込む。
 レベッカも膝をつくと、荒い息を吐いた。
 
 ラムーナは、力尽きたようにふらふらと後ろによろめいて来た。
 すかさずシグルトがそれを支える。
 
「…かろうじて、勝ったの」
 
 スピッキオが、度重なる秘蹟の行使に応えてくれた神に感謝の言葉を捧げつつ、腰をとんとんと叩いている。
 
 皆服に鉤裂きが出来、擦り傷だらけだ。
 
「部屋は此処で最後のようだし、依頼は達成だ。

 重傷者は…いないようだな」
 
 ラムーナを立たせると、シグルトは自分の肩口の傷を確認している。
 「治すかの」と聞くスピッキオには、首を横に振った。
 
「軽い打ち身だ。
 血が出る傷にすらならなかったよ。
 
 スピッキオにかけてもらった秘蹟のおかげだな。
 あれがなかったら、ロード種の攻撃で鎖骨ごと肩を割られていた。
 
 他にも多少打撲はあるが、この程度は休んでいれば治るだろう」
 
 そう応え、不意にシグルトはラムーナの頭を撫でた。
 
「戦いの舞踏か…凄いものだな。
 
 今回はお前の技に救われたよ、ラムーナ」
 
 賛美を受けて、照れたようにラムーナが頭を掻いた。
 
「本当よ、ラムーナ。
 
 敵のほとんどは貴女の舞踏で、こてんぱんにやっつけてたじゃない。
 投資した価値があるってものだわ」
 
 レベッカもラムーナを絶賛して、抱きしめていた。 

「ロマンもいい判断だったぞ。
 最初の術の後、起きてくるオークを片端から眠らせたから、ロード種の対応に集中出来た。
 
 お前の【眠りの雲】が無ければ、俺たちの装備では、この数のオークを相手にするのは難しかったはずだ。
 今の感覚で術を使ってくれれば、前衛はとても助かる。
 だが、敵の攻撃には気をつけるんだぞ。
 さっきの怪我は大丈夫か?
 
 そういえば、レベッカは一度気を失っていたようだが、気持ち悪かったりはしないか?」
 
 仲間たちを労いながら、シグルトは仲間の細かいコンディションを確認していく。

「癪だけど、スピッキオの秘蹟のおかげね。
 
 防御の秘蹟がなかったら、危なかったわ。
 癒しの秘蹟も、いつも思うんだけど、本当に便利よねぇ…」
 
 自分にタックルして来たオークの死体を忌々しそうに見つめ、レベッカが秘蹟のことを褒める。
 
「ふん、だから言ったのじゃ。
 お前も少しは信仰心というものを持てい。
 
 まあ、皆命が無事のようでほっとしたわい」
 
 スピッキオが仲間に無断で秘蹟を修得し、教会への寄付を払ったため、そのことをレベッカが咎めたことがあった。
 だが、件の秘蹟は一行にとって大きな戦力になっていた。
 
「ふんっ。
 
 言っとくけど、無断でお金を使うのはこれからだってダメよ。
 私たちみんなのお金なんだからね」
 
 会計役がすっかり板についているレベッカは、負けずに言い返すと、部屋を探索し始めた。

「この部屋だけ遺跡っぽいから、何かありそうな気がするのよ。
 
 …と、やっぱりあったっ!」
 
 レベッカが壁のひびに紛れて動く石を見つけて慎重に押すと、壁がスライドしてやや小さめの扉が現れた。
 扉を調べて、眉間に皺を寄せる。
 
「…うはぁ、隠し扉に鍵付きねぇ。
 この隠し扉は最近まで使われてたようだから、そこのロード種がお宝を隠しているんでしょう。
 なんとも用心深いことだわ。
 
 さっき拾った鍵が合いそうね。
 開けるわよ?」
 
 心持ちうきうきした様子で、レベッカが振り向く。
 こういうところは盗賊らしいな、と苦笑してシグルトが頷いた。
 
 先ほど拾った金の鍵はぴったりと鍵穴に合い、隠し部屋の古びた扉が軋んだ音をたてて開いた。


「うわぁ…」
 
 ラムーナがやや狭い天井の部屋を見回して、感嘆の声を上げた。
 
 その部屋は一片の隙もなく石壁に覆われ、ひんやりとした空気が滞っている。 
 部屋の中央には滑らかな肌の禍々しい悪魔像が一体そびえ立ち、その左右に大きな箱が一つずつ置かれていた。

「ちょっとした宝物庫ね。
 
 あの用心深いロードのことを考えると、罠があるかも知れないわ。
 調べるから、少し後ろに下がってて」
 
 前に出たレベッカが、まず像を調べ始める。

「…この石像、これ見よがしに立派な宝石の指輪を持っているわ。
 
 この宝石、百年昔だったなら銀貨千枚は下らない代物だったんだけど、技術の発達と鉱脈が見つかったってことで価値が暴落したものなの。
 今では、通常ルートで銀貨三百枚ぐらいかしら。
 
 価値はそこそこにあるんだから、取って帰りたいところなんだけど…
 像の手元が綺麗なところを見ると、完全な罠ね。
 
 罠でないなら、あのオークロードが身に付けてそうな代物だもの」
 
 レベッカの後ろで悪魔像を観察していたロマンが、同意するように頷いた。

「これはおそらくガーゴイルだよ。
 
 魔法生物の一種で、作り手…魔力付与者にもよるんだけど、そこそこの戦闘力があるんだ。
 何より恐ろしいのは、宝物なんかの守護者として石像に擬態している奴で、正しい手順を踏まないと襲いかかってくるんだ。
 
