Y字の交差路

 ここはY2つめがノリで作ったブログです。  カードワースを中心に、私が思ったことや考えたことを徒然なるままに書きたいと思います。

『碧海の都アレトゥーザ』 交差する風

 街道を碧海の都アレトゥーザに向けて歩むものがいる。
 
 “風を纏う者”である。
 
 一行は先日立ち寄った『魔剣工房ヘフェスト』の話題で盛り上がっていた。
 
 シグルトが工房の主であるブレッゼンの作業が終わるのを待っていた間に日が暮れてしまい、一行はブレッゼンの妻サンディの計らいで一泊させてもらったのである。
 
 ブレッゼンは一見無愛想だったが、サンディの話では一行、ことにシグルトをとても気に入ったらい。
 
 ロマンがブレッゼンの作った武具や魔法の道具がいかに貴重か興奮して話し、サンディとラムーナが意気投合し、レベッカがアレトゥーザに輸入されたという珍しい外国の酒を振舞うと、ブレッゼンが酒に目が無いことも判り、結局酒盛りと談話で夜を明かしてしまった。
 
 サンディの作ってくれた朝食を御馳走になった一行は昼近くになってようやく旅立ったのである。
 
「…また来るといい」
 
 灰色の髭をなでながらニヤリと笑い、ブレッゼンが送ってくれた。
 シグルトは新しい愛剣を軽く握ると、ああ、と呟いて工房から出発したのだった。
 
 
「ねっ、私の勘は当たったでしょう?」
 
 レベッカは工房を訪れる前にシグルトがブレッゼンに気に入られるだろうことを予測していた。
 
「サンディさんの話だと、あんなに嬉しそうな顔をする爺さんは最近見たこと無かったそうよ。
 
 お酒を飲んでるときも無言で二人並んでて、まるで親子みたいだったわ」
 
 しかも出発のときは目で会話してるし、とレベッカがからかう。
 
「…そうだな。
 
 また来るさ、こいつのために」
 
 シグルトは武骨な腰の剣の柄を撫でた。
 
「でも、どうみても鋳物や骨董品と大して変わらない鉄の塊に見えるわ。
 
 なんだか切れにくそうね。
 
 それに銀貨二千枚なら、普通じゃ怒るわよ。
 …あのすごい武具を事前に見てなかったらね」
 
 そういって、レベッカはシグルトを待つ間、サンディに武具を見せてもらっていた時のことを話し出した。
 
 
「す、すごい!
 
 この鎧、真なる銀だよ!!」
 
 ロマンが興奮して言った。
 
 銀には攻撃的な魔法を遮り、実体の無い存在にその光を及ばせ、影響する力を持つ。
 鏡に映らない吸血鬼も銀製の鏡に映り、幽霊や精霊のような存在も銀の武器で倒すことが可能なのだ。
 しかし、銀は鉄の2倍近い重さがあり柔らかい。
 銀の有用性を知りながら、高価なことに加え加工の難しさに使い勝手の悪さから、それほど銀の武具は普及していなかった。
 
 だが、銀の効果をそのままに軽く頑丈になったものが真なる銀である。
 
 本来、魔法の金属ミスリルは銀貨一枚分の量で銀貨千枚に匹敵する価値がある。
 ミスリルはすごく貴重なレアメタルでめったに手に入らず、それのみで出来た鎖帷子は龍の鱗よりも固く羽根のように軽い…それ一つで国が買えると噂になったぐらいだ。
 
 だが生成が難しいものの、ミスリルと銀で合金を作ると堅牢な固さと鉄よりやや軽い魔法の金属になる。
 これがミスリル銀、あるいは真なる銀と呼ばれるものである。
 
 含有するミスリルの量によって効果が違うが、銀に対して1%を切る割合でもかなり優秀な金属となる。
 極めてまれだがミスリルを含んだ銀の鉱石が発見されることもあり、これは加工すると真なる銀になるので、真なる銀そのものをミスリルと呼ぶ場合もある。
 ミスリルはそれほど世に出回らない幻の金属なのだ。
 
 基部になる銀そのものの価値、ミスリル含有の希少性、合成して真なる銀を作り出す手間、それを鎧に加工する技巧。
 
 ロマンが驚いた軽量の金属鎧は、銀貨三千枚でよいという。
 しかし、市場に出たらどれほど天井知らずな価格になるだろうか。
 
「いいのよ~
 
 あの人と私が食べていく蓄えはあるし、私たちが損をしない程度お金をもらえば充分。
 ただ、これらの武具は市場に出さないでほしいの。
 
 もし必要なくなったら、うちで半額で買い取るわ。
 
 この“子”たちは、あの人の作った子供のようなものだから。
 貴方たちを見込んでのことよ、お願いね」
 
 サンディは愛おしそうに武具を眺めて言った。
 
 ロマンたちは頷き、武具を見ていく。
 ある道具を見てロマンの動きが固まった。
 
「う、嘘…!
 
