『解放祭パランティア』

2009.06.11(21:08)

 カルバチアからリューンに帰還した“風を纏う者”は、拠点である『小さき希望亭』で久しぶりにゆったりとした一日を過ごしていた。

 仲間たちがくつろぎながら眺める横で、訪ねて来た冒険者に、シグルトが戦い方の指導をしていた。
 面倒見の良い、彼らしい光景である。
 
 その冒険者とは他の宿出身の女性で、ディーサという。
 まだパーティを組む前で、心得を教えてほしいとシグルトを頼って来たのだ。
 
 シグルトたち“風を纏う者”は今やちょっとした成功者である。

 宿の親父も、彼らの隆盛に気を良くして、他のパーティにはくどいほど言う小言を一言も言わない。
 むしろ、先輩冒険者として頼りになりつつあることを喜び、初心冒険者の教導を任せようと言い出すほどだ。

 親父の期待に、一番応えようとしたのはシグルトである。
 放浪してボロボロだった彼を拾ってくれたこの宿に対し、シグルトは恩義と義務感の様なものを抱いていた。

 面倒見の良いシグルトは後輩受けも好かったが、剣術の指導に関しては後輩泣かせで有名にもなっている。
 普段優しく紳士的なシグルトは、戦闘指導において全く容赦しなかった。
 
 舐めた気持で冒険者になろうという者は、シグルトの厳しい洗礼で半数以上が辞めて行ったほどである。
 
 だが、宿の親父はシグルトの指導法をとても支持しており、先輩冒険者たちもシグルトの指導の上手さに納得している。
 彼の指導は厳しいものの、決して後輩を軽んじたものではなく、身になることばかりだからだ。

 シグルトの指導を受け、冒険者を続けることを選んだ者は口を揃えて、シグルトへの感謝を口にする。
 そして彼の指導が原因で冒険者を辞めた者の幾人かも、現実を知ったから止めたのだと彼を評価していた。

 剣の稽古では、鼻血を吹いたり青あざだらけになる後輩たちであるが、その後の戦い方はがらりと変わる。
 最初の冒険で死ぬものも多いのだが、シグルトの教導を受けた後輩パーティは概ね最初の依頼を成功させ、全員が生還するのだ。

 戦闘経験が皆無だというディーサに、シグルトは護身術を叩き込んでいた。

「…女の冒険者が気をつけなければいけないのは、髪の毛だ。
 実戦でこれほど掴みやすい部分は無い。
 
 髪の毛は掴まれると痛いし、屈辱感から逆上したり、混乱する場合も多いんだ。

 だが、上手く使えば敵を倒すきっかけにもなることを覚えておくといい。

 髪の毛は頭の近く、すなわち身体の高い部分にある。
 それを掴んだ腕は、必然的に掴まれた者の頭より高い部分に固定されるんだ。

 ここで、髪を掴んだ相手の腕を逆手で巻くように固定する。
 相手の腕は、髪を掴むことで〝髪に引っ張られる力〟が働いているから、片手でその肘を極めることで力が少なくても腕を封じられるだろう。
 
 その上で、腕を上げたままがら空きになった脇の下に、身体を捩るように肘先から体当たりし、極めた腕わ絡め込む様に押してやる。
 脇の下は鍛え難いから、かなりの痛みを与えられるし、相手は慌てて髪を放そうとするだろう。

 その離れようとする力に、押す力を加えてやれば、相手を転倒させることだって出来る。

 弱点になる場所は、狙わせて相手を絡め取る餌にすること。
 そのくらいの強かさがあって、初めて怪物や悪党の相手が出来るようになる」

 シグルトの講義に、場に居合わせた他の冒険者も興味深そうに耳を傾けていた。

「力任せの相手には、脱力して身を任せると一瞬だが動きを封じられる。
 
 人の身体は動いてる時の方が、軽くなるんだ。
 例は悪いが、死体や気絶した人間を持つのと同じ原理だ。
 動こうとする者は、逆らうことで返って相手に力を与えてしまう。

 相手がオーガの様な怪力ならば別だが、成人男子程度の体格であれば、この戦術はなかなか役立つはずだ。

 あと、耳や鼻といったでっぱた部分を掴んで体重をかけてやるだけで、相手は悲鳴を上げて離れようとする。
 女性にこんな事を言うのは失礼だろうが、案外身体は重いものなんだ」

 丁寧に状況を説明しながら、シグルトは体重をかける場合の姿勢を実演する。

「こういった動作は、休憩時間にでも反復して、咄嗟に使えるようにしておけ。

 身体は積み立てた行いに正直だ。
 裏切られないように、磨いておくんだぞ」
 
 最後にそう締めくくると、シグルトは軽くディーサの肩を叩き、頑張れと励ました。
 
 頬を赤らめ、嬉しそうな顔で宿を出て行くディーサを見送ると、シグルトはカウンターに座って水を一杯頼む。

 シグルトは、昼間であれば付き合いでもほとんど酒を飲まない。
 飲むならば、かなり強いのに、である。
  
 仲間には強制しないが、小さな摂生を繰り返せば息災が保たれるのだとシグルトは言う。

 それは、ばれないように気を使いつつ、自身の故障を隠しているためでもある。
 足の腱が切られ、思うように動けないシグルトは、徹底した身体操作によって、高い戦闘力を発揮出来た。
 
 必要ならば敵の身体を杖代わりとし、不自由な身体の脱力すら力に変える。
 世の中にある無駄なものは、使わず無駄にしているだけ、というのが彼の持論だ。
 
「相変わらず見事な指導だな。

 あの娘が指導料を宿に払ってくれたから、向こう3日は宿代はチャラだ。
 お前たちみたいにツケ無しで優秀な奴ばかりだと、俺も楽なんだがな…」
 
 親父が苦笑しながら、ややぬるい水を出す。
 冷えは案外身体を疲れさせるから、普段は生ぬるい水で十分だとシグルトが言うからだ。
 そうやって不快な環境に慣れておくことで、冒険中に野外生活が長くても、シグルトは特別我慢強かった。
 
 泥水、生水を煮沸して腹を壊さないようにすれば、どうしても温くなる。
 革袋に入れた水は、革臭い上に体温や陽光のせいで閉口するほど不味いものだ。

 自身のモチベーションを維持するためにも、苦境になれることは大切である。
 
 シグルトのこういった実践的さ姿を見習う後輩も多く、そういった若手は軒並み良い結果を出していた。

 宿の親父としては、目論見以上の成果が得られ、頬の緩みを抑えられない。
 定例で冒険者の宿の主人たちが集まる会合があるのだが、“風を纏う者”の活躍ぶりは、良く話題に出て羨ましがられるのだ。

 冒険者家業は信用第一だ。
 口コミや実績こそが、良い宿を経営する上で重要になる。

 リーダーシップの強いシグルトは、カリスマ性とその美貌、そして武骨ではあるものの誠実で人の好い性格から、それを慕う後輩が非常に多い。
 彼の先輩にあたる人物たちは、決して増長しないシグルトの姿勢を高く評価しているし、実力は御墨付きだと言っている。
 同輩では中心人物としてまとめ役的な立場になっている。
 気難しい新人や、古参の偏屈者でも、シグルトが間に入ると話がまとまる。

 もう少し実績を積めば、間違いなく『小さき希望亭』一番の看板冒険者になると、誰もが認めていた。
 
 手放しに評価されながらも、シグルトは難しい顔で「俺の様な新参者が、そこまで評価されるのは大げさだ」とやや謙虚である。
 先輩の顔を立て、同輩、後輩にもチャンスを回す義理堅さで周りには応え、嫉妬や嫌がらせには堂々としている。
 