 それと、この石像って他にも罠がありそうだね。
 普通の擬態したガーゴイルは、近づくだけで襲いかかってくるから。
 指輪を取った瞬間、魔法攻撃を受けるかもしれないよ。
 
 この像からして、キーワードで宝石が外れるか、あるいは完全な囮で指輪は付属品、ということかも知れない。
 
 もしその指輪を取るつもりなら、誰かが犠牲になるか、罠を解除する何かを見つけるしかないよ」
 
 ロマンのアドバイスを聞き、少し思案したレベッカだったが、やがてにんまりすると一同を見て言った。

「…取ると襲ってくるなら、まず壊そうか」
 
 過激な提案に、“風を纏う者”の一行は顔を見合わせた。


 その後、不本意だと言いつつロマンが【魔法の矢】を悪魔像に叩き付ける。
 遠距離から、ガスの罠などが無いことを確認するためだ。
 
 石像に攻撃する、という行為は野蛮な方法ではあったが、それなりに理に適ってる。
 宝箱を開けている最中に襲われては危険だからだ。
 
 シグルトは、もう一度〈トリアムール〉の力を身に宿していた。
 悪魔像の反撃に備えてのことである。
 
 だが、ロマンが唱えた【魔法の矢】が直撃すると、奇っ怪な悲鳴を上げた悪魔像は、びくりと手を動かしたがすぐに動かなくなった。
 念入りにシグルトとラムーナが2人で押して、石像を台座から落とし粉々に破壊する。

「【魔法の矢】は、この手の魔法生物にとっては驚異的な威力になるんだよ。
 シンプルな魔法による破壊の力は、ゴーレムの魔導回路や、魔力によって生命を吹き込まれた魔法生物の活動回路を破壊する効果があるんだ。
 
 ガーゴイルは比較的魔法生物としては弱い方だから、一溜まりもなかったんだね」
 
 乗り気でなかったロマンであるが、使った魔術に関しては自慢気であった。
 
 その横で、「はいはい」と適当に相槌を打ちながら、レベッカは飛び散った破片の中から先ほどの指輪を探し出すと、布で綺麗に磨いて包み込んだ。
 
「さて、邪魔なトラップを一つ片付けたし、次は箱の方よね~」
 
 手に入れたお宝を懐に仕舞い込むと、レベッカは壊れた悪魔像の向かって左側にある宝箱に近づく。
 調べるのか、とスピッキオが近づいた時には、がちゃりと鍵の開く音がしていた。

「ふふん♪
 私の手にかかっちゃ、この程度の鍵は可愛いものよ。
 
 それにしても、解除に失敗すると剃刀が出てきて箱が壊れる仕掛けなんて、あのオークロードはほんと性格が悪いわよね」
 
 鮮やかなレベッカの手際に、ラムーナが「すご~い」と感嘆の声を上げた。
 
「盗賊やってて一番楽しいのって、この瞬間よね~♪
 
 さぁて、何が入ってるやら―」
 
 レベッカの後ろから、開いた箱を仲間たちが覗き込む。
 
 箱にはその辺に転がっている綺麗な石や、見方によっては人型に見えなくも無い木の枝、獣の牙などがぎっしり詰め込まれていた。
 だが、古びた銀貨も何枚かがらくたにまみれて入っている。
 
「…ま、オークの宝だものね。
 銀貨で二百枚ってとこか。
 
 あとはほとんどゴミみたいなものだけど…」 
 
 それらをより分けていたレベッカが、やがてやや大振りの綺麗な石を見つけ、目を丸くする。

「これって、魔法の武具を作る時に使うっていう鉱石じゃないっ!
 
 …紅に金か。
 この【金鉱石】なんかはポートリオンでものすごく高値で取引されるのよね~
 ある意味、一番のお宝だわ。
 
 あの石像の指輪を含めれば、今回の報酬込みで銀貨二千枚は堅いわよ」
 
 他に金目のものが無いことを確認すると、レベッカはもう一つの宝箱に近づいた。
 途端に渋い顔になる。

「これって解除不能の罠、っていうか封印じゃないっ!
 
 だぁあっ、もう~腹立つっっ!!!」
 
 ぷりぷりと怒るレベッカによると、かなりたちの悪い魔法の罠らしい。
 下手に開けたり解除すると、大がかりな罠が発動するかも知れないということだった。

「大抵の盗賊はそうなんだけど、魔法系の罠って専門外なのよ。
 
 これを解除出来るとしたら、魔術師の専門魔術とかなんだけど…」
 
 やや期待の込められた目で、レベッカがロマンを見つめる。

「…だめだね。
 
 そもそもこの罠って、解除を前提に作られてないんじゃないかな?
 レベッカの言う通り、封印に近いよ。
 
 中にあるものは気になるけど、危険だから開けない方がいいよ」
 
 悔しさに身悶えしているレベッカの横で、こんなこともあるよ、ロマンが肩をすくめていた。
 
 その時である。
 突然周囲が揺れ出し、“風を纏う者”はさっと身構えた。
 
 しばらく続いた地震は、ぱらぱらと天井から土埃を落とすと、間もなく静まった。
 
「地震か?
 