 これ、アスクレピオスの知恵の杖じゃないかっ!!」
 
 アスクレピオス…人のために医学を発展させた異国の賢人。
 後に人間を死から蘇生させた咎で主神の雷で打たれて死んだが、天に昇って医学の神になったという。
 
「うちにある武具は、伝説ほどの力は出さないの。
 
 前に夫が忠実に魔法の武具を再現したら、あまりに凄まじい効果で、その威力を狙う人たちが現れて、戦争が起きそうになったことがあったのよ。
 
 それ以来、あの人は作る武具の理不尽すぎる力は眠らせて、売る相手も選ぶようになったわ。
 人の手に余る武具は持つ人の運命を歪め不幸を呼んじゃうから。
 
 でも、人に扱える状態にしただけでもその効果はすごいわ。
 
 その杖も、人を生き返らせることはできないけど、魔術師の知恵が込められていてたくさんの魔術を使うことができるらしいわ」
 
 ロマンはサンディの言葉にいちいち頷いて、その杖をしっかりと手に取った。
 
「…カドゥケウス。
 
 原典は魔術師の頂点を象徴するヘルメスの双頭の蛇の杖。
 ヘルメスの杖ケリュケイオンとも、医学と蘇生の象徴であるアスクレピオスの一蛇(いちだ)の杖とも、本来は別のものなんだけど形が似てるから同一に見られることもあるね。
 
 アスクレピオスはヘルメスの知恵を模すために同じような一蛇(いちだ)の杖を持ったとの異説が残ってるほどだよ。
 
 だから、あらゆる魔法を封じ、両方の杖の由来を模して生み出され、ヘルメスの杖の別名カドゥケウスの名をあえて冠して、大魔術師が傍らにおいたのがこれ。
 その杖は形をかえても、偉大な魔法の杖の名を冠したままだったんだ。
 翼の形をした杖の先は知識への飽くなき探究心と飛躍を表してる。
 
 アスクレピオスの【知恵の杖】とも呼ばれた伝説の杖だよ。
 人であったアスクレピオスが知識の研鑽の果てに神になった、その業績と知識を讃えてつけられた異名だね。
 
 人を蘇生したりできないけど、いろんな魔法の力を魔術書の助けなく、魔術師の付帯領域…自身の深遠にある魔術回路の要所に喚起することができる。
 
 まさに偉大なる知恵と技術の証。
 この歳で見ることが、触れることが出来るなんて、僕は、僕は…!」
 
 拳を握り締め、ロマンは感涙していた。
 
 横で他の者たちは、そうすごいんだね、と意味も分からず目を点にしながら、なんとなく相槌を打っておいた。
 
 
「あの時のロマンは目が怪しかったわよ。
 
 残念ながらお金が足りなくて買えなかったけど、まだロマンには早いってことよね~」
 
 レベッカにからかわれてロマンがむっとしている。
 
「あの杖がどれほど貴重か分かってないから、そんなことが言えるんだ…
 
 あれだけで複数の魔法が使えるんだよっ!
 それに杖に込められた太古の魔術の知恵…すごいんだよ、あれはっ!!」
 
 むきになったロマンはむせてしまい、ラムーナに背をさすってもらう。
 
「…いつかお前の手に来るさ、その杖が求めるなら。
 
 お前が持つべき友だといいな」
 
 シグルトはそういってロマンの肩を軽く叩いた。
 
「薀蓄はそのあたりにしておけぃ。
 
 もう、アレトゥーザが見えてきたわい」
 
 傾きかけた日差しの下で、碧海の都は赤く染まりつつあった。
 
 
「さて、と。
 
 じゃ、私はしばらくこの都市でやりたいことがあるから。
 今回は私が銀貨を使うわね」
 
 レベッカがアレトゥーザの門をくぐった直後、一行にそう告げる。
 
「噂だが、ここの盗賊ギルドの技術はリューンのそれに勝るものもあるらしいからな。
 
 俺たちは『悠久の風亭』を中心に仕事でも探しながら時間をつぶしているよ。
 
 …しっかりな」
 
 シグルトの許可を得たレベッカは、ニッと口の端を吊り上げてウインクすると、路地の暗がりに消えていった。
 
「さて、じゃあわしらは宿にでも行くかのう」
 
 スピッキオが、よっこいせ、と掛け声をかけて『悠久の風亭』を目指そうとする。
 
「すまん、俺は少し寄るところがあるから、先に行って部屋を取っておいてくれ」
 
 シグルトはそういうと、レベッカから預った滞在費をロマンに渡す。
 
「また『蒼の洞窟』?
 
 シグルトのこと、『悠久の風亭』のマスターが怪しんでるよ。
 あのおじさん、レナータさんっていう精霊術師さんのこと、ほとんど父親のノリで心配してるみたいだから」
 
 そうだな、と苦笑いしてシグルトが頷く。
 
「…シグルトよ、おぬしそのレナータさんとやらに気があるのかの?」
 
 本来レベッカが言いそうなことをスピッキオが聞く。
 
 シグルトは軽く左右に首を振って否定する。
 
「…普通の男なら妻にと望んでおかしくはない、美人で気立ての良い娘だがな。
 
 男と女の話になると、『小さき希望亭』の娘さんみたいに誰でもくっつけたがる人もいるみたいだが、俺にとっては気の許せる同じ年の知人…彼女に、友人と思ってもらえていれば光栄なんだが。
 
 …今日は彼女の19歳の誕生日なんだ。
 
 何とか今日中にアレトゥーザに着けてよかったよ。
 日が変わらないうちに贈り物だけは届けておきたいんでな」
 
 シグルトは親しいものにはとても義理堅く優しい。
 女心には恐ろしく鈍感な方だが、相手の心をとても大切にするし、贈り物のような行為はきちんとする。
 
「シグルトってこういうことはまめだよね…」
 
 ロマンが肩をすくめる。
 
 シグルトのこういう行為が女性にさらに受けるのだ。
 純粋に相手に喜んでほしいという気持ちの送り方なので、それがまた相手の心の琴線に触れて感動させる。
 
 宿の娘さんなど、シグルトからお土産をもらって感激し、しばらく彼にだけ食事をサービスしていたぐらいだ。
 
 前に何故こんなにまめなの、と聞くと、妹や周囲の女性たちに散々鈍感だの唐変木だと怒られて鍛えられたからだな、と苦笑いしていた。
 話によると誕生日には欠かさず妹にも贈り物をしていたらしい。
 
