Y字の交差路

 ここはY2つめがノリで作ったブログです。  カードワースを中心に、私が思ったことや考えたことを徒然なるままに書きたいと思います。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スポンサー広告 |

『見えざる者の願い』

 アレトゥーザからの帰り、“風を纏う者”は有名な魔導都市カルバチアに逗留していた。
 
 すると逗留していた酒場にやってきた、ガストン オリバーストン男爵なる太った男から『コフィンの森』のそばにある屋敷の探索を依頼される。
 
「待って!!そこの冒険者さん!!」
 
 依頼を受けて屋敷に向かう途中、突然虚空から声がする。
 一行がびっくりしていると、空中からにじみ出るように1人の少女が現れた。
 
 その少女はルティアという遮蔽魔法の研究をしている娘だった。
 
 なんでもこれから調査に向かう屋敷の主だった老人が、彼女が研究する魔法の第一人者だというのだ。
 
 ルティアは是非同行させてほしいと頼んできたのである。
 
「…だめね。
 
 お嬢ちゃんの目的はあの屋敷の魔法書とかでしょう?
 そういうの、私たちにとってもかなりの収入源なのよ。
 
 行きたいなら自力で行きなさいな。
 もちろん目的がかちあったらライバルよ。
 
 必要なら排除しちゃうわよ~」
 
 レベッカは冗談めかしてルティアを脅しつつ、きっぱりと同行を断った。
 
「え~?
 まじで~?
 
 こんなかわいい女の子が頼んでいるのに~?」
 
 ぶりっ子するルティアにレベッカは指を突き出して、ちっち、と横に振った。
 
「色仕掛けするなら、もう少しお馬鹿な男の冒険者にするのね」
 
 ルティアが目を潤ませてシグルトを見るが…
 
「悪いな。
 
 俺はこいつらのまとめ役をしてる以上、仲間の足手まといを増やしそうなことには賛同できない。
 
 話によると、何かモンスターがいるみたいだから、命に関わることになるかもしれない。
 軽い気持ちだと、小さなことでも命を落とすことになる」
 
 このハンサムな美丈夫には、まるでルティアの「かわいい」が通じていなかった。
 
 次にラムーナを見るが、ただニコニコしているだけだ。
 
 スピッキオを見るがこの立派な体躯の爺さんは、若い娘が無茶しちゃいかん…と説教を始めた。
 
 最後の希望、とロマンを見て思わず頬を染める…ロマンは黙っていれば飛びっきりの美少年だ。
 
「お姉さん、遮蔽魔法なんて随分マイナーな魔法を研究してるんだね。
 
 あれって装置とかたくさんいるし、お金のない人だと研究するのには向かないよ。
 こんなところで僕らの力を当てにしてるようじゃ、ちゃんとした研究なんて無理だよね。
 
 そうだね、まず精神操作系の魅了の魔法とかマスターすれば?
 非合法で場合によると牢屋行きだけど、仲間を作ることができるかもしれないよ」
 
 最後に辛辣な言葉で止めを刺されて、幅の広い涙を流しそうな気分になりながら、ルティアは叫んだ。
 
「信じらんない!
 