 とにかく次のが来る前に部屋を…」
 
 シグルトが仲間に脱出を促そうとした、その時である。
 
「な、何でこうなるのよ~っ!!!」
 
 レベッカが頭を抱えていた。
 
「…箱、空いちゃった」
 
 ラムーナが指差す先には、先ほどの激しい地震の衝撃で開いた宝箱が転がっていた。
 
「ぐむぅ…何か臭いぞぃ」
 
 スピッキオは周囲に満ちてきた悪臭に、口元を押さえた。
 もうもうと白い煙が壁から吹き出してくる。

「と、扉が閉まっちゃったよっ!」
 
 ロマンが焦った声で、この部屋の唯一の出口があった場所を指さした。

「やばいわっ!
 
 これ、大量に吸うと昏睡に陥る毒煙よっ!!」
 
 切羽詰まった仲間たちの言葉に、シグルトは即座に行動を起こした。

「《トリアムールっ!》」
 
 シグルトの声に応えるように、渦巻く煙を退けて、旋風がビョウッと吹いた。
 
 ドゥォォオオオオンッ!!!
 
 風を纏いシグルトが起こした行動は単純だった。
 
「煙が晴れるまででいいっ!
 
 隙間を空ければ、すぐに窒息することはないはずだっ!!」
 
 仲間を励ますように叫ぶと、シグルトは繰り返し閉ざされた扉に体当たりをする。
 衝撃で僅かに扉が歪み、そこに出来た隙間めがけ、抜いた剣を突き立てた。
 
 乾いた音を立てて、剣が弾き返される。
 
「くっ…ならばっ!!!」
 
 シグルトは大きく後ろに下がり、全身の筋肉に力を溜め込んだ。
 そうして、ばね仕掛けのように扉に向かって腕を突き出す。
 
 低い体勢から稲妻のように走る、会心の刺突。
 
 何かを壊そうという時、力は線より点の方が効果的である。
 岩盤を破壊するためには鍬よりも鶴嘴の方が向いているように、剣を叩き付けるよりも穿つことを選んだのだ。
 短期間だが、シグルトなりに剣の機構を理解した上での咄嗟の判断だった。
 
 ガシィィィィイインッ!!!!!
 
 その突きを受けて、扉が大きく軋む音。
 
 しかし、絶えきれなかったシグルトの剣は砕け散った。
 
「…―ゥォォオオオオオオッッッ!!!!!!」
 
 腹の底から絞り出すような声を上げ、シグルトはそのまま渾身の体当たりを行う。
 
 歪んでいた密室の扉は、〈トリアムール〉が起こす旋風に守られたシグルトの突進で砕け散った。
 勢い余って部屋から転がり出る。

 転倒によって痺れる身体に鞭打ち、何とか立ち上がって振り返ると、仲間たちが一目散に走り出て来た。
 
「…皆、無事か?」
 
 体当たりをした時、砕けて自分の腕に突き刺さった石の欠片を引き抜きながら、シグルトは周囲に問うた。

「…何とかね。
 
 助かったわ、シグルト」
 
 レベッカが咽せて乱れた呼吸を整えながら答え、忌々しそうにがれきを蹴飛ばした。
 彼女が罠を発動させたのではないが、罠で命を落としそうになったこと自体が彼女の自尊心を損なったのだ。

「あ、危なかった~」
 
 蒼白な顔をしてロマンがへたり込んでいる。
 毒煙を吸い込んでそうなったわけではないようで、呼吸は徐々に落ち着いている様子だ。

「シグルトこそ、だいじょうぶ?」
 
 心配そうにラムーナが聞き返した。
 彼女はロマンの手を取っていち早く脱出したので、ダメージは無い。
 
 安堵して自分の腕を見ると、シグルトの腕は大きく裂けて、血が溢れ出していた。

「ふぅ…
 
 儂らよりも、お前の方が酷いようじゃの。
 どれ、手を出すがよい」
 
 頑健なスピッキオは、老いたとは言え全く疲弊していない。
 すぐにシグルトに近寄り、傷ついた腕に癒しの秘蹟をかけてくれる。
 
 無事を確認した“風を纏う者”の面々は、しばし脱力したように押し黙った。
 
 少し経って、シグルトは思い出したように砕けた剣の破片を拾い始める。

「…折れちゃったね」
 
 ラムーナがシグルトを手伝い始めた。
 感謝の言葉を口にすると、シグルトは破片を拾う行為を再開する。

 一通り欠片が集まると、シグルトはそれを袋にしまい、深い溜息を吐く。

「…これで3本目か。

 剣士たるものが、こう頻繁に剣を折るようでは話にならないな」
 
 肩を落とすシグルトを、仲間たちは気まずい心持ちで見つめていた。
 
 シグルトが武器を大切に使うことを、皆知っている。
 彼は手入れを怠ったことはないし、出来る限り折らないように気をつけて使っていた。
 
 砕けた剣は先輩冒険者のお古で、年代物だった。
 厚く屈強な造りだが、現代の優れた鍛冶技術から見れば骨董品と言える代物だ。
 
 度重なる血糊を浴び、激しい鍛錬と戦闘で使われ続けた武器は、何れ壊れる。
 ちゃんとした使い方をして壊れたこの剣は、寿命が来たとも言えるだろう。
 
「仕方ないわよ。
 
 私たちを助けるために無茶したんだし、石の扉をぶち破るなんて芸当…普通は鶴嘴でも使わなきゃ出来ないわ。
 
 それに、太ったオークを縦割りにするシグルトの力じゃ、斧を使っても刃が欠けるんじゃないかしら?
 肉を斬り骨を断つのって難しいし、一回やるだけでかなり切れ味が悪くなるものなのよ。
 