「…それにしても、側にいると誰でもくっつけたがるのはやめてほしいよね。
 
 この前なんか危うく僕、シグルトの愛人にされるところだったんだよ」
 
 幾分引きつった表情で、げっそりとした雰囲気のロマンが言った。
 
 あの時は娘さんに危うく女装させられそうになったし、と大きなため息をついた。
 『小さき希望亭』の宿の娘は、ロマンにとって天敵だ。
 隙あらば抱きつかれそうになるし、可愛い格好をするようせがむのだ。
 
 ラムーナが慰めるように頭を撫でてくれる。
 女顔を密かにコンプレックスにしているロマンであった。
 
 
 レナータは夕暮れの町並みを独り歩いていた。
 
 今日で19歳になる。
 前の年は『悠久の風亭』のマスターや女将さんが祝ってくれたが、今回は独りになりそうだな、とぼんやり思っていた。
 
 普段は買い物以外めったに外出せず、『蒼の洞窟』にいることが多いレナータだが、今日はなんとなく外に出る気になった。
 
 今まで独りでいることは平気だった。
 何とか生きてきたし、普通の人に精霊使いという珍しい力や感覚を無理に理解してほしいという気持ちでもなかった。
 孤独という状況には慣れていたはずだ。
 
 でも最近、ふと無性に寂しくなって思い出す人たちがいた。
 
 自分と同じ精霊使いとしての才能に溢れ、もうすぐレナータを凌ぐのではないか、と思わせる人物がいる。
 レナータに精霊術を学ぶため、『蒼の洞窟』に時々やってくる冒険者の若者である。
 
 最初の頃は気弱な気配があったその若者は、最近再会したときは瞳に自信がみなぎっているのを感じた。
 
 その若者とは共通の感覚や知識を持っていることから、あまりしゃべらなくても分かり合える、親近感のようなものがある。
 おそらくそれが“同属”の共感なのだろうとなんとなく思う。
 
 互いに理解し合える、同じ何かを持った者同士。
 
 言葉で表現するのはとても難しいが、その若者に精霊術を教えるときは自分の中の何かが刺激されてとても充実した気分になった。
 新しい精霊術を使えるようになって、嬉しそうに笑顔になったその若者を思い出し、レナータは頬を緩めた。
 
 他に親しい人、と言えば『悠久の風亭』のマスターと女将さんである。
 
 この都市に来たばかりの頃、真っ青な顔をした女性をかき抱いて教会の門を必死に叩いている大きな男の人がいた。
 
 女性はたちの悪い毒の病気にかかっていて、医者では手遅れの状態だった。
 生憎そのとき、この都市のほとんどの聖職者は近くの都市の式典にでかけていて、女性を救える神聖術が使える者はいなかった。
 
 教会の留守番をしていた助祭から、癒すことが不可能だと告げられた大柄な男の人は女性を抱いて泣いていた。
 
 レナータはその女性を、今の自分にとってもたった一度だけしか召喚できない水の精霊ウンディーネの力を用いて癒し、何とか救うことができた。
 
 大柄の男は『悠久の風亭』のマスターで、レナータが助けた女性は女将ラウラだったのである。
 
 マスターはラウラの命の恩人だ、と言ってそれからいつも良くしてくれる。
 女将のラウラにもあまった食材をくれたり、夕食に呼んでくれたりと優しくしてくれる。
 
 ぶっきらぼうで乱暴な口調だが正直で根は優しいマスターと、陽気でレナータの師を思い出させるラウラは、レナータにとって今では掛替えのない大切な人たちである。
 
 聖海教会で神聖術の指導をしているマルコ司祭も好人物である。
 
 紳士的で精霊術に関しても理解があるそのマルコ司祭は、何度か絡んできた他の聖職者からレナータを庇ってくれた。
 自分の信仰をしっかり持ちながら、違う考えとしっかり共存できるという思想。
 それを備えた聡明なマルコ司祭を、レナータは尊敬している。
 
 そこでレナータは独りの男を思い出して歩みを止めた。
 
「シグルトさん…」
 
 レナータは時々独り言のように呼んでしまう冒険者の若者の名を、大切そうに呟いた。
 
 不思議な若者だった。

 シグルトはレナータが暴徒に襲われていたとき助けてくれた。
 レナータより数ヶ月年上で、冒険者のリーダーをしていると聞いている。
 
 涼める場所を探していたというシグルトは、助けてくれたことを恩着せがましく言わなかったし、知り合ってからもレナータのことを根掘り葉掘り聞いたりしなかった。
 レナータはラウラの言葉で言わせればかなり美人なのだそうだが、シグルトはレナータが男から時折向けられて気持ち悪くなる好色な視線も気持ちも感じさせない。
 だが深く青黒い色の真っ直ぐな眼差しは、レナータを見つめるときはいつも優しい。
 
 男女の恋愛には疎いほうだと自覚しているレナータも、シグルトが魅力的な男性だとよくわかる。
 前にラウラがしてくれた話では、周囲の町娘たちが宿に集団で覗きに来て、マスターに怒鳴られて蜘蛛の子を散らすように逃げていったらしい。
 