(完全無欠って言や大袈裟かも知れないが、シグルトに関してはそう評価しても皆納得するだろう。

 本人は首振って、〝俺は欠点だらけだ〟とでも応えるんだろうがな…)

 最近の親父は、シグルトを見本に理想的な冒険者を語るようになっていた。
 
 他の宿から「仁義云々がなければ席を移してほしい」との話も多い。
 親父としては手放す気などさらさらないが、義理堅いシグルトにそういった心配は無用だ。
 
 他の宿で難解な仕事があれば、“風を纏う者”に話が来るようにもなった。
 シグルトは、他の冒険者との衝突を避けるために、断るか信頼出来る冒険者に仕事を回してトラブルを避けている。

 仕事のバッティングを避けるために、出張を繰り返して、他の都市でも活躍しているらしい。
 それが、結果的に“風を纏う者”の名声を高めることになっていた。
 
 他に“風を纏う者”でもう一つ話題となっているのが、レベッカのことだ。

 冒険者歴がそこそこにあったにも関わらず、レベッカは怠惰で仲間も作らずに腐ってばかりいた。
 だが“風を纏う者”に所属するようになってから、水を得た魚の様に結果を出している。

 本来レベッカは、盗賊ギルドから再三スカウトが来るほどの凄腕だ。
 最近までは腐って飲んだくれてしたので腕はかなり落ちていたが、彼女がかつて盗賊ギルドで下層の幹部職に就いていたことは、同業者では周知の事実である。
 その頃世話になったという者が多数おり、若手の盗賊で元スリやギルド出身の盗賊たちは、彼女には頭が上がらないという者も多かった。

 シグルトが腹黒くなれない部分をレベッカがサポートするため、5人というメンバーで驚異的な結果を出すことに繋がっている。

 “風を纏う者”の実績と言えば、初心冒険者が何人も死ぬというオーガ…話では年を経た狡猾で恐ろしい上位種を…相手にその討伐を成功させてしまった。
 
 それにシグルトは、伝説的な工匠に認められて、その武具の所持を許された。
 彼のブレッゼンから魔剣所有の試練を許された冒険者は、数えるほどしかいない。

(…嬉しい限りだが、成長が早過ぎだ。

 シグルトはまだ十代、レベッカだって二十の半ばだぜ。
 変な失敗して躓かなければいいんだが)

 時折そんな心配もするが、“風を纏う者”なら大丈夫だろうと信頼もしていた。


「…お前たち、仕事も落ち着いて、懐にも余裕が出来て来たんだろ?

 どうだ?
 明日はリューンでも最大規模の慈善市が開かれる。
 
 技能書や武具だって掘り出し物があるから、羽を伸ばしに出かけてみてはどうだ?」

 “風を纏う者”が、夕食のシチューを啜っていると、親父がそんな話を持ちかけて来た。

「あら、もう『パランティア』の時期が来たのね?」

 リューンでの生活が長いレベッカは、したり顔で頷いた。

「レベッカ、『パランティア』ってなぁに?」

 事情を知らないラムーナが小首を傾げ尋ねる。
 清貧な生活に慣れているラムーナは、そもそも買い物という行為そのものに疎いのだ。

「このリューンで、年に一度開かれる商人たちの祝祭よ。

 『中つ国の伝説』に登場する7つの魔石パランティーアから名を貰ったていう、大きな慈善市が開かれるの。
 遠見の石として伝わるパランティーアは、多くの地を見通し、互いが繋がっていて連絡を取り合うことが出来るという話。
 
 この祝祭では旅商たちが一堂に集って、様々な商品を網羅するからこの名で呼ばれるらしいわ。
 まあ、単純に解放…叩き売りやるって話みたいだけどね。
 
 そこから出た儲けから、慈善金がでるわけ。
 孤児院や教会に寄付されるお金だから、貴族や教会からも庇護を受けて、税金無しで商売が出来るのよ。

 捻出される慈善金が税金代わりなんだけど、商業ギルドや都市に納める税金が免除された上で、売上からお金を出すことになってるからリスクは少ないわ。
 特に露店を生業にする旅商にとっては、大きなチャンスになるのよ。

 お祭りまで金儲けするなんて、商人たちはがめついわよねぇ」

 レベッカの説明に、「お前には負けるわい」とスピッキオが突っ込む。
 
「うるさいわねぇ。

 私のちゃんとした管理があるからこそ、あんたたちは無駄遣いしないで毎日の美味しい食事にありつけるんじゃない。
 お金で全てが賄えるとは言わないけど、出来ることだって多いんだから。

 おっと、話を戻すわね。

 『解放祭』なんて呼ばれてるこのお祭りでは、最近便乗して教会のバザーも開かれるみたいね。
 一日で回り切るのはとても無理よ。

 商品の当たり外れはあるけど賑やかなイベントだから、一生に一度ぐらいは見に行っておくべきだわ」

 レベッカの説明に、ラムーナは好奇心で目を輝かせた。
 この辺り、やはり年相応の少女である。

「行くなら僕も付き合うよ。
 パランティアは、四海の珍品が集まるんだ。

 それはつまり、四海の英智も集まるってこと。
 賢者としての知的好奇心からも、是非行くべきだと主張するね」

 ロマンも乗り気である。
 
 シグルトは、偉ぶっているが子供らしいロマンの態度に頬を緩めた。

「ふむ。
 
 わしも元は商家の生まれじゃからの。
 見聞のために、一度見てみたいと思っておった。
 
 加えて、バザーも開かれるというなら、それに応えるのも大切じゃて」

 反対意見が無かったので、シグルトが「決定だな」と話をまとめる。

「いいわねぇ。

 せっかくだし、商人どもと久しぶりにやり合ってみようかしら?」

 自身の商魂を刺激され、レベッカがにやりと笑う。

「…大概にしておけよレベッカ。

 お前に破産させられた悪徳商人が、うちの宿の悪い噂を流した時は迷惑したんだからな」

 親父の突っ込みに「分かってるわよ~」と、レベッカは小さく舌を出した。
 
 
 次の日…
 
 あちこちで露店が開かれ、客寄せのために雇われた旅芸人たちが、自慢の芸を披露していた。

 火吹き芸人の吐く焦げた油の臭気に並行しつつ、6人の冒険者が買い物を楽しんでいた。
 “風を纏う者”とともにリューンで名が知れつつある冒険者パーティ“風を駆る者達”である。

 多くの人が集まり大した喧噪だが、商人たちの声はそれを越えて響き、露天市場を飛び交っていた。

 武具を買う者、書物を抱える者、大きな袋を引き摺りながら歩いている者。
 ここに訪れた誰もが、何かしらお気に入りの品物を見つけて購入しているようだ。
 
「いつ来ても、凄い人だかりね」

 南方大陸出身者としての黒い艶やかな美貌を陽光に晒しながら、魔術師ガリーナが「私はこういうの苦手なのよ」といった顔で、腰に手をあてながら1人ごちた。
 南方の黒き民であるガリーナは、奇異の目で肌を見られるのが嫌なのか、こういった賑やかな場所はあまり好かない。