 今までそのなまくらを斬れるように使いこなしてたんだから、大したものよ」
 
 レベッカが自分の得物である短剣を撫でながら、私には無理だわ、と戯けて見せる。
 
 シグルトの使っていた剣は、斬るためのものというよりも、鎧の上から殴り合うことを想定した鈍重な物だった。
 時代としては重装の板金鎧(プレートアーマー)が増えた現代よりも少し昔、鎖帷子(チェインメイル)や鋲鎧(スタデットアーマー)が主流だった頃に使われていたものだ。
 現代では、先端が鋭利になり鎧の継ぎ目から刺すか、穿ち抜くタイプの刀剣が増えている。
 
「仕方ない…不本意だが、この場はこの中から適当なのを探して使うとしよう」
 
 シグルトはまずオークロードが使っていた剣を拾い上げると、具合を確かめていた。
 それは、背の高いシグルトの手にも余るような大剣だ。
 
「…使えそう?」
 
 ラムーナが尋ねると、シグルトは首を横に振った。

「何度か斬り合ったせいか、柄がぐらついている。
 激しい打ち込みをしたからな…
 俺の剣も、あの時にひびでも入っていたようだ。
 そうでなければ、あのこまで派手に砕けはしないだろうし、な。
 
 この剣は俺の体格では大き過ぎるし、刀身が重いから補強も意味を為さない。
 砕けている目釘を金属にすれば、多少は持ちそうだが…
 何時柄から刀身がすっぽ抜けるか…危なくて扱えないよ。
 
 こんな危なっかしい得物を使うぐらいなら、素手の方がいくらかましだ。

 他も同様だな…
 錆びていたり刃が欠けていたり…量産物の粗悪品ばかりだ。
 たぶん、死体から剥ぎ取った類の物だと思う。
 
 皆手入れがされてないから、傷み方が酷い」
 
 シグルトは慣れた手つきで目釘(刀身を柄に固定するボルト)を抜くと、柄から刃を外し、根本の部分も念入りに確かめる。
 力がかかりやすいこの部分は、よく壊れるのだ。
 そして、鍔迫り合いをした時にこの部分から折れたりすれば、高い確率で大きな手傷を負うことになるだろう。
 
「…とりあえずは、オークの護衛が使っていた得物にするよ。
 
 多少錆びているが、傷みは比較的少ない」
 
 シグルトが最後に手に取ったのは、厚刃の蛮刀(ファルシオン)だ。
 剣士の持ち物、というよりは山賊が振り回す類の武器である。
 
 慣れない武器の性質を確かめるように、シグルトは素振りをしては、重さや握り具合を調べていた。

「―…部屋の中の毒霧が晴れるわよ」
 
 取り損なった宝物を得るために、レベッカは剣の物色をするシグルトの脇で宝物庫の罠が落ち着くのを待っていた。

「死にかけたというのに、がめついのう」
 
 呆れた様子でスピッキオが眉を動かした。

「なればこそよ。
 
 罠まで発動したんだから、お宝を拝まなきゃね」

 レベッカは恥をかいた分、利益で取り戻すつもりのようだ。
 ある意味、このパーティでレベッカが一番図太いと言える。
 
(折れない分、剣よりレベッカの方が強いよね…)
 
 そう考えたことは隠しておこうと、ロマンは笑いを噛みつつ、胸に秘めた。
 同様に感じたのか、シグルトが苦笑している。

 そんな2人の態度は目に入らないかのように、さっさと宝箱の前に来たレベッカが、慎重に空いた箱の中を覗き込んだ。

「…な、何よこれっ!」
 
 レベッカが怒りを露わに箱から取り出したのは、鉄で出来た粗末な輪だった。
 赤く錆びたそれは、まるで何かを拘束するための首輪のようだ。
 売ったとして、銀貨一枚にもならないだろう。

 落胆するレベッカの横で、ロマンが首を傾げた。
 
「こんな物を大げさに罠付きの宝箱に入れるなんて、あのオークは変わった価値観を持っていたみたいだね。
 
 まぁ、ゴブリンロードが動物の手をコレクションしていたり、グリフォンが宝石の変わりにタイルを集めていたって話はざらだから。
 こういうのもアリなんじゃないかな?」
 
 落ち込むレベッカの横でシグルトがその鉄の輪を覗き込むと、何事か考え込む。
 そして、ロマンの言葉を否定するように、首を横に振った。

「…これはかなりの拾い物かも知れんぞ。
 
 輪に付いている紋章…蝶のような形をしているだろう。
 これは古の零落した神々を表しているんだ。
 
 太古に権勢を誇った彼の神々は、聖北の台頭によって追いやられ、姿を虫や獣に変えた。
 それが妖精の起源だとする説がある。
 
 さっきの【聖別の葡萄酒】に描かれた聖印は、確かその時代の名残だったはずだが」
 
 シグルトの言葉に、ロマンが「ああっ!」と叫んで手を打った。

「確かに…かすれてるけど、その紋章の横にあるのは四つ葉のクローバーを表す十字と、三位一体を示す正三角形だ。
 シグルトの言った聖印は、似た紋章を取り込んだって説のものだよ。