 いいよ~だ。
 勝手にくっついてっちゃうんだからっ!!!」
 
 ルティアを置いて、一行はすでに屋敷に向かって歩き始めていた。
 
 
 屋敷は森に囲まれた陸の上にあった。
 
 ルティアをまったく無視した一行は、玄関の扉をくぐってホールを調べる。
 
 こういうことはレベッカの独壇場である。
 
 壁を調べていたレベッカは隠し扉を発見した。
 
「うっふっふ~、お・た・か・らの気配ね~」
 
 隠し扉に普通は罠などないだろうに、しっかり調査を行いつつ、レベッカはどこか嬉しそうだった。
 
 この手の屋内探索こそ盗賊の本分であった。
 罠がないことを確認すると扉を開け中に入る。
 
 隠し扉の奥では3体の骸骨(スケルトン)が襲い掛かってきた。
 弱いがれっきとした不死(アンデッド)のモンスターである。
 
「うわ、ここの館の主、死霊術も使えたの!」
 
 ロマンが薄気味悪そうに構えを取る。
 
「だが、それほど強くなさそうだ」
 
 さっと剣を構えるのはシグルトである。
 いくつか冒険を経てきたが、常に先頭で戦い、的確な指示を出すこのリーダーを皆信頼していた。
 
 そして骸骨どもはたいした抵抗ができるわけも無く、元の骨に戻されることになった。
 
 隠し扉の奥には金属製の宝箱が二つもあり、一つには火晶石、一つには小さな緑色の宝石が入っていた。
 それほど高価なものではないが、売ればそれなりの金になるだろう。
 
「嬉しい臨時収入だね」
 
 ロマンが幾分興奮したように言った。
 
 ルティアがいいなぁ~、綺麗だなぁ~と言ったが一同は完全に無視して、宝石類は荷物袋に入れた。
 
 途中小部屋で鼠に出会い、追い払うことになったが、まだ使えそうな毒消しを手に入れられた。
 
 一階を捜査し、レベッカもお手あげらしい特別な鍵の扉で閉じられた離れを除けは、そこそこの広さがあるだけの屋敷だった。
 
 広場で辺りを見回していると、使えそうな薬草を見つけたが、茂みに隠れていた大蛇に襲われた。
 おそらくは森に住んでいるのだろう。
 
 しかし大蛇はわりと見掛け倒しで、すぐに倒されてしまった。
 
「丸々と太っておいしそうだよ~」
 
 ラムーナがそう言うとルティアの顔が、ひぃ、と引きつる。
 
 食料が無いときはこういったものも充分な食べ物になるし、蛇の肉は臭みは強いもののまだ食べられる。
 それに血がかなりの強壮作用を持つのである。
 
 結局、蛇を食べるなんて野蛮よ~、と横で頭を抱えているルティアのそばで昼食となった。
 
 食べるものはまだあるからと、大蛇の死体はシグルトが庭に埋めて処分したのだが。
 
 
 二階ではこうもりに襲われたがロマンの魔法でばたばたと眠り、一行は事なきを得た。
 その部屋では、この屋敷の地図らしきものを手に入れた。
 
 さらに調査を進めると、二階の奥の部屋で、シグルトたちは木製のゴーレムと戦闘になった。
 
 ゴーレムとは魔法によって仮初の命を吹き込まれた、主に忠実な魔法生物である。
 この木製ゴーレムは丸太を人型に組み立てたような形をしている。
 
 ゴーレムは硬く、なかなか大きな傷を与えられない。
 
 シグルトはゴーレムの首に斬りつけるが、多用してなまくらになった剣はめり込んで抜けなくなる。
 だが、抜けないならとそのまま振り回して壁に叩きつけゴーレムを粉砕した。
 しかし、大きな動作の隙をつかれてもう一体のゴーレムから拳をもらう。
 よろめきながら、切れた口に溜まった血を吐き捨て、体制を整える。
 
 もう一体に殴られたスピッキオも額から血を流していた。
 彼の杖では全く大きな効果を与えられないのだ。
 
「…《穿て!》」
 
 しかしロマンの【魔法の矢】がその一体を粉々に粉砕する。
 この手の魔法生物にこの魔法は大砲のような効果があるのだ。
 
 関節をきしませ、満身創痍で反撃してくるもう一体の体当たりを食らってラムーナがよろめいた。
 止めを刺そうと追いすがるゴーレムをレベッカがが蹴飛ばし、次の瞬間にはシグルトの渾身の一撃がそのごつい胴を粉砕していた。
 
「苦戦したな…」
 
 スピッキオの癒しを受けつつ、シグルトが呟いた。
 さすがに要所警護用のモンスターである。
 
 手当てを終え、その奥の方にあった小部屋を調べていたレベッカが隠し扉を見つけた。
 入ると一方通行の回転扉である。
 他に出口があったので、ほっとしつつ着いた先を調べた。
 
 奥には宝箱があり、宝石と貴重な魔法薬があった。
 
「これは…今回一番の発見だね。
 魔法薬って普通に市販されてないんだよ。
 
 僕たち魔法を使うものにとっては、魔法を使う力が枯渇しても、これがあれば回復できるし。
 
 ま、僕ならちゃんとした工房があれば他の安い薬と調合して、もっとすごい薬を作れるよ」
 
 その横で宝石を鑑定していたレベッカが言った。
 
「さっき手に入った宝石と一緒にすれば800SPぐらいにはなるわね。
 一応は依頼一回分ぐらいの稼ぎになったわ」
 
 思わぬこの収入に、レベッカは嬉しそうに宝石を磨いていた。
 
 
 二階にあるもう一つの部屋で、シグルトたちはこの館の主であったグリシャム ブロイの亡霊に出会うこととなった。
 
 最初、亡霊という強力なモンスターの出現に、一行が緊張し、ルティアは泣きながら逃げ回った。
 しかし、意外にもスピッキオが仲間の構えを解かせたのである。
 
「どうやらこの亡霊、戦意はないようじゃ」
 
 グリシャムの亡霊は一行の話を聞き、シグルトたちがこの館を荒らしていたことは責めなかったが、妻との思い出の場所を他の人間に盗られたくは無いので隠してしまいたい、とこの屋敷のどこかにあるという遮蔽装置を持ってきてくれるように頼んできた。
 
 ルティアが安請け合いをしてレベッカに頭を小突かれていたが、元は取れたから、とシグルトはグリシャムの頼みを承諾した。
 スピッキオは亡霊の昇天のためだといい、ロマンは偉大な魔道師の最後の願いなら、と承諾する。
 欲が無く温厚なラムーナなの意見はわかりきったようなものだった。
 
「はいはい。
 
 ま、あの太っちょからはいくらかせしめてやるわ。
 屋敷が無かったとでも言って確認させれば、銀貨五百枚ぐらいは搾り取れるでしょ」
 
「相変わらず強欲だのう、おまえ」
 
 レベッカの守銭奴ぶりにあきれるスピッキオだが、あんたたちが揃いも揃って馬鹿正直なだけよ、とレベッカは肩をすくめた。
 
 グリシャムがいた場所の、奥の部屋で火晶石と鍵を回収すると、ルティアが遮蔽魔法の巻物を勝手に奪ってしまった。
 レベッカがそれに怒るが、ロマンが止めといたら、といった。
 