「へへ、俺は好きだぜ。
 
 昔は結構稼がせてもらったしよぉ」

 ユーグが眼を細めて、にやりとする。
 細身の狡猾なこの盗賊は、惚れたガリーナに好い所を見せたくて仕方無いらしい。

「ふ~ん、ユーグってここでお店出したことがあるの?」

 冒険者としては場違いな可憐な少女エイリィが、何とも純朴そうな質問をしていた。
 こういう態度が子供っぽいと言われては拗ねている、背伸びしたいお年頃である。

「ふん、どうせぼったくりの店をやっていたか、スリでもしておったんじゃろ。

 このコソ泥が、まともな理由で此処に来ておるわけがないわ」

 ドワーフの戦士であるオーベが、図太い樽の様な身体を揺すりながら、嘲るように言った。

「…フン」

 途端、面白くなさそうにそっぽを向くユーグ。

「図星じゃな」

 してやったり、とオーベが嘲笑した。
 
 ユーグはますます不機嫌になって、終いには芸人に絡み出した。
 その横で彼らを宥めるのは、仲裁役が板についているレイモンである。

「あなたも何とか言って下さい、ニコロ。

 まったく、困ったものです」

 ストレスから、元々の厳しい顔にさらに皺を増やし、レイモンは疲れたように項垂れた。

「あはは…ま、いいんじゃないかな。

 せっかくのお祭りなんだし」

 頼り無げな返答をしつつ、ニコロは半ば商品の方に気を取られている。 

 リューンで年に一度開かれるという慈善市『解放祭パランティア』。
 
 “風を駆る者達”はこの大規模な市を訪れていた。
 
 会場は大きく3つに分かれていて、それぞれ武具区・道具区・書物区に分かれている。
 どの地区も世界中の様々な地域から人々が訪れていて、時にとても貴重な品や奇妙な品が置かれているという。
 
「さぁ、行くわよ」

 ガリーナが無理矢理ユーグの手を引いて書物区へ向かう。
 どうやら荷物持ちをさせるつもりらしいが…手を繋がれたユーグは心持幸せそうだ。
 
「では、ワシらも行くとしようかの」
 
 オーベが呆れたように先導し、残りの4人もそれぞれに目当ての地区へ向かって散っていった。


 一方やや遅く『小さき希望亭』を出立した“風を纏う者”は、賑わう市を前に圧倒されていた。

「凄いな…
 俺の故国でも年に一度、建国記念の祭りがあったが、ここまで賑やかじゃなかった。
 
 西方の要衝たるリューンの祭りとは、こうも規模が大きいのか」

 国家級の大きさを誇る大都市だからこそ、この規模なのでである。
 
 シグルトの故国は、歴史こそあるが小国だった。
 首都の大きさを、西方でも最大級の交易都市であるリューンと比べるのは酷であろう。

「ま、こんだけ騒がしいと全部は廻れないでしょ?

 そうね、取りあえず今日は、安売りしてるところを中心に見て行きましょうか」

 この祭りに参加した経験を持つレベッカの提案に、一同は茫然としながら頷いた。

 
 最初に行ったのは、道具区である。
 
 ちょうどタイムサービスを行い大きく値段が下がっていたところを、レベッカがさらに値切って珍しい道具を買い漁る。

「クリスにお土産を買って行かなきゃいけないからね。

 あの娘が喜びそうなお装飾品って、他の区画では売ってないわ」

 レベッカの言葉に、ロマンが首を傾げる。

「…クリスって、そんな人知り合いにいたっけ?」

 するとラムーナがにこにこしながら、とんでもないことを答えた。

「駄目だよぅ。

 クリスティアーヌさんのことでしょ。
 そんなことだと、また女装されられちゃうよ」

 頭を疑問符でいっぱいにしながら、「なんで僕の女装と関係が…」とロマンが憤る。
 その頭に、シグルトがポンと手を置いた。

「俺たちの間では〈宿の娘さん〉で通ってる、彼女のことだ。
 長い名前だから、覚えてる連中の方が少ないんだ。

 うちの宿の親父さんの、〈ギュスターヴ・オジエ〉という名前を、知らない奴が多いしな」

 ロマンとスピッキオが同時に目を丸くした。

「ありがちな名前だから、名乗らないのよね親父さん。

 渋くて好いじゃないっていうと、結構照れるのよ」

 品物を物色しながら、レベッカが補足する。
 
「うちの宿の正式名称は〈オジエの小さき希望亭〉なんだ。
 看板が摩耗して、字が読み取れなくなってるが、リューンじゃ老舗の宿らしい。

 この機会だし、2人とも覚えておけよ」

 このリーダーはすでに知っていたらしい。
 判明した新事実に、ロマンが興奮気味に頷く。

「宿の組合じゃ、“寂寥の荒野”オジエって有名なのよ。
 結構強かったって噂の、元冒険者だしね。

 二つ名を言うと包丁持って暴れるらしいから、2人とも本人に言っちゃだめよ」

 何故、とロマンが聞く。

 レベッカは髪を掻き上げて自身の額を剥き出しにすると、そこを指さして厳しい顔をして見せた。
 
 途端納得したようにロマンもスピッキオも深く頷く。
 2人とも笑いをこらえるのに必死な様子だ。

「親父さんの頭、淋しいもんね~」

 ラムーナが止めを刺し、一行は皆吹き出していた。

 笑いながら賑やかに買い物を進めていると、不意にシグルトが厳しい目をし、近くにいた少年の手をがっしりと掴む。

「な、何すんだよっ!」

 威圧するように睨む少年。
 シグルトの握力によって痺れたのか、その手から小さな宝石が零れ落ちた。

「…っ!!!」

 明らかに盗品と分かるそれを見て、近くの露店の店主が怒りを露にして向かって来た。

「こいつ、この神聖な慈善市で盗みを働くなんて許されないぞ。

 官憲に突き出してやるっ!!」

 激昂する店主を前に、シグルトが空いた手で止めろと制する。

「祭りで子供をしょっ引いたなんて話になったら、店の名が落ちるぞ。

 それに、盗賊ギルドの縄張りでこういったことをした者は、確か〈人形遊び〉だったな?」

 シグルトが問うと、レベッカが頷く。

「昔ながらで野蛮なんだけどね。

 ま、子供で初犯なら〈生木鳴き〉か〈石臼〉かしら。
 流石にばっさりは無いと思うけど、今の〈猫〉や〈烏〉の掟は分からないわ」

 隠語で話す2人に、少年も店主もきょとんとしている。

「…〈人形遊び〉は手足を引っ張って千切る私刑のこと。

 〈生木鳴き〉は音を立てて圧し折るやつで、〈石臼〉は石で叩き潰すって意味よ。
 二度とスリやかっぱらいなんて、出来なくなるってこと」

 レベッカが凄んでみせると、少年の顔が蒼白になった。
 こういうことは初めてやったのだろう。

「坊や、教えといてあげるわ。

 ここ数年こういう慈善市では、こわ~い盗賊ギルドが関わってるのよ。
 出来るだけ、盗んだ追っかけたって荒事が起こらないように、大商人が裏でお金を納めて犯罪防止を頼んでおくのよ。
 毒は毒をもって…ってやつね。
 
 頼まれた盗賊ギルドは、面子をかけて見張ってるわ。

 もしお金を納めたのに盗みが起これば、商人からクレームが来るし、ギルドの顔は丸潰れよ。
 そうなった時は、見せしめになるぐらい残酷な罰を与えるってわけ」

 商品を取られた商人は、そういったことまで知らなかったのだろう。
 何もそこまでしなくても、という顔だ。

 レベッカはそこで片目を閉じると、少年が盗んだ宝石を商人に返す。

「この子は、〈品物を見ていた〉だけ。
 貴方は子供の素行に〈勘違いした〉だけ。

 品物は戻ったんだし、とりあえずそれで納めない?」

 レベッカの言葉に、しばらく考えた商人は頷くと露店に戻っていった。

 残された少年は、事情が分からぬまま震えたままだ。
 
 シグルトは少年の肩に手を置くと、屈んで目線を合わせた。

「お前、親はいるのか?」

 尋ねるシグルトに、少年は震えながら首を横に振った。
 目尻には涙が溜まって見える。

「お前一人なら食べていくぐらいの子供にも出来る仕事が、この都市にはたくさんある。
 
 なのに、盗みを働かなければいけないほど切羽詰まっていたのか?」

 シグルトがまたゆっくりと問うと、少年は遂に泣きはじめ、幼い妹が腹を空かせているのだと言った。
 少年の両親は、最近のたちの悪い風邪で無くなり、貧乏な少年の家では家財を売りさばいて凌いでいたらしい。
 そうした私財もついに尽き、盗みに及んだという。