 その神々って、〈ダヌの眷属(トゥアハ・デ・ダナーン)〉のことだよね?
 だとすると、古の鉄の民…この西方で最初に鉄器を使った古代人の物じゃないかな。
 
 骨董商に売れば、その手の蒐集家なら結構なお金で買ってくれるかも…」
 
 価値があるかもしれない物だと分かった途端、レベッカの表情がぱっと輝いた。
 
「しかし…何か祭器の類かもしれないぞ。
 鉄の指輪や額冠(サークレット)は、鉄の民が好んで用いた呪物だったはずだ。
 
 確か鉄には妖精や精霊の力を封じる力が宿っていたはずだが…」

 シグルトは伝承に詳しい。
 古い神話や物語では、ロマンが知らないようなことも数多く覚えていた。
 
 感心するロマンやラムーナの横で、やや渋いかををするレベッカ。
 彼女にとっては、金になるかも知れないという以外、この輪は薄汚い鉄の塊でしかないのだ。
 
 とりあえず持ち帰ろうと言うレベッカに、シグルトが注意を促そうとしたとの時…

 パキィィィン…

「…あっ!!!」

 さほど力を入れたわけでもないのに、鉄の輪は真っ二つに割れてしまった。
 
 愕然となるレベッカ。
 仲間たちも肩すかしを喰らったように渋い顔になった。

「…ま、こんなこともあるよね?」
 
 仲間たちを励ますようにラムーナが声をかける中、シグルトは突然視界が霞むのを感じ、目をこする。
 鉄の輪が割れた瞬間、光のようなものが溢れたように感じたのだ。

(「…出られたっ!
  …出られたっ!
  
  暗いところから、やっと出られたよっ!!」)
 
 突然甲高い声が聞こえ、シグルトは周囲を見回した。
 
「どうしたんじゃ?」
 
 挙動不審なシグルトの行動に、スピッキオが声をかける。

「…いや、何か聞こえたような気がしたんだが…」
 
 周囲を見回すシグルトに、レベッカが「止めてよね~」と落ち込んだ様子で言う。

「私の耳には何も聞こえないわ。
 
 敵の残党がいるなら、聞き逃さないわよ」
 
 そうだな、と返事をしようとしたシグルトは、次の瞬間また緊張に眉根を寄せ、身を固めていた。

(「…そこにいるのは白き森の姫君、オルテンシア様の血を引く人間…
  鉄の呪いに囚われた、青黒い髪の一族、“鐵の王家”の末裔だね?
 
  私を解放してくれたのは、貴方?
 
  長い長い時の頚木から開放してくれた、私の恩人。
  風を連れ、〈お母様〉の祝福を受けた、“屈せぬ者”)」
 
 今度は確かに、自分に向かってかけられた〈声〉を聞いたのだ。

「俺に話しかけているのは、一体何者だ?!」
 
 シグルトは、訝しがる仲間たちを制して続きを問うた。
 新しい敵ならば、立ち向かわなければならない。
 そう決意して、虚空を睨む。
  
 空間から滲み出すように、くすくすと笑い声が聞こえる。

(「私は古の者。
 
  貴方たちが“妖精”と呼ぶ、古い神の眷属。
  物語に語られる〈翔精(フェアリー)〉たちの古い始まり。
 
  私は“環を為す隠者”。
  〈常若の国(ティル・ナ・ノーグ)〉より迷い出たる、彷徨う者。

  貴方は“屈せぬ者”。
  私は、暗い闇の底から出してもらえたこの代償に、同じように〈縛られぬための力〉を授けるよ。
  
  私の環は、束縛の頚木から解き放つ、姿を隠す魔法の環。
  妖精の国に通じる、神隠しの環。
  
  私の代わりに〈常若の国〉の入り口を探して。
  それまで、代わりに環の力を貸して上げる」)
  
 そこまで言って、不思議な声はぴたりと止んだ。
 同時にシグルトの右手の指先が、かっと熱くなる。
 
 よく見れば、爪と皮膚の間に小さな模様が浮かび出ていた。
 それは、あの鉄輪に刻まれていた蝶の紋章と同じ形をしている。
 
 シグルトの頭に、ぼんやりと輝く光の環の形がイメージとして伝わり、すぐに理解する。
 声が言う〈縛られぬための力〉のことを。

(…神隠しの環、か。
 妖精が悪戯をする時に現れる、〈妖精の環(フェアリー・リング)〉のことだな。
 
 それにしても…〈常若の国〉の妖精とは。
 〈トリアムール〉の時といい、この間の死神のことといい…
 俺はつくづく、こういった連中と縁があるらしい)
 
 シグルトが苦笑すると、怒ったようにその周囲を風が舞った。

(「何よぅ、新参者のくせにシグルトの身体に宿るなんてっ!
 
  私の方が先輩なんだから、挨拶ぐらいしなさいよねっ!!」)
 
 風の中から聞こえた声に、またはっとする。
 シグルトは、風から感じ取れる確かな〈声〉を聞き取っていた。
 
(今のは〈トリアムール〉の声…?
 
 そうか。
 妖精が身に宿るということは、精霊や妖精に近くなるということだ。
 この感覚を覚えておけば、俺でも精霊の声を聞くことが出来るということか。
  
 これは、思わぬ拾いものをしたかもしれんな…)

 一人感慨深げに頷くシグルトを見て、“風を纏う者”の仲間たちは、揃って心配そうな面持ちになった。
 
「…すまん。
 この鉄輪に封じられていた者が、話しかけてきたのでな。
 
 輪は壊れてしまったが、ちょっと便利なものが手に入った。
 帰る道すがら、説明するよ」
 
 苦笑するシグルトの言葉に、仲間たちはぽかんとしていた。
 
 その時、終に一同は気が付かなかった。
 割れた鉄の輪から、碧い視線がずっとシグルトを眺めていたことを。

(「まずは耳。
  次は目を与えよう。
  
  代わりに何を捧げて貰おうか?
  