 髪型はかなり無頓着みたいだが黒いそれは獣の鬣のように野生的に見えるし、北方出身だというその肌は女性でも羨ましくなるくらい白い。
 背が高くがっしりしているが、手足はしなやかで猫科の猛獣のように強靭でスマートな印象がある。
 顔立ちは女の子が騒いでも無理がないくらい端整で凛々しい。
 
 でもレナータは老いと一緒にあせてしまうそういった外見的な美しさにはあまり関心を持っていなかった。
 もちろんシグルトを含め、端整な顔立ちの男性は魅力的とも思うが、精霊という異形の存在と交信するレナータにとって、外面的なものはさして重要には感じられないのだ。
 
 だが、レナータは外見をおいて有り余る魅力をシグルトの内面に感じていた。
 
 レナータには精霊の力の動きを感じ取ることができる。
 
 レナータの直感だが、シグルトにもその才能がある。
 精霊使いであるレナータのそれほどではないが、シグルトは精霊を感じ取る能力を持っている。
 
 シグルトが周囲の精霊になんとなく気を配っているのがレナータにははっきり分かるし、精霊の多くがシグルトを好んでいる。
 精霊使いは性格によって精霊との相性があるのだが、シグルトのそれは稀有なものだ。
 彼は武具の精とも通じ合うことが出来るのである。
 
 金属、ことに鉄の精霊は孤高で気難しい。
 
 精霊使いは鉄の精霊が苦手なものも多い。
 鉄は他の精霊の力を弱くしてしまうのである。
 
 しかし鉄の精霊からも、他の精霊からもシグルトを嫌う気配はあまり感じなかった。
 
 シグルトは『蒼の洞窟』がとても落ち着くといっていたが、彼に向けられる精霊の好意を知れば納得がいく。
 『蒼の洞窟』は癒しを与えてくれる水の精霊たちの力で満ちているのだ。
 
 同じように精霊に愛される人物をレナータは何人か知っていた。
 主としてあげるならレナータの師、そして自分のところに学びに来る冒険者の青年である。
 
 レナータはシグルトと交流を持つうちに、この人物の傍らにいることがとても快いことに気がついた。
 おそらくは彼の周囲の精霊の動きのせいでもあるのだろうが、レナータの奥底にある何かがシグルトをとても好ましく感じさせるのだ。
 
 最近それが何かなんとなく分かるようになった。
 
「レナータ、よく憶えておいてね。
 
 精霊使いの本質とも言えるもの。
 それは自身の中にある精霊としての性質なのよ。
 
 生きている人間のなかにも、精霊としての性(さが)というか、核というか、そういうものが少ないけれどあるものなの。
 それを私たちの精霊術の系統では《霊格》と呼ぶわ。
 『霊格』という言葉にはもっと深く広い意味もあるから、仮に使う言葉だと思ってね。
 
 私は精霊術を学んだ師からこう教えられたわ。
 自身の《霊格》を高め、他の精霊のそれと同調するのが精霊との真の交感だって。
 
 自分を精霊と同じものだと覚り、同じような視点で精霊を感じること。
 私たちエルフみたいな、妖精と呼ばれる存在はほとんどそれが当たり前にできるから、優れた精霊使いが多いのよ。
 
 あなたはとても優れた《霊格》をもっているわ。
 
 でも、世の中にはその《霊格》がとてつもなく美しい人がいるの。
 多くは英雄や、後に超常的な仙人や神人になるって言われているのよ。
 
 世界という精霊に愛されているその人たちは、必ずしも精霊使いになるとは限らないけれど、困難や苦難を自分自身の努力と激しい運によって乗り切って、偉大な存在になるわ。
 
 そして精霊使いのあなたには出会えばきっと分かる。
 
 そういう人は側にいるだけで《霊格》に心地よさを与え、何かしてあげたい気持ちを起こさせるから。
 
 これをカリスマ、と呼ぶ人もいるわね。
 
 英雄が幼少期に死にそうなところを幸運で救われるのは、実は周囲の精霊が助けてくれるからだともいうわ。
 
 もっとも、私はそういう生まれたときからある才能や宿命一辺倒な考え方は、納得がいかないんだけどね…」
 
 レナータの師レティーシャの言葉である。
 
 おそらくシグルトは師の言うように《霊格》が常人離れして美しいのだろう。
 
 でも、レティーシャはこうも言っていた。
 精霊使いとしての究極は、精霊を深く理解し愛してあげることだ、と。
 また、《霊格》の美しいものは多くの場合、自分の運命を御しきれずに自滅したり不幸な最後をとげるのだとも。
 
 シグルトにとても惹かれるのはきっと、シグルトの《霊格》から受ける暖かな心地よさからなのだろう、とレナータは自己分析している。
 
 でもそれだけではなかった。
 
 シグルトはアレトゥーザにいるとき、頻繁にレナータの元を訪れ、親しくしてくれた。
 この間、お土産だといって陶器のカップをもらったとき泣きそうになるほど嬉しかった。
 
 シグルトの裏表の全く無い厚意が、孤独だったレナータの心の寂寥(せきりょう)を癒し、幸福感で満たしてくれた。
 内向的であまり必要なこと以外話さないレナータも、シグルトには気兼ねなく話すことができる。
 