「…馬鹿ねぇ。
 例え盗みが成功しても、盗品は故買屋の知り合いがいなと足がつくのよ。

 すぐに捕まって、さっき言ったような怖い目に合う。
 坊やに妹がいるなら、その娘も人買いに売られてしまうわ。
 その先は、坊やも妹ちゃんも生地獄。

 盗みは、これっきりにしなさいな」

 そう言うレベッカの眼は、どこか優しかった。

「これから盗みを二度としないと誓うなら、お前と妹のことは俺が何とかしてやろう。

 誓えるか?」

 シグルトが厳しい顔で少年に問う。
 その誠実さが伝わったのか、少年は強く頷いた。

「よし。
 では、お前は妹を連れて、ここから南にある聖北教会のクレメント司祭を訪ねるんだ。

 職人ギルドに知り合いがいるから、お前の年でも出来る丁稚奉公を世話してやる。
 後で、郊外の『小さき希望亭』を訪ねて、“風を纏う者”のシグルト…俺を訪ねろ。
 俺がいない時は、その宿の主人に話を通して奥から、その人から話を聞け。
 
 器用なその手には、芸を付けて役立てるんだ。
 そうすれば、食いっぱぐれることはないからな。

 辛いかもしれんが、お前たちの住んでいた家や土地があったら処分して、それを妹が働けるまでの養育と食費にあてるといい。
 
 レベッカ、この子たちの家財処理で、交渉を頼んでもいいか?」

 仕方ないわね、とレベッカは快く請け負った。
 その背景には、もちろん子供に同情したというのもあるが、上手く交渉すればコネクションを作れるからだ。
 
 孤児に仕事を斡旋したり、その私財を処分することに関わると、少ないながらマージンが貰える。
 レベッカはそういった裏事情に詳しかった。

 そして人徳のあるシグルトは細かく地味な仕事を大切にしているために、様々な人脈を持っている。
 彼の一声で信用してくれる者も多い。

 シグルトとレベッカは、まだ冒険者になるには早い子供や戦災孤児に関わった場合、互いの得意分野を生かして孤児院への紹介や仕事の斡旋を行い、お金や人脈を作る手段を確立していたのだ。
 荒事の多い冒険者は、ヤクザ紛いの犯罪組織とも渡り合うため、元々この仕事とは相性が良かったとも言える。
 
 儲けた金のほとんどは、世話になっているクレメント司祭への謝礼や、コネクションの維持のために使っていた。

 お金そのものは全くと言っていいほど手元に残らないが、人脈と人材を作り出し、それが結果的に都市活動における“風を纏う者”の助けとなるのだ。
 世話をした子供たちから集めた情報を盗賊ギルドに売ったり、探しものをする時に手伝って貰ったりと、後に得られるちょっとした利益が得られるのである。

 シグルトたち“風を纏う者”が短期間で有名になったのは、こういった背景もあった。

 元は人の好いシグルトが、冒険中に出会った困った子供たちに何とか生きる道をつけてやりたいと考えて始めたことだが…
 結果的には、様々な恩恵を得ることになった。

 最初は渋っていたレベッカも、今では過去の仲間や盗賊ギルドにも関わらせて、大々的に手伝っている。
 特に情報力の強化(仕事の斡旋先から、各組織の情報を仕入れ易い)に役立つと、盗賊ギルドから多少の無茶を認めてもらえるほどになっていた。

 半年立たずにこのシステムを確立したシグルトとレベッカが名を売ったのも、当然と言えよう。

 少年はシグルトたちに何度も礼を言うと、嬉しそうに去って行った。

「…すまないなレベッカ。

 リューンに戻ってから、この手の雑用ばかりだ」

 少年が見えなくなってから、シグルトは申し訳無さそうにレベッカに詫びる。

「いいって~。
 実際、この副業のおかげで盗賊ギルドの上納金は、向こう数年ただで良いってことになったわ。

 それに、この仕事って泣く奴がいないから、私の繊細な心が痛まないのよ。
 後輩にも新しく出来たつてで小遣稼ぎを紹介出来るようになったし、表向きほとんど慈善事業だから、教会や慈善団体にかなり好感持たれてるし。

 チンピラ扱いだった冒険者も、今んところうちの宿限定だけど、扱いが変わって来たしね。

 最初、相談された時には呆れたけどさ。
 こう話が膨らんで思ったんだけど、シグルトって結構商才あると思うわ」

 現在この方法で救った孤児や浮浪児は十数人いる。
 規模はまだまだ小さいが、レベッカは確かな手応えを感じていた。
 
(私の子供ん時は、こんな方法なんて考えもしなかった。

 シグルトがいつも言ってるけど、やっぱ子供は笑ってないとね…)

 レベッカは幼少期、孤児院にいたことがある。
 その頃の生活はどん底で、思い出すのも嫌だ。
 
 そんなせいか、感情的と笑われることもあるが、同じような立場の子供には少し同情してしまう。

(そういやヴァルの奴、あの〈人売り市〉が潰れてから音沙汰が無いわね。

 元気でやってるのかしら…)