「ロマン、あなただって古い魔法書に興味があるんじゃない?」
 
 するとロマンはそっと耳打ちした。
 
「グリシャムは偉大な魔道師だったけど、魔法の研究は日進月歩だよ。
 
 グリシャム師が活躍していた時代の魔法より、優れた魔法が数多く開発されてるんだ。
 
 あの魔法書、写本を読んだ事があるけど、儀式の複雑さが問題視されてて、ものすごく高額な装置が必要なわりには効果が限られるんだよ。
 それに遮蔽魔法って今はマイナーなジャンルで、あんまり人気がないから、あの本ほとんど価値がないと思う。
 
 ま、あのルティアってお姉さんにあてがって、黙らせるには丁度よさそうなものだと思うけど?」
 
 さすがは“風を纏う者”の頭脳であった。
 
 
 一階の開かずの扉を開き、冒険で手に入れた地図にある隠し扉の向こうにいくと、グリシャムが召喚したらしい子悪魔インプが襲い掛かってきた。
 混乱の魔法に苦戦しつつも、ロマンの魔法で眠らせて捻るいつもの作戦でかたがつく。
 
 奥には遮蔽装置と【蜘蛛の糸】という魔法の巻物が置かれていた。
 
「これは僕らがもらうよ?
 
 遮蔽魔法とは関係なさそうだからね」
 
 ルティアが何か言い出す前に、ロマンはぴしゃりと釘を刺し、巻物を懐に入れてしまった。
 
(類は友を呼ぶ…かしら?)
 
 レベッカは笑い出しそうになるのをこらえつつ、愉快そうにロマンを見ていた。
 
 その奥の酒蔵では年代物のワインを見つけ、レベッカもホクホク顔だった。
 
 
 いろいろあったが、結局グリシャムの願いをかなえ屋敷が隠蔽されると、一行はガストンの屋敷に向かった。
 
 依頼主のガストンとの交渉はレベッカが引き受け、なんと銀貨千枚をせしめてきた。
 
「なかなか実のある仕事になったわね~」
 
 狡猾な女盗賊は銀貨の重さに頬を緩めていた。
 
 
 ルティアと別れる時のことである。
 
 ロマンはルティアに何か伝える。
 こてん、とルティアが地面に倒れた。
 
「何を言ったの…
 
 あの娘、髪が抜けそうな落ち込みようよ?」
 
 大したことじゃないよ、とロマンは言った。
 
「あの本の装置を現代で用意するための費用だよ。
 
 人件費や貴重な材料費を考えると、銀貨十万枚ぐらいは必要だよって…」
 
 そりゃ落ち込むわ、と初めてレベッカはルティアに同情するのだった。

 
 
 今回は、本家groupAskのメンバーさんが製作した『見えざる者の願い』です。
 普段ものすごくシリアス路線なので、今回はちょっとコメディ路線にしてみました。
 
 探索のお手本とされる内容はかなり厚く、リプレイ用のデータ抽出で疲れ果ててしまいました。
 長いシナリオはリプレイがきついです。
 
 このシナリオ、探索が面白いのはもちろんのこと、儲かります。
 うまくいくと2~3シナリオ分の報酬になります。
 
 貧乏だった“風を纏う者”はかなりこのシナリオで懐が潤いました。
 
 ちなみに今回の報酬は、
 
道具類
 
・【解毒剤】×1
・【魔法薬】×1
・【葡萄酒】×2
・【薬草】×1
・【火晶石】×1
・【宝石】×2

スキル 

・【蜘蛛の糸】(ロマン習得)
 
お金
 
 +1000SP
 +800SP(宝石2個売却)
 
 
 あと前回忘れてましたが、ラムーナが【連捷の蜂】を買って残金は
 
 300SP
 
 でしたが、100SP宿に貯金しました。
 
 残りは200SPですので、今回の報酬とあわせると…
 
 
◇現在の所持金 2000SP◇(チ~ン♪)
 
 ごっつぁんです♪
 
スポンサーサイト

CW:リプレイ | コメント:1 | トラックバック:0 |
<<『教会の妖姫』 | HOME | このブログの感想なんかはここで…>>

この記事のコメント

こんばんはm(__)m

2000SP所持金があるので大分リッチ(爺さまではない)になってきましたね♪

蛇のお肉はうなぎの味と似ていると聞いたことがありますが、食べた事がないので、なんとも言えないです。
漢方薬のお店では、蛇やトカゲが売っていますね。

このシナリオって儲かるのですが、かなり長時間プレイした記憶があります。
長時間プレイしただけあって、実入りも思い入れも強いシナリオんでした。
読んでいて楽しかったです。

それでは、失礼いたします。
2006-06-23 Fri 21:09 | URL | らっこあら #mQop/nM.[ 編集]

コメントの投稿















コメント非公開の場合はチェック

この記事のトラックバック

| HOME |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。