 それは恋愛や依存といった感情とは違う。
 “親しみ”というとても単純な好意であった。
 
 レナータはそれを恋や愛、友情に昇華するほどシグルトを知らない。
 
 でも、レナータは感情云々は考えずに単純に思う。
 シグルトに逢いたい、と。
 
「シグルトさん…」
 
 呼ぶと名前に宿った精霊が応えてくれるような安堵感がある。
 
 シグルトにとってもレナータにとっても、癒し合う柔らかな“親しみ”が互いの心に宿っていた。
 
 
 見れば周囲が薄暗くなっている。
 
 レナータは寂しげな暗い苦笑を浮かべると、『蒼の洞窟』に帰ろうと踵を返し、途中で人の気配を感じて振り向く。
 
 そこには冷たい目の僧服の男と薄ら笑いを浮かべる数人のごろつきの様な男、そして独り剣を腰に下げた傭兵ふうの男がいた。
 
 僧服の男はよく知っている。
 聖海教会の保守派に属する侍祭でジョドといったか。
 上品な口調で話すが、気障で嫌味、レナータを目の仇にしている。
 前に絡まれたときはシグルトが追い払ってくれた。
 
 周囲のごろつき風の男たちに見覚えはないが、決して友好的な気持ちではなにだろう。
 
 そして傭兵風の男。
 その目を見てレナータは背筋が寒くなった。
 サディスティックな狂気を宿した三白眼。
 血を見なくてはいられない好戦的で悪辣な雰囲気。
 
 レナータの直感は警鐘を鳴らしている。
 今回はとてもまずいと。
 
 走って逃げようとして、喉に猛烈な圧迫感を感じ、身体が吊り上げられる。
 
 後ろから迫った男がレナータを捕まえ、腕で喉を締め上げている。
 次の瞬間、あげようとしたレナータの声が完全に途絶えた。
 
 見ればジョドが何か言い終わったような顔をしている。
 
 沈黙をもたらす神聖術【封言の法】である。
 捕まえられて気をとられた瞬間を狙われてしまった。
 
 これでは精霊を呼ぶことが出来ない。
 
 ごろつきたちがレナータに殺到し押さえ込む。
 口にはいつ【封言の法】の効果が切れてもいいように猿轡をされ、手足は男たちに押さえ込まれている。
 
 ジョドと傭兵風の男が近寄って来た。
 
 言葉が出ないし、身動きがまったくできない。
 レナータは毅然とした目でジョドを睨み見た。
 
「ようやくこれで魔女の征伐が出来るというものです。
 
 この間はおかしな男が邪魔をしましたが、今回はあの男に備えて準備をしたというのに、取り越し苦労だったみたいですね」
 
 周囲を調べた後、ジョドは汚物でも見るような蔑んだ目でレナータを見た。
 
「ジョドの旦那~
 
 俺は殺しが出来るっていうから、張り切ってやってきたんだぜぇ。
 
 これじゃぁ、俺の滾る血がおさまんねぇぜ」
 
 傭兵風の男は剣を抜いたり戻したりして不愉快な金属音を立てながら言った。
 
「まったくだぜ。
 
 これじゃ、安い金で請け負った意味がねぇ」
 
 頭を太い腕でかきながら、ぼさぼさ頭の盗賊風の男が出てくる。
 この腕はさきほどレナータを押さえ込んだものだ。
 
「そんなことを言われても、報酬以上は払いませんよ。
 
 いいから早く魔女を殺しなさい」
 
 ジョドは苛々したように2人に命じた。
 
「…ちっ。
 
 つまらんぜぇ」
 
 そういって剣に手をかけた傭兵風の男は、レナータを見下ろして剣を抜くのを止め、歯茎をむき出して凶悪に嗤う。
 まるで虫を分解する子供が、新しい遊び方を思いついたように。
 
「なぁ、ジョドの旦那~
 
 魔女にはやっぱり罰を与えなきゃいかんだろ?」
 
 それを聞いた盗賊風の男も手を打って頷く。
 
 男たちを見ていたジョドが、なるほど、と頷いた。
 
「分かりました。
 
 この魔女を責め、その後に殺しなさい。
 
 …手段は問いませんよ」
 
 男たちはニヤニヤ好色そうに嗤っている。
 
 レナータは若い女で、周りは悪漢たち。
 つまり、レナータは男たちの慰み者にされて殺されるのだろう。
 
 悔しさや悲しさと一緒に、レナータの心にどっと虚しさが押し寄せる。
 自分の今まではこんな奴らに汚されるためにあったのか、と。
 
 この格好では抵抗すらろくに出来ないだろう。
 
 せめてこいつらを喜ばせるような表情だけはすまい…
 レナータはぎゅっと目を閉じる。
 
 男の一人がベルトの金具を弄る音がする。
 きっとさっきの盗賊風の男だろう。
 
「へへへ、白くて綺麗な肌だねぇ~」
 
 男が生臭い息を吐きかけて、レナータにのしかかってきた。
 
(…シグルトさん!!!)
 
 心の中で最後にもう一度会いたい男の顔を浮かべ、その名を呼んだ。
 
「…じゃ、いただきま、ふぐぇ!!!!」
 
 鈍い音と共に、レナータの上に乗っていた重さが無くなる。
 恐る恐る目を開けると、先ほどの男が股間を押さえて泡を吹いて、レナータの横に転がっていた。
 
 バキッ!!
 
 レナータの腕を押さえていた男が転がりながら転倒する。
 彼女の側に、奴らの中には無かった逞しい足がしっかりと踏み下ろされていた。
 
 男たちがレナータから離れて得物を抜く。
 
「…やっぱり来ましたか!」
 
 ジョドが目を血走らせて怨嗟の視線で睨みつけている。
 
「…もうするなといったぞ、俺は」
 
 底冷えするようなよく通る恫喝の声。
 その声も、この頼もしく長い足もレナータはよく知っている。
 
「すまん、遅くなったな」
 
 完全に日が沈もうとしている瞬間、見えたのは心配そうにこちらを見つめる深く青黒い双眸だった。
 
(…シグルトさん!!!)
 