 孤児院時代、鼻垂れでいつもレベッカの後を付いて来た弟分を思い出し、レベッカは懐かしそうに眼を細めた。
 

 ニコロは風を感じて立ち止まった。
 
 ふと見ると老婆が立っている。
 この暑い日差しの中で、目深くローブを被って、だ。

「…風の声が聞こえるかい、お若いの。

 お主、精霊術師だね?」
 
 皺枯れた声。
 だが、聞く者を捉える不思議な力があるように感じられる。
 何より、ローブの下からニコロを射る眼光が、猛禽のように鋭かった。

 まるで蛇に睨まれた蛙のように、ニコロはぴくりとも動けない。

「強くなるために、力が必要なんだね。

 ならば、一つ導いてあげるとしよう」
 
 老婆は声も出せず固まっているニコロに、書物を差し出した。

「…【風刃の纏い】じゃ。
 
 ちょいと悪戯好きの小娘がおったんでの。
 ワシが閉じ込めて芸を仕込んでやったんじゃ…」

 ニコロは吸い寄せられるように書物を手に取った。
 そして、幾分焦ったように銀貨の詰まった袋を老婆に手渡す。

「ほほ、殊勝じゃの。
 銀や金は力がある。
 同時に〝借りぬ〟という志も好い。

 お主は、良き術師となるじゃろう。

 風は気紛れ。
 しかし万里を駆ける翼ともなろう。
 
 若き精霊術師よ、力の使い方を誤らぬことじゃ…良いな」

 ニコロが釣られるように頷く。
 老婆はにやりと笑った。

「お主、波乱万丈の人生を歩みそうじゃな。
 近い将来、大きな敵と相対するじゃろう。

 やがて失い、そして得る。
 慟哭を知って、人は生まれ変わのじゃ。
 
 水は風を通さず、刃金は風を切る。
 されど、共に歩むならば道となり、未来へと続くものよ。
 
 一人歩まず、共に立ち向かうがよかろう。
 強き風を纏えるのは、お主だけでは無い。

 風とは語り部、そして謳う者。
 出逢いを紡ぎ、お主を導く。
 
 しかと覚えておくことじゃ…」

 予言めいた言葉を告げ、老婆は皺ばかりの頬を歪め背を震わせて、楽しそうに笑った。

 ニコロは感じていた。
 この老婆が、ただの人間では無いことを。 

 その時、ニコロを見つけたエイリィが、遠くから声をかけて来た。

「ねぇ、見て!レイモンに買ってもらったの」

 エイリィが、首に下げた青い宝石を掲げながら走り寄ってくる。
 ニコロはすぐに行くと手振りで伝え、再び老婆の方へ向き直った。

 しかし、そこには既に老婆の姿は無い。
 
 ただ銀色に輝く羽根が一枚、ふわりと風に舞っていた。


 仲間たちから離れると、この祭りに関わる盗賊ギルドの幹部を捕まえ、レベッカは先ほどの騒動の後始末をしていた。
 見ぬ振りなどすれば、ギルドの面子を潰してしまうからである。

 案の定、盗みのあった場にも〈梟〉(見張り)がいた。
 少年が馬を離れたところで捕まえて尋問し、商品はそっと返す算段だったのだろう。

 不機嫌そうな顔をしていたその〈梟〉は、関わったのがレベッカだと分かると、途端に態度を改めた。
 奇しくも、昔盗賊ギルドで面倒を見てやった後輩の友人だったからだ。

 〈梟〉に案内されて幹部の所に行く。
 祭りの中央で情報を売りながら、場の盗賊を統括していたその男は、レベッカを見ると人懐っこい笑みを浮かべて彼女を迎えた。

「いよう、レベッカ!

 会えて嬉しいぜっ!!」

 抱きつこうとしたその男をひょいと躱し、指先で向こうに追いやると、レベッカは断りも無く彼の座っていた椅子に腰かけた。

「相も変わらず女と見たら抱きつくのね、ギスラン。

 あんたが今の〈ボス猫〉?」

 ギスランと呼ばれた男は、首を横に振って否定し、自分もそそくさともう一つ椅子を出して座った。
 同時に眼も座る。

「俺は〈耳〉(情報担当)関係さ。

 此処の統括は“赤髪”さんな。
 で、この地区は俺担当ってわけ。
 一応あの人の直参だからな。

 フィッテの野郎がいる方じゃなくて良かったぜ、レベッカ。
 あの糞真面目は、面子気にし過ぎるからよぉ…」

 恩着せがましいギスランの言葉に、レベッカがにやりと返す。
 
「じゃ、“赤髪”の奴に直で話を持ってくわ。

 そうすりゃ、その生意気な口も叩けなくなるでしょ?」

 強気には強気で切り返すのが、盗賊同士の交渉で大切なことである。

 レベッカは話をつけるために敬意は払うが、相手を選ぶ。
 中には調子付いて、様々な要求をしてくる輩がいるからだ。

 因縁をつけてたかってくるちんぴらを、盗賊用語では〈蝿〉と言うが、その手の連中に弱い所をみせれば餌食である。

「…かぁ~、やっぱ“猫の女王”には勝てねぇか。

 足抜けしたとは言え、未だにギルドの連中は半数があんたに頭あがんねぇからな。
 あんたに言うこと聞かすなら、“黒豹”の姐御でも担がにゃむりだわ」

 ギスランは「止め止め」とばかりに姿勢を直し、始末書代わりの羊皮紙にサインを求めて来た。
 綺麗に処理されたので、お咎め無しを上告するための内容が書かれている。
 レベッカが来る前から結果を予想して用意していたのだろう。

 羊皮紙に、一筆書きで王冠を被った猫の顔を描く。
 艶っぽい唇と睫毛も忘れない。
 “猫の女王”…レベッカがギルド時代から許されている、本来は幹部以上しか持てないシンボルサインである。

 シンボルサインは日本でいう花押のようなものだ。
 面子を大切にする盗賊は、要職であったり名が売れてくれば、こういったシンボルサインを作る。
 これは、手先の器用さを表すのと同時に、示威行為のための手段になるのだ。

 敵対組織に喧嘩を売ったり、誰かに話を通す場合、自分を端的に表せる。
 同時にこういったシンボルサインを汚す行為は、最大級の侮辱とされている。

 レベッカは現在盗賊ギルドの構成員ではないが、現在でも名誉幹部的な扱いを受けている。
 だからこそ、幹部時代から使える〈特権〉があり、これもその一つだ。

 就いていた幹部職はスリの頭…重役ではなかったのだが、当時の同輩たちは多くがもっと上の幹部職に就いたので、その連中と同格とみなされているのである。

 シンボルサインがまかり通ること、それこそがレベッカの影響力の強さなのだ。
 地道な下積みと、たくさん売った貸しや持ったコネクションがなければ、これほどの効果は持たない。

「流石だな。
 こんな精緻なサインを、ほとんど一瞬で描いちまうんだから。

 だけどよ…
 あんたが調子付いてるって、面白くねぇ顔してる連中もいるんだぜ。
 特に、ちょっと前まであんたが腐ってたのを喜んでた、ロドリグとか。

 気ぃつけな」

 意外そうにレベッカはギスランの方を見た。
 盗賊でも情報部門を司る〈耳〉は、情報を決して安売りしない。
 たとえ身内であっても。

 こういう情報が来た時、まずは意図的に流している、と疑うのが普通である。

「あ~、信じなくても構わないけどな。

 気になるなら、自分で裏取れよ。
 “赤髪”さんあたりなら、安くしてくれるぜ」

 そこはのらりくらりとしているギスランである。

 ロドリグは、レベッカの先輩である女盗賊“黒豹”エイダとライバルだった男だ。

「…抜ける時、少し虐めてやったからねぇ。

 でも、まだ根に持ってるなんて、相変わらず小さい男だわ」

 ロドリグは独占欲の強い男で、レベッカの部下だった小悪党を一人身代りにして殺してしまった。
 レベッカはギルドを抜ける際、嫌がらせでロドリグがちょろまかしていた小金のことをばらし、復讐している。

 ロドリグは上級幹部への昇進を目前にして幹部職を解かれ、ギルドの掟で利き腕の親指を切られてしまった。
 今までの功績から、一盗賊としてギルドに残ることは出来たが、盗賊としての出世は絶望的になったのである。

 酒浸りになったロドリグは、今でも顔を合わせれば食ってかかって来る。
 
 レベッカがギルドに戻らないのは、こういった盗賊同士のいがみ合いに辟易していたからだ。
 嫌な話を聞いたことで、レベッカは渋い顔のままギスランと別れた。

(…っち。

 ケチがついたわね)

 詰まらなそうに歩きながら仲間を探していたレベッカは、不意に自分を見る鋭い視線に気付き、出来るだけ何気なく振り返った。

 少し離れた場所から、黒髪の男がじっとレベッカを見つめている。
 腰に剣を下げ一見剣士風だが、感情を感じさせない泰然とした雰囲気を持っていた。
 どこか、シグルトに気配が似ている様に思えた。

 レベッカは、その男の視線が自分に向いているのだともう一度確認し、大胆にもまっすぐ向かっていった。
 男にもう少しで手が届きそうな距離まで近づくと、レベッカは腰に手を当てて不機嫌そうに鼻息を一つ吐く。

 威嚇するようなレベッカの仕草に、男は少しだけ眉をひそめた。

「誰だか知らないけど、私に何か用?