  ふふふ、間もなく微睡みで見えよう、愛し子よ…
  お前が【開闢】に届く、その時を見ながら」)
 
 〈それ〉は、さも楽しそうに笑みを浮かべると、目を閉じた。


 
 またまたお久しぶりのY2つです。
 うちのマイコンが不調でして、IEに繋ぐと突然停止するわ、ブルー画面になるわ…
 仕方ないので、5月前半はほとんどパソコンの改造をやってました。
 私のパソコンは自作なので、不調も多いのです…とほほ。
 
 ようやく拡張が終わったと思ったら、カードワースの入ってたハードディスクがデータ認識せず…復旧ソフトでなんとかして、気付けば1シナリオUPするのに半月以上かかってました。
 ぐったりです、もう。
 
 と、愚痴はこのあたりにしておき…
 
 やっと書いた『シンバットの洞窟』。
 かつて合作を作ったDjinnさんが関わったシナリオということで、張り切ってリプレイしてます。
 
 このシナリオの攻略法は研究してましたので、スムーズに探索を進めました。
 シグルトが使った【飄纏う勇姿】のスキルは、こんな使い方が出来るのです。
 キーコード万歳ですねぇ。
 
 序盤、行動力UPを利用して、【渾身の一撃】するのは有用な戦い方なので、お勧めです。
 当たるし、ダメージがかなり大きくなります。
 
 ラムーナの【連捷の蜂】は、予想通りの活躍ぶりで、ロード戦は、半数の敵をこのスキルで斃しちゃったりしてます。
 召喚系の連撃は、手数が増えるので序盤こそお勧めです。
 特に【飄纏う勇姿】は、待機召喚(あらかじめ召喚しておく)が便利です。
 使用時に攻撃できませんからね。
 
 罠解除なんかで一瞬成功率を上げる時なんかにも使えたりします。
 ちょっとだけ裏技なんですが。
 
 今回もう一つ役だったのがスピッキオの【聖別の法】です。
 最終戦でオークの全体攻撃を2連発で喰らったのですが、何とか勝てましたし。
 
 このシナリオは、戦術がものを言います。
 キーコードが多大な威力を発揮するので、持ってる手札はフルに利用するつもりで挑戦してみると意外な発見があるかもです。
 
 最初の見張りですが、奧に【魔法の矢】、手前に【眠りの雲】がかなりベストなパターン化も知れません。
 【眠りの雲】は、このシナリオで最高の切り札になります。
 実際の戦闘のために温存しておくと、ばれて頻繁に戦闘が起こる時でもいくらか楽になりますよ。
 
 このシナリオ、手に入る財宝もたくさんあります。
 序盤金策に困った時は、このシナリオで稼ぐのも吉です。
 
 手に入ったものは…
 
・報酬600SP
・アイテム【聖別の葡萄酒】×1
・アイテム【金色の鍵】 ×1
・アイテム【サーフ・レア】×1
・お金200SP
・アイテム【金鉱石】×1
・アイテム【紅曜石】×1
・スキル【妖精の護環】×1
 
 レアリティでは、付帯能力でもある【ジンニャー】がお勧めなのですが、私の場合は自分の関わったスキル【妖精の護環】にしました。
 欲しい方は、うちの『風屋』でも変わらず買えるので、どうぞ。
 このスキルの本来の使い方は、何れ紹介いたします。
 
 宝物庫のドアは、ちょうど残っていた【飄纏う勇姿】の召喚獣2回で、かる~く突破しました。
 【攻撃】のキーコード、宝物庫攻略の時点では使えるスキルが不足してしまいがちなのですが…
 
 罠に引っかかって、ガーゴイルを斃した後、残り物で…
 このあたりは選択肢があって楽しいところです。
 
 今回、他のリプレイを阻害しないように、あえてジンニャーちゃんは出しませんでした。
 彼女との問答はとっても楽しいんですけどね。
 
 前半はごく普通のオーク退治として話をまとめています。
 クロスオーバーを考える時、有名どころのシナリオはこのようにリプレイするのもアリですよ。
 私の場合、シグルトたちの前に、「依頼を完遂できなかった冒険者がいる」という形にしています。
 
 
 さて、後半訳の分からないのはとりあえず伏線です。
 ただ、今回のリプレイを見て「これってあのネタか?!」と思っていただけたらちょっぴり嬉しいです。
 
 妖精の話とか、聖印の話とか、帝国の話とか、実際の文明や神話ををモデルにしてたりします。
 
 
 次回はいよいよシグルトとあの方とのファーストコンタクトがっ!
 剣といったら、あのお髭の方です。
 ややマニアックな展開を企画していますので、ちょっとだけ期待していてください。
 
 Djinnさん、アイデアが遅れて御免なさいね~

 今回のシナリオで一斉にレベルアップが…
 
 レベッカ   レベル2→3
 ロマン    レベル1→2
 ラムーナ   レベル1→2
 スピッキオ  レベル2→3
 
 みんなそろそろ中堅冒険者の入り口です。

 
 おっと、現在の所持金は…
 
  6338SP(チャリ~ン♪)