 大地をしっかり踏みしめ、レナータを背に庇うように立ったシグルトは腰の剣を抜き放つ。
 
「…こんな奴らにお前を振るうのは気が引けるな、相棒」
 
 そういったシグルトに応えるように、その鋼は澄んだ咆哮を上げた。
 
 叩き潰すような一撃だった。
 鎖骨を砕かれたちんぴらの1人が白目を剥いて失神する。
 
「…ふむ、確かに斬り難いな」
 
 シグルトの凄まじい膂力はチンピラの肩にあった金属製の防具ごと、骨を粉砕したのである。
 
 チンピラたちは蒼白な顔立ちで退いた。
 
「おお、すげぇ。
 
 強いって噂だったが、お前“風を纏う者”のシグルトだな?」
 
 チンビラの間から傭兵風の男が出てくる。
 
「俺は雑魚とは違うぜぇ!!!」
 
 鋭い踏み込みをした傭兵風が重い斬撃を放つ。
 シグルトがそれを剣で受け止める。
 
 ガイィィィィン!!
 
 闇に赤い火花が散る。
 一合、二合と打ち合う刃と刃。
 
「ハッハァッ!!
 
 いかすぜ、あんた。
 違うぜぇ、前殺した奴とはよぉ!!!」
 
 シグルトが防戦一方になる。
 傭兵風はかなり腕が立った。
 
 そんな中、閃光がシグルトの脇腹を打つ。
 
「ぬぅっ!」
 
 数歩後退してシグルトが脇腹を押さえている。
 その手のひらの間から血が滴っていた。
 
「…旦那~、いいところなんだから邪魔せんでくれよなぁ」
 
 そう言いつつ傭兵風は額の汗をぬぐっている。
 勝負はかなり膠着していたのだ。
 
 レナータは、はっとして猿轡を外そうとするが手足が思うように動かない。
 体重をかけられて押さえられていた手足はうっ血して痣になり、痺れている。
 レナータは必死に猿轡の縛り目を手でこすって外そうとするが、固く結ばれたそれは解けない。
 
「何をやっているんです!
 
 早く倒しなさい、人が来るでしょう!!」
 
 ジョドが叫ぶと傭兵風はやれやれ、興が冷めたぜ、とちんぴらに命じてシグルトを囲ませる。
 
「わりぃな、雇い主がうるさくてよ。
 
 あの魔女のねぇちゃんはたっぷり可愛がってから、おめぇの後を追わせてやっから…死ねや!」
 
 ちんぴらたちがシグルトへの距離をつめる。
 
 レナータは声にならない叫びを猿轡の下から上げそうになった。
 だがその頬に張り詰めた精霊の気配を感じ、驚いてそちらを見た。
 
「…死ぬのはお前らだ!
 
 風の友よ、奴らを薙ぎ払え!!!」
 
 突風が吹き、ちんぴらたちが血煙を上げて倒れる。
 
 剣を構え、その若者はレナータとシグルトを庇うように立った。
 
「ニコロさん!!!」
 
 ようやく緩んで外れた猿轡。
 レナータは青年の名を呼んでいた。
 
「『悠久の風亭』のマスターに、レナータさんを呼んできてくれって頼まれたから来たんだけど、あいつら…
 
 待ってて、今やっつけ…うわっ!」
 
 ニコロと呼ばれた若者を護っていた風の障壁が軋む。
 傭兵風が襲い掛かってきたのだ。
 
「ちぃ…おかしな魔法を使いやがってぇ。
 
 俺の必殺剣で真っ二つにしてやるぜ!」
 
 その構えを見てニコロの顔の血が引く。
 
(やばい…【居合斬り】だ!)
 
 リューンの闘技場でも教えている剣技だが、威力は凄まじい。
 直撃したら【風刃の纏い】の風の障壁でも護りきれないだろう。
 
「おらぁぁぁぁ!!!」
 
 傭兵風が振るう空を切り裂く刃。
 
 ギシィィィィン!!
 