 そうでなければ、女性をじっと睨むのは不躾ではないかしら」

 少し強い口調でレベッカが問うと、男は少しおいて静かに頷いた。

「それにおいては詫びよう。

 俺はイサークという、旅の剣士だ。
 昨今珍しい、人助けというものを見たのでな…
 
 如何なる理由で助けたか知りたいと思った」

 訥々と低い声で名乗り、理由を告げる。
 
 レベッカは、訝しげに眉をひそめた。
 人助けとは、先ほどの少年のことだろう。
 
 確かにあのような状況では見て見ぬ振りをする者も多いが、慈善市という環境ではお節介する連中も多いはずだ。
 じっと観察されるほどのことでは無いと思う。

「この市には、聖北の坊さんも沢山来てるわ。
 私たち冒険者が子供一人にお節介したところで、じっと見つめられる理由にはならないわよ。

 それとも、あんたの周囲にはそんな連中がいないほどささくれてたわけ?」

 きつく問い返すレベッカに、男は首を振って「そういう意味ではない」と告げた。

「俺が珍しいと思ったのは、あの少年の道をきちんと示したことだ。

 同情で人助けをする連中は多いが、ほとんどは自己の心を満たすためにやる独善的なもの。
 しかし君とあの男は、〈関わったことの責務〉を果たした。
 これは中々出来るものではない。

 もし君たちが、あの少年にお説教だけして盗みを止めるように注意したとしても、あの少年の貧困は解決しなかっただろう。
 そして、再び盗みをするか、あるいはもっと重い罪を犯したかも知れん。

 何故他人のためにそこまでする?
 それが知りたいのだ」

 生真面目な男の口調に、レベッカは内心苦笑した。

「他人、ねぇ。

 そうね、他人を援けるってのが独善的だってのは賛成だわ。
 でも、それを言えば何だって独善よ。
 人は結局自分のために何かをする。

 要は気分の問題。

 うちのリーダーも言ってるけどね。
 〈子供は笑ってる方が好い〉と思うわ。

 ああいう子供は大人の奥が過去において来た、かつて幼く拙くて途方に暮れ、救ってほしかったことがある自分。
 人を見る時、多くは相手の中にある自分を見るわ。
 俗っぽい私みたいな人間は、特にね。
 
 私が助けてほしいなんて少女してた時は、待ってても誰も救ってくれなかった。
 救いを求めて足掻いてる連中には、あんたたちで勝手にやれって言うことも出来るけどさ。
 私は私の時にしてほしかったことを、自分でやって自己満足したのよ。

 うちのリーダーがお人好しで、尻拭いしたのもちょっとあるかな?
 
 人はそういう個人的な理由があってこそ、親身になって動けるのよ。
 私の場合無駄を出さないように、やる以上は利益を作るけどね。
 
 一番得して、一番敵を作ってなくて、大団円なら最高かなって思うわ。
 好い気分も利益の一つ…それが私の信条なのよ」

 そこまで一気に言って、レベッカは肩をすくめた。

「貧困はあの子のせいではない…
 そう言って救ってあげるのも、有りかもしれない。

 でも、私はただ貧困のせいにしたくないのよ。
 責任転嫁してて得があればいいけど、言い訳で腹は膨れないし、ね。
 〈私〉だって得るものは無い…あの子の中に見える〈過去の私〉も含めて。

 あの子にとって一番大切だったのは、〈妹と一緒に救われること〉。
 私は関わる以上それを満たし、一緒に自分を満たそうとしただけよ。

 必要なことを自然に行った…運命任せじゃなく、必然だったってわけ」

 これはレベッカの本心でもあった。
 
 彼女は利己的であるが、同時にお人好しである。
 だからこそ、両方を満足させる道を探し実行する。

 聞いていた男は、何かを考えるように唸る。
 
「…なるほど、〈多くを満足させる独善〉か。

 流され捨てる者は多くを得られないが、難しくともそれを実行する者は多くを得る。
 これは武道にも通じることだ。

 為になった。
 貴女に感謝を」

 男は一礼すると、そのまま去って行った。
 その足取りは心なしか軽い。

「何だったのかしらね。

 まぁ、いいか」

 さっさといなくなった男には目もくれず、レベッカはまた仲間を探しはじめた。


 夕刻となり、うっすらと空が赤い。
 楽しい祭りは間もなく終わろうとしている。

 『パランティア』を堪能した“風を駆る者達”は、集合して帰途についていた。

「くっくっく、ちょろいもんだぜぇ」

 ユーグのにんまりとした顔を見ながら、ガリーナが溜め息をついた。

「あんた、ホントにそういうところは抜け目がないわねぇ。
 こっちは気に入った本が見つからなくって落ち込んでいるのに」

 お眼鏡に合う魔術書を見つけられず、ガリーナは落胆していた。
 そんな姿に、オーベが呆れた様子でたしなめる。

「ガリーナよ、お主は拘り過ぎじゃ。

 つまらん形式なぞ無視すれば、良いものも沢山あったじゃろうに」

 その言葉に少し憤慨した様子で、ガリーナは靴音高く言い返した。

「…そういうオーベだって、良い斧が無い、とかぶつぶつ言ってたでしょ」

 むう、と唸りオーベの眉間に皺が寄る。

「あるにはあったんじゃが、とても冒険で使いこなせるものでは無かったわい。
 
 あれは、死刑執行人が使う類の物じゃから、携帯性が最悪じゃ。
 なんであんな物が売っとるんじゃい」

 思い出したようにオーベも肩を落としていた。

「ま、おけらの漁師の様な面すんなって。
 資金がたっぷり増えたんだからな。

 俺に感謝しろよ。
 銀貨二千枚だぜ、二・千・枚!

 欲しいものを手に入れた上に、物々交換だけでこれだけ稼いだんだ。
 もっと感謝してもらわなくっちゃな」

 さっきから威張ってばかりのユーグに、ガリーナが「そうよねぇ」と頷く。

「…癪だけど、確かにユーグの功績は大きいわね…」

 肩で二度目の溜め息を吐くガリーナ。

「そう言えば噂で聞いたんだけど、“風を纏う者”もこの祭りに参加してたみたいだね」

 ニコロが手に入れたばかりの技術書を読みながら、なんとはなしに呟いた。

「道具区で起きた問題を調停したようですね。

 最近彼らの名をあちこちで耳にしますが、私たちもうかうかしてられませんよ」

 レイモンが気遣わしげに補足する。

「…リーダーのシグルトって人、教会の人たちからも凄い評価されてるみたい。

 この間も冒険者孤児を一人、施設に入れる仲介人になったって」

 冒険者孤児とは、冒険者の親を持っていた孤児のことだ。
 死と隣り合わせの冒険者は、事故や怪物との戦いで、ベテランでも命を落とすことがある。
 
 冒険者をする者は脛に傷を持つ者も多く、片親だけという場合もざらだ。
 そんな親が死んでしまえば、子供はその先を生きて行くことが難しくなる。

 教会育ちのエイリィは、そういった子供たちを救う手助けをしているシグルトたちに好印象を持ち始めていた。

「ああ、あれな。

 もしかしたら、冒険者の新し副業が出来るかもってんで、宿の親父どもが話題にしてるぜ。
 孤児を拾って来て里親見つけたり、孤児院へ食料配達とかの安い仕事をしてやって、パトロンの貴族や教会から金貰う仕事だ。