〈著作情報〉2008年05月13日現在

 『シンバットの洞窟』はチーム ARA-DDIN(アラ・ジン)のシナリオです。現時点Djinnさんのサイトで配布されています。
 チーム ARA-DDIN(アラ・ジン)はDjinnさんとるの字さんのユニットです。
 シナリオの著作権は、ARA-DDIN(アラ・ジン)のお二人にあります。
 このリプレイの時のバージョンはVer1.00です。
  
・Djinnさんサイト『水底のオアシス』 (○ttp://djinn.xrea.jp)←○をhに。
・るの字さんのサイト『魔界の扉』(○ttp://lunoji.fc2web.com/)←○をhに。
  
 カードワースはgroupAskに著作権があり、カードワースの管理、バージョンアップ、オフィシャルな情報等はgroupAsk official fansiteにて、カードワース愛護協会の皆さんがなさっています。
 このリプレイは各シナリオをプレイした上で、その結果を小説風リプレイとしてY2つが書いたものです。
 書かれた記事、書かれる記事は、特定のシナリオの名前が出たときは、そのシナリオの著作権はすべてそのシナリオの作者さんにあります。
 
 また、リプレイ中に使われる内容には、各シナリオで手に入れたスキルやアイテム、各シナリオに関連した情報等が扱われることがあります。
 それらの著作権は、それぞれのシナリオの作者さんにあります。
 またカード絵等の素材に関しては、シナリオ付属の著作情報等を参考にして下さい。
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この記事のコメント

 こんにちは、フーレイです。ええと今回も読みましたが戦闘描写に脱帽です
(どうも僕はCWリプレイ製作中戦闘描写を疎かにしがちで:汗)。
勉強させていただきます(一礼)。

>最近は宣伝とか著作とか厳しいですし、フォローはちゃんと~
 …そうなんですよねぇ…色々著作権…とか。
僕も書く際シナリオ名と作者名は出していますが…
もう少し書いたほうがいいんだろうかと考えていたり(汗)
フォロー……はっ、もしかして、不備があったのでしょうか(大汗)。

アンバーたちとクロスですか!
楽しみにしております~。そしてY2つさんが描くアデイ編も楽しみにしております。
2008-05-13 Tue 13:52 | URL | フーレイ #DEtutM4g[ 編集]
こんにちわ。
今回も楽しく読ませていただきました
「眠りの雲」はホントに強いですよね、適性が白い魔法使いに持たせると敵全体緑色とかザラですし(笑)


リンクの件ですが、自分がブログの機能をまだよく理解してないので、アドレスだけ書いておきます。
自分のページもほぼリンクフリーなんで追加も削除もご自由にお願いします。
アドレスhttp://kakkotyou.blog17.fc2.com/
こっちからは既にリンクを貼らせていただきました。

著作権は本当に気をつけないとなあ・・・
2008-05-13 Tue 17:35 | URL | 閑古鳥 #h0D/NfaY[ 編集]
ども、龍使いです。
相変わらずの執筆で、楽しく読ませていただきました。
シンバットの洞窟は僕もやりましたが、一歩間違うと全滅の可能性もあるんですよねぇ……。
慣らしにやったら結構負けてました(汗

剣で髭の方……あの人のことですね!?
でしたら、無理が無ければシュウを出してください! シュウ!
前にメールで書いたと思いますが、刀関連であの方の元に一度行っています。
その時に持っていた古い刀を打ち直すかどうかと言われて打ち直してもらうことにと言う感じにしてます(これが朔夜・閏月の原型の刀となっています。 一応)
まだ設定段階なので、変更が合ったらそれにあわせます。
とりあえず、要望としてはシュウ以外のメンバーも出してくれると嬉しいですが、刀の様子をシュウが見に来ると言う感じでお願いします。
シュウの今後の愛刀になりますし、重要かと思ったのでw

ではでは
2008-05-13 Tue 23:38 | URL | 龍使い #07qaF0Us[ 編集]
続けざまにすみません。フーレイです。先ほど言い忘れたことが(滝汗)。
リプレイについてですが、実はテンションとか、ノリに乗ったときに書き溜め、土曜日にアップしている状態です。早くはありませぬ(汗)。

あとよく読むとブレッセンさまがお出になるとは!
あわよくばシオンとすれ違がって、名乗らずとも2、3会話したいものです!!(本格的に知り合うのはもう少しあとなんですけれども…。ちなみにシュウさんとは顔見知りです)。
2008-05-13 Tue 23:46 | URL | フーレイ #DEtutM4g[ 編集]
 皆様、コメント有難う御座います。
 
 すぐにもシナリオ制作や、リプレイの続編を書きたいのですが…親戚に不幸がありまして、3日ほどそっちに行く予定です。
 17日まで更新が滞りますが、その時に改めてコメントさせていただきますね。
 
 よろしくお願い致します。
2008-05-14 Wed 03:03 | URL | Y2つ #TIXpuh1.[ 編集]
 戻ってからもどたばたしてました、Y2つです。
 
 従兄が38歳の若さで…命とは儚いものです。
 若い時の癌は進行が早いので、見つけた時は即手術しましょうね皆さん。


〉フーレイさん
 戦闘描写は、スキルが増えてくるとバリバリ増やせます。
 今回、シグルトとラムーナの暴れっぷりは爽快でした。
 行動力UP+【渾身の一撃】は、低レベルの頃にこそ絶大ですので(雑魚がちょうどその一撃で一撃必殺するぐらい)決まると楽しいです。
 