 だが放たれた剣閃を若者の前に割り込んだシグルトががっしりと剣で受けた。
 負傷した状態で行った防御は力が入らなかったのだろう、数歩下がり脇腹から血がしぶく。
 
 距離をとって傭兵風が舌打ちして距離をとる。
 そのシグルトを白い閃光が打ち据える。
 
「っ!!」
 
 肩で受け、何とか耐えるシグルト。
 
「くそ、あいつら…」
 
 ニコロが魔法を使おうとすると、シグルト素早く声をかける。
 
「俺が一回だけ敵の攻撃をひきつける。
 
 そこを君の魔法で薙ぎ払えるか?」
 
 初めてその目を合わせる。
 2発の【聖なる矢】を受けてなお、男の青黒い目は静かな闘志を宿していた。
 
「はい、でも大丈夫ですか?」
 
 その応えにシグルトはニッと笑うと剣を構えて敵陣の真っ只中に踏み込んだ。
 
 どう見てもそれは自殺行為だった。
 レナータが悲痛な声でシグルトを呼ぶ。
 
「おめぇ、格好つけて馬鹿か。
 
 まぁいい、おめぇら!」
 
 ちんぴらたちが一斉にシグルトに襲い掛かる。
 
 ニコロが風の精霊を従えつつ、まずい、と思ったとき、唐突にシグルトの姿が消えた。
 
「…ぁぁぁがあぁっ!!!」
 
 そして身体をくの字に曲げた傭兵風が驚愕の顔でシグルトを見ている。
 信じられない速度の踏み込みだった。
 シグルトのとっておき、【影走り】である。
 
 反撃しようと剣を振り上げる傭兵男の顔面を、シグルトの手にある鉄塊の平が殴打した。
 
 豪快な音を立てて倒れる傭兵男を見つつ、シグルトは眉をひそめた。
 
「くそ、血で滑った…」
 
 舌打ちするシグルトの後ろで、ニコロの放った風の精霊の刃がちんぴらを残らず薙ぎ倒していた。
 
「ば、ばかな…」
 
 ジョドが真っ青な顔で後ずさっていく。
 シグルトはずかずか歩いていくと、腰の引けているジョドの腹を無言で殴りつけた。
 
 口から吐瀉物を撒き散らしつつ、転がったジョドをシグルトは引き起こし顔面を数回張る。
 
 惨めな顔で震えているジョドを放り出し見下ろすシグルト。
 
「今度レナータに手を出そうとしたら、他も全部へし折って海に捨てる…」
 
 シグルトは容赦なくジョドの右手を踏み砕く。
 その手に隠し持ったナイフが握られていた。
 
 泣き喚いているジョドを殴って気絶させると、シグルトはレナータたちのところに向かった。
 
「…レナータ?」
 
 ニコロと呼ばれた若者がレナータを助け起こしていた。
 やってきた痛々しいシグルトの脇腹と肩口の傷を見てレナータはぽろぽろと涙を流していた。
 
「…あの、大丈夫ですか?
 
 薬を持ってますけど使いますか?」
 
 ニコロが言うとシグルトは、たいした傷じゃない、といって苦笑いして見せた。
 
 レナータがすぐに水の精霊を呼び出してシグルトの傷を癒し始める。
 
(痛くないわけ無い。

 【魔法の矢】にも匹敵する攻撃を二発も受けてるんだ、同じ状況ならうちのオーベだってきついだろうな…)
 
 そう言いつつ、あらためてシグルトを見たニコロは、噂通りの外見にそれが誰だか理解した。
 
(この人が“風を纏う者”のシグルト…)
 
 会った人は見れば分かるといったが、その通りだった。
 美しいが、それ以上にものすごい存在感がある。
 
 そしてニコロは不思議とこの男を信頼してしまう安堵感のようなものを感じていた。
 
「…どうして、どうしてこんな無茶をしたんですか!!」
 
 レナータが怒ったようにシグルトの胸を叩く。
 傷は彼女の精霊術で綺麗に消えていた。
 
「無茶といってもな…
 
 敵が強かったし、君に大きな怪我が無くて俺は不幸中の幸いだと思ってるくらいなんだが」
 
 泣かせるつもりは無かったんだ、とほつれたレナータの前髪を整えて、シグルトは優しそうな目で触れている精霊術師の娘を見つめていた。
 
「でも、でも…」
 
 そう言って首を振るレナータにシグルトは頭をかくと、意を決したようにレナータの首に何かかけた。
 
「あっ…」
 
 声を上げてレナータはそれを見る。
 小さな女神をかたどった細工のペンダントだった。
 女神は手に小さな石を抱いている。
 瑠璃(ラピスラズリ)の欠片だろうか。
 
「これからずっと君に幸運がありますように…
 
 19歳おめでとう、レナータ。
 俺の用事は、君に今日中にこれを渡したかっただけなんだ」
 
 先ほどの鬼のような強さを欠片も見せず、シグルトは穏やかに微笑んだ。
 
「そうだ、マスターがレナータさんの誕生祝いをするから連れてこいって…」
 
 それを聞いたレナータは、涙をぬぐうと大切そうにぎゅっとペンダントヘッドを握って頷いた。
 
 安心したようにシグルトは息を吐くとニコロの方を見る。
 
「礼が遅れてすまない。
 
 俺は冒険者パーティ“風を纏う者”のシグルトという。
 
 助けてくれてありがとう」
 
 そういって頭を下げたシグルトに、ニコロも自己紹介する。
 
「“風を駆る者たち”のニコロです。
 
 噂は伺ってます。 
 
 会えて光栄です、シグルトさん」
 
 シグルトは、君が、と言って大きく頷く。
 
 2人はどちらかともなく互いの手を差し出し、しっかりと握手する。
 
「敬語はいいさ。
 
 同じ冒険者同士、気軽に声をかけてくれると助かるよ」
 
 シグルトはそういうとレナータを見て歩けるか?と聞く。
 
 レナータは歩き出そうとして顔をゆがめた。
 足を捻ったのだろう、少し腫れている。
 
 シグルトはさっと応急処置をすませるとレナータを抱き上げた。
 びっくりして、降ろすように言うレナータに、この方が早いと黙らせると、ニコロにも急ぐよう催促する。
 
「レナータの誕生日は数時間しか残ってないが、こいつらを自警団に突き出して話していたら夜が明けてしまうからな。
 
 死んだ奴も、死にそうなやつもいないみたいだし、退散したほうが得策だと思うんだが?」
 
 それに、こんなむさ苦しいやつらに構うのは時間がもったいない、と続ける。
 
「言えてる…」
  
 2人は頷き合うと、『悠久の風』に向けて足早に歩き出した。
 
 これこそが後に語られる“風を纏う者”と“風を駆る者たち”2つの風の最初の交差、眠れる両雄の邂逅である。

 
 
 大変長らくお待たせしました…
 
 ついに、ついにシグルトとニコロの邂逅です。
 一応シグルトは今回の主役なので、順番が先になってごめんなさい…
 
 長かったです。
 書いてるうちにキーボードが軋んで鈍くなりました。
 
 ええと、Martさんごめんなさいっ!!!(土下座)
 