 施しすると市民受けがいいってんで、市民権が強いリューンじゃ、貴族院や市会議員の連中には馬鹿みたいに金出す奴もいるそうだ。
 金回りがいいから、駆け出し冒険者が食いっぱぐれないですむかもって、嘘みてぇな話だが。

 始めたのはシグルトたちで、小さい話だったんだが、宿同士でコネ作ってでかいことになって来たらしい。
 冒険者の子供相手にした託児所なんかも、これに関わって、冒険者のギルドからも援助するとかしないとかで騒いでるみたいだな」

 孤児院にパトロンをつけ、育った子供は人材として派遣する。
 言葉にするのはた易いが、実際に活動すると夢物語のような話である。

「なんともまぁ、格好付けた話ねぇ。

 そういう偽善ぶった事や、貴族を毛嫌いしてる連中、冒険者に多いのよ。
 シグルトって奴、絡まれて刺されたりしないのかしら?」

 辛辣なガリーナの言葉に、「そうでもねぇんだよ」とユーグが首を振る。

「実際にシグルトどもがパトロンにしようって連中は、子供を戦争で亡くした貴婦人や戦争未亡人、孫子のいなくなって寂しがってる裕福な老人とからしい。
 名誉目的で名を宣伝しろってパトロンは、性格確認した上で話を蹴ることもあるとか聞いたぜ。

 だからこそ話が成立すると〈そのパトロンは人格者〉なんてブランドがついて、乗り気な奴が増えるって寸法だ。
 たぶん、こんな小賢しいことするのはレベッカだろう。

 あいつは昔盗賊ギルドに所属してたんだが、その時分に、スリやかっぱらいの組織で〈危険と恨みは少なく、利益は多く〉って妙な仕組みを作って、いまだに信奉者がいるからな。
 あいつが好んで使った割引(財布をスリ取って少しだけ盗んで返す)や恩着せ(スリ取っておいて拾ったと称し礼をせしめる方法)は、今でも穏健派の盗賊たちに主流になってるやり方だ。

 職業変えて、〈狐〉(詐欺師)にでもなりゃいいのによう」

 ユーグの言葉には、少しの嫉妬と同じ盗賊としての誇らしさと入り混じったような、複雑な気持ちが見え隠れしていた。
 
 
 一方、噂になっているとは露知らず、夕方まで“風を纏う者”は存分に買い物を楽しんだ。
 安く買った品物を上手に売ったり交換したりしてレベッカがかなりの利益を出し、ちょっとした土産を持ち帰ったほどである。

 宿に帰って、シグルトがクリスティアーヌ(宿の娘)に土産のお洒落な髪飾りを渡すと、舞いあがった彼女はお礼にツケで貰ったという貴重な技術書をくれた。
 結果的に一千枚以上の銀貨と、非常に優れた魔法の指輪も入手し、レベッカは上機嫌だ。

「【姿隠しの指輪】が手に入るなんてね。

 盗賊の隠形術代わりにも使える、掘り出し物だわ」

 【シャイ・リング】と呼ばれるその指輪は、【妖精の外套】に代表される自身の透明化を可能とする品である。
 集中していなければ効果は持続しないが、姿を隠していれば攻撃を受けることも無い。
 
 金銭的な貢献が多かったレベッカは、今回一番の品物であるそれを貰うことが出来た。

 そしてスピッキオは、手に入れた技術書と交換である剣士から、心に関する不思議な力を授けられたと言っていた。

「そやつは、不思議な雰囲気の黒い髪の男でな。

 わしはシグルトに、手に入れた剣術書をやろうと思ったのじゃが、どうしてもと頼まれて気軽に譲ってやったのじゃ。
 祭りの界隈で再会した古い友人に、若い頃に貸した金の代わりと言ってもらった物じゃが、聖職のわしにはあまり意味の無かったものじゃからの。

 男は他にも、わしの知り合いに為になることを聞いたと言って、わしの肩に触れていきおった。
 そうしたら、不思議な力が流れ込んで来ての。
 
 祈りに随分と役立ちそうな感覚を得られたわい」

 それは心と身体を縛られなくなるという特殊な感覚である。
 【「無」の法】というそれは、修行する戦士や術師が理想とする不可視の力で、人に譲り渡すことも出来る神秘の技だ。

 一方、単独行動時に一番稼いだシグルトも、宿の娘から貰った技術書の一つである剣術書を貰えることになった。
 
「参考になる文献だが、この本にある技を使うには少し工夫がいるな。

 使えるかどうか、よく読ませてもらおう」

 勤勉なシグルトは早速読みはじめ、その研究に没頭している。
 その技が披露されることを、皆楽しみにしていた。

 祭りで高揚した気分を夜気で冷ましながら、“風を纏う者”は満足気な夜を過ごすのだった。



一年以上経ってからのリプレイ更新になってしまいました。
 このシナリオは、私も片割れとして制作に関わったシナリオで、旧版の頃はMartさんのリプレイで扱われたのでやらないつもりでした。
 しかし、Martさんのリプレイが読めなくなった後、彼のリプレイの軌跡を私のリプレイに反映させる意味で、使わせて頂く形となっています。
 
 Martさんが書かれた文章を思い出しつつ、私なりに内容を合わせて“風を駆る者達”を描かせて頂きました。
 なんだか懐かしく感じる自分に戸惑いつつ、昔を思い出してしまいました。
 もう3年も経つんですね、リプレイを始めて。

 Martさんには、一応はリプレイの終了時にY2つなりに“風を駆る者達”とのクロスをしていく旨は伝えてありますが、今回は文章の一部を抜粋に近い形で使わせて頂いたので、その著作権は後ほど補っておきますね。

 今回は古いシナリオを知ってる方なら思わずにやりとする人物が出てきたり、シグルトとレベッカの暗躍(?)が判明したりと、びっくりな内容だと思います。

 さて本題。
 この作品、私も制作に関わっていたので、裏事情がよく分かっています。
 ニルヴァーナ時代、まだVer1.28エンジンではなくバランスも大雑把だった記憶があります。
 そんな中でスキルやアイテムのイベントを考えたことを思い出し、思わずにやけたり、恥ずかしい気持ちになったりしました。
 
 私がデータに主に関わったスキルは【風刃の纏い】と【刹那の閃き】、あと【還魂の法】の命名とかです。

 今思うと【風刃の纏い】は「威力つえ~」と思います。
 ただ、このスキル、攻撃を受けるとガスガス召喚獣が減るので、敵が多い時は最後まで使い切ることはほとんど無い、という特徴があります。
 攻防一体という概念を与えたかなりの自信作でした(スキル絵なんかはDjinnさん担当です)が、現在のバランスで考えるともう少し調整するべきだったかなとも思っています。こういう後悔が、次のスキルに生きるんですけどね。
 そして【刹那の閃き】。
 スキルリロードによる連撃は、アレトゥーザの【連捷の蜂】に受け継がれています。
 これらのスキルは、私のギミックスキルの原点とも言えるものであり、技術的な閃きの原点でもあるのです。
 どっちも使い易いので、気に入っていました。

 わらしべイベント(【逆刺の十字架】を持ってると始められる交換イベント)の原案を出したのも私ですが、やってみると懐かしい~
 コメディな表現がとても上手なDjinnさんが編集して下さったので、そこかしこにたたよう遊び心が素晴らしいです。
 私には、こんな凝った演出できませんからね。
 
 アイテムで買っても役立たないもの出そうとか、使い古しの地図出してコレクター魂揺さぶろうとか、しょうもないことにこだわっていたような気がします。
 でも、こういうお遊びが楽しいバザーシナリオです。