 戦闘描写する時は、戦闘の課程や結果を簡単にメモしておき、最後に一連の流れにしてまとめると、スムーズに書けます。

 著作権については、宣伝やらの法律がネットの中で厳しくなったので、よりこっちでも気をつけねば、と話題にしただけでして…
 先方さんの罵詈雑言やら礼節を欠いたことをしない限りは、マナーを守りつつシナリオ付属のテキストに書かれたルールの範囲で気をつければ、大丈夫でしょう。
 でも、私が書いてる程度の情報は、コピペして書いておいた方が好いかも知れません。
 リプレイ規約があるシナリオもありますし、シナリオ付属テキストは、必ず読んでリプレイすべきでしょうね。
 皆さん、そのあたりは抜かりないでしょうけど。
 
 アンバーたちとのクロスは、レナータ、アデイとの話で書かせて貰おうと思ってます。
 シグルトたちは、旧リプレイでも書いてますが、レナータを連れ込むこと前提で5人にしてますので、クロスオーバーでも、こればっかりは譲れません。
 悪しからず、御了承下さい。
 
 シオンとのクロスは、。書くとしてももう少し先だと思います。
 実際にシグルトがシオンに技を教える頃は、数年先のことになると思いますし。
 
 せっかくの邂逅ですから、やる以上は凝らないと。
 
 
〉閑古鳥さん
 【眠りの雲】は、効果時間3ラウンドぐらいでいいでも十分だと思います。
 10Rで全体に効果というのは凄すぎるような…

 リンクは今日中(このコメントの後にでも)させていただきます。
 また遊びに行きますね。
 
 仕事の合間を縫って活動してますが…私も頑張ります。
 活動、応援してます。

〉龍使いさん
 詳細は『魔剣工房』リプレイの方に書きましたが、今回はクロスをあえて控えさせて頂きました。
 シグルトたちの行軍は、かなり頻繁で広範囲なので、クロスオーバーのタイミングを計るのも難しかったりします。
 やるとしたら、打ち直しのあたりでしょうかね。
 ブレッゼンが、ぽつりとシュウのことを漏らしてみたり。
 今度二刀月(朔夜と閏月)の制作が魔剣工房でOKか、原作者に尋ねてみますね。
 
 テンションのムラのせいか、四詠桜花の制作が大幅に遅れてすみません。
 最近PCがネット不具合を起こして、大改造してたので、すっかりペースが乱れてしまいました。
 作業中、カードワースの入っていたハードディスクがピンポイントで認識不能になったときは、焦りましたけど、復旧ソフトでほぼ元通りにしましたし。
 スキル絵のリハビリからやり直します。
 
 今回はそういうことで、悪しからず御了承下さい。
2008-05-20 Tue 13:07 | URL | Y2つ #TIXpuh1.[ 編集]
お久しぶりです。Djinnちゃんです(・ρ゜)ノ
なんと、3連続で私のシナリオを取り上げて下さっているとのことで、
とっても嬉しい気持ちなのです ノ(´д`*)

今回はARA-DDINのシンバットですね。
序盤のスピッキオの受難(笑)が最高に笑えました。
戦闘はフーレイさんがおっしゃるように熱く、全滅の罠の臨場感も良かったです。
剣が折れてしまうのも良いですね。
リアリティを感じる部分にはやっぱり感情移入しやすく、
それが臨場感を一層深くしているように思います。
オークのお宝にはしゃぐレベッカもかわゆいですね~!

ズィンニャーが出てくるか、と身構えていたのですが、
より面白い精霊が出てきたのでびっくりしました。
トリアムールの声が聞こえるという展開に胸躍ります。
こういうのステキだなー。何か燃える。

さて、続きを一気に読ませて頂きます。
次はブレッゼンですか?
ということは「用のないご老体」ですね。(伝説のシナリオ)
とにかく、楽しみです☆-(ノ゚Д゚)八(゚Д゚ )ノイエーイ


>フーレイさん
ブレッゼンを知っていて下さってうれちいです。
ありがとうございますヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
2008-05-25 Sun 15:09 | URL | Djinn #I9hX1OkI[ 編集]
〉Djinnさん
 このシナリオは、絶対リターン版でやると決めていました。
 オーク戦は、旧リプレイに無かったものですし。
 
 【ジンニャー】は、レアリティが高くて、本当は欲しかったのですが、彼女を出してしまうと同一のリプレイの妨げになりますし、せっかくDjinnさんが私の方からクロスして貰ったスキルの効用を紹介する機会にもなるだろうし、でこんな形にしてみました。
 【妖精の護環】は、他に制作中のシナリオでも持ってると役に立つよう考えてます。
 
 
 …伝説のシナリオですね?
 確か旧エンジンでやったことがあったような。
 ブレッゼンには世話になってますよ、毎回毎回。
 同時に、彼への手みやげが手に入る酒シナリオ、作ってみたい気もします。
 最近まで対応の酒が手に入るシナリオがDL不可になって、土産のチャンスが減り続けて来ましたし、近年登場した特産品が手に入る可能性がある『地図製作組合』というシナリオには、かなり期待しています。
 
 ブレッゼンに貢ぎまくってると、いいことがありますし。
 どうせなら、是非お酒の数を5本から、珍品の御褒美で応えてくれるようにしてやって下さいね。
2008-05-27 Tue 18:21 | URL | Y2つ #TIXpuh1.[ 編集]

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