 レナータの誕生日と年齢、勝手に使っちゃいました…
 
 Djinnさんも、ミスリルとか魔剣とか、かなりこっちで解釈して薀蓄をたれてますが、ご勘弁~
 
 ミスリルは指輪物語っぽく高価にしました。
 話中のミスリルの鎖帷子のモデルは映画でフロドが着てたアレです。
 
 カドゥケウス、ウィキペディアに載ってる記事を参考にして勝手に内容変更してます…苦しいですね。
 
 今回は設定狂気質が暴走してました。
 
 気合入れて書きましたが、更新されたMartさんのブログに合わせて急遽マルコ司祭を使ったり、口調がはっきり分からないニコロをぶっつけ本番で使ったり…無理と無茶がたたって、気がついたらPCの前で爆睡していたという恐ろしい状況に…
 
 次回は何とかもう少し早くあげるようにしますね。
 
 それとレナータ、怖い思いをさせてごめんね~
 
 シグルト、美形すぎる描写ですが、どうか嫌わないであげてください。
 こいつが美形だったり、心憎い行動をするのは思いっきり天然なので。
 プレゼントアタックも、彼なりの素朴な好意の行動ってことで。
 
 次はレベッカ姐さんと、ユーグがクロスの予定です。
 レベッカ姐さんのファンがいらしたら、彼女の過去が語られます。
 
 次回も楽しみにしてくださると、いいなぁ…
 
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この記事のコメント

こんにちはm(__)m

私の心を、直撃しました!シグルトさんかっこよすぎです。しかも絶妙のタイミングで影走りを使うなんて、最高です。傭兵風の男が意外と強かったので、もしかしたら負けてしまうのでは!?と思って、ひやひやしていましたが最後はかっこよく勝ってくれて、良かったです♪


ニコロさんも、かっこよかったです。特に「・・・死ぬのはお前等だ!」のところは、思わず声に出して読んでしまいました(汗)

悪役で、嫌な奴でしたが傭兵風の男も魅力的でした。(人間的魅力ではありません)居合い斬りが使えたり、「いかすぜ、あんた。」の辺りに修羅場を潜ってきている雰囲気が出ていて、良かったです。

ふと思ったのですが、ちんぴらは没個性が個性なのでしょうか?

次は、レベッカ姐さんですね♪
「ね、姐さ~ん!」と言って、飛んで行きそうなくらい楽しみです。
ユーグさんも、出てくるそうなので楽しみです。

レナータさん誕生日おめでとう!!

お疲れ様でした。それでは、失礼いたします。
2006-06-30 Fri 11:47 | URL | らっこあら #mQop/nM.[ 編集]
連日、密度の高い文章お疲れさまです。
すごいバイタリティ。
しかも今回は、ちょっと焦ってしまうくらい良かったです。

無理なく”風を駆る者たち”のニコロを登場させて、
それを好印象にまで持っていってくれましたね。
レナータの可愛らしさも、シグルトの人の良さも、さらに感じられました。
その輪郭を掘る速度や切り口が自然であるがゆえに、
キャラクター像もまた自然に浮き彫りになって、
気が付けば彼らが自分の中に佇んでいる。活き活きと動いている。
Y2つさんはその辺の力具合がとても上手ですね。

(ノД`)うぇん クロスオーバーってこんなに魅力的なのか。
僕も負けじと新しいパーティを作って、メモを取ったりもして居るんですが、
メンバーはライラック、ナルシウス、ブレッゼン、マジョリカ、ミラー、レモンと
年代が錯誤する奴らなんです。(´・ω・`)ショボーン
ブレッゼンが現役の頃の物語なんてクロスオーバーできないじゃあああん(T-T)

僕は一人で細々とリプレイを進めます……
はーうらやましい あーうらやましい
2006-06-30 Fri 15:52 | URL | Djinn #I9hX1OkI[ 編集]
 お2人とも、ようこそです。
 
 今回は編集するのにかなり手間がかかりました。
 手探りの部分が多かったので。
 
 少ない脳みそをフル回転したので頭が煙を吹いてます…
 
>らっこあらさん
 傭兵風の男、レベル4の豪傑型といったところです。
 習得技能は【居合斬り】と【薙ぎ倒し】。
 利己的、過激、混沌派といった感じでしょうか。
 
 まだ死んでなにので、出るかもしれません。
 
 ちんぴらは名なしの1レベル。
 ASK絵の有名なあの連中です。
 今回は人数あわせで、ニコロに一掃されちゃったかわいそうな連中です。
 ちんぴらの個性を表現しだすとたぶん文章が二倍ぐらいになっちゃいますので御勘弁を。
 
 実はレベッカ編、ほぼ出来ています。
 今日中に暇見てUPしますね。
 
>Djinnさん
 無茶しちゃいけません。
 腕がつりました、今回は。
 
 クロスは歴史という形でも可能です。
 ブレッゼンが過去を語る短編リプレイをするとか、私が今回でっち上げた戦争云々をやるとか。
 Djinnさんの小説は楽しいので、読んでみたい気もします。
 
 最近自身が3人ほどほしいです。
 文章書くの、遅いです私。
 
 うがぁ~、スキルも作りたいのにぃ~
 
 壊れそうなのでとりあえずこのあたりで失礼致します。
 
 次回もちょっぴり楽しみにしてもらえると嬉しいです。
2006-07-01 Sat 02:16 | URL | Y2つ #TIXpuh1.[ 編集]

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2006-07-04 Tue 22:05 Vento di Levante
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