 せっかくこのシナリオの話ですし、ちょっとだけ攻略法をば。

 このシナリオは強力なものとして【目玉商品】と【掘り出し物】があります。
 【目玉商品】は早いうちに行かないと売り切れてしまう上、安売り時には買えません。
 そのかわり一級で強力ですけどね。
 【掘り出し物】は、ある程度シナリオが進んでから出現するちょっと強力なアイテムです。
 【ミカエル】何かがその類。
 
 お金を増やしたい場合は、安売り時(道具区→書物区→武具区の順に廻る)に手頃な物を買っていくことです。
 道具区は買い占めてOKです。全部大きなお金に変えられます。
 書物は600SP(安売りで300SP)のスキルは完全な外れ。
 【シャイ・リング】が欲しくなければ、ここでは【還魂の法】だけ買っておけば、交換した物を利益+50SPで売ることが出来ます。
 それ以外は無理に買う必要はありません。
 武具は【ミカエル】と【白銀の麗刀】が後で高く売れます。このアイテムは某シナリオで貴族(詳しくはマルコキエルさんのブログ『まるこきえるずかてどらる』にうちのブログのリングから飛んでみて、配布シナリオを遊んでみてください)にすごい値段で買ってもらえるので取っておくのも好いでしょう。
 それ以外はあんまり。(でももう一つの剣は高く売れるかもしれませんよ)

 【目玉商品】は強力ですがお金儲けは半ばあきらめなければならなくなります。
 道具区以外は真先に駆けつけると、買えますよ。

 私のやった今回のリプレイによるパターンは以下の通り。 

道具区(安売り中)
【逆刺の十字架】購入-150SP
【ナブラの竪琴】購入-250SP
【巨大な赤石】購入-250SP
【盗賊王の地図】購入-50SP
【金鉱石】購入-100SP
【抗魔の髪飾り】購入-100SP
【魔法薬】購入-250SP

待合室
【盗賊王の地図】を売る+100SP(50SPの儲け)

武具区(安売り中)
【ミカエル】購入-1300SP
【白銀の麗刀】購入-1000SP

書物区(安売り中)
【聖絶対退魔光】-1500SP
【還魂の法】-700SP

待合室
【巨大な赤石】→【金鉱石】
【還魂の法】→【寡黙の戦士】
【ナブラの竪琴】を売る+2000SP(1750SPの儲け)
【聖絶対退魔光】→【シャイ・リング】
【逆刺の十字架】→最終的に【「無」の法】

宿
【抗魔の髪飾り】→【刹那の閃き】&【高潔の光】

【沈黙の戦士】売却+750SP(50SPの儲け)
【ミカエル】売却+2500SP(1200SPの儲け)
【白銀の麗刀】売却+1600SP(600SPの儲け)

【刹那の閃き】→シグルト
【シャイ・リング】→レベッカ
【「無」の法】→スピッキオ

現在の所持金11218SP(ジャジャ~ン♪)


 お金は増えつつ、そこそこの品を手に入れてパワーアップしてます。

 【金鉱石】をポートリオンで売れば、もう3000SPぐらい稼げるでしょう。
 【魔法薬】は貯めておいて、フォーチュン=ベルで練って換金するも吉。
 無理に売らなくとも、様々なアイテムは、高レベルならマルコキエルさんのシナリオで売りさばくのも手です。

 今回はパーティのお人好し根性&レベル的に無理だったのでこのような形に捌きましたが。


 さて、今回、もう一個凄いネタばらしがありました。
 『小さき希望亭』の親父と娘の名前です。
 
 これは実際のフランス人の名前から選んだもので、違和感のないものだと思っています。
 娘さんは名前クリスティアーヌが長いので、娘さんかクリスと呼ばれる感じ。
 宿の親父ギュスターヴは質実剛健な感じにしてあります。
 オジエというのは、音か「親父」に近くて覚えやすそう、ということで選びました。
 今後、クロスオーバーで是非参考になさって頂ければと思います。
 
 一年ぶりに書くと大分忘れたところがあって、いかんなぁと思います。
 今後もう少し早めにUPできるように、頑張ってはみますが、いろんな企画が押してるので、やはりマイペースになるかと。


 今回は圭さん、Martさん、Djinnさんのシナリオとのクロスオーバー表現がありますが、それらは各シナリオ作者さんに著作権があります。

〈著作情報〉2009年06月11日現在

 『解放祭パランティア』はチーム・ニルヴァーナのシナリオです。現時点Djinnさんのサイトで配布されています。 
 シナリオの著作権は、チーム・ニルヴァーナ(Djinnさん&Y2つ)にあります。
 このリプレイの時のバージョンはVerVer 1.00です。
  
・Djinnさんサイト『水底のオアシス』 (○ttp://djinn.xrea.jp)←○をhに。

 今回のリプレイではMartさんがかつて連載されていたリプレイ『風を駆る者達』のリプレイ記事『解放祭パランティア』から、文章の一部を抜粋、改編(文章を繋ぐ関係で、かなり追加変更した文章もあります)して当リプレイとつじつま合わせをしつつ掲載させて頂きました。
 完全コピーではなく、Y2つなりに頂いた許可の範囲でリプレイに加えさせて頂きましたが、不具合あれば御連絡下さい。
 『風を駆る者達』のリプレイはMartさんに著作権があります。
  
 カードワースはgroupAskに著作権があり、カードワースの管理、バージョンアップ、オフィシャルな情報等はgroupAsk official fansiteにて、カードワース愛護協会の皆さんがなさっています。
 このリプレイは各シナリオをプレイした上で、その結果を小説風リプレイとしてY2つが書いたものです。
 書かれた記事、書かれる記事は、特定のシナリオの名前が出たときは、そのシナリオの著作権はすべてそのシナリオの作者さんにあります。
 
 また、リプレイ中に使われる内容には、各シナリオで手に入れたスキルやアイテム、各シナリオに関連した情報等が扱われることがあります。
 それらの著作権は、それぞれのシナリオの作者さんにあります。
 またカード絵等の素材に関しては、シナリオ付属の著作情報等を参考にして下さい。
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コメント
おお、これまた懐かしいシナリオが出ましたね~
風刃の纏いは特に気に入っていて、今も宿で一番腕利きパーティーのリーダーが愛用してます。あれ、いいですよね。
あ、何気に"猫を探してください"のキャラが……(笑
このシナリオのギルド連中、大好きなんですよね。
シグルトさんはいつ見てもいいやつですね。こういう師匠がいたら、弟子も幸せでしょうね~ 本人はまだまだって謙遜してますけど(笑
リューンみたいに自由な街だと、みんなが喜ぶ上に儲かるビジネスも成立できそうですよね。
そういう、日常的シナリオ作ってみたいです。
ウチのマダムシナリオも紹介してくださって、ありがとうございます。
あれ、実はレベル6からでもぎりぎり入れますよ。他貴族の紹介(クーポン)があれば入れるとかあってもいいですよね。
あと、リューン=フランスのどっかっぽい、親父と娘もフランス名! には大賛成です。ジ・レ夫人もフランス貴族風味でつけましたし。
え、寂寥の荒野って、あのはげ頭のことですか! いや~ 爆笑しました。
【2009/06/12 05:13】 | マルコキエル #SFo5/nok | [edit]
 こんにちは。お久し振りのフーレイです。解放祭ときいて参上しました。あれはわらしべイベントがたのしくてしょうがないのですが完全クリアはしたことがありません。あの逆向き十字架はきにいってしまって。あと、何気なく商品の一つ一つを調べるのが大好きですっ。

 シグルトさん一行も楽しんでいるようで、賑やかな様子が伝わりました。その上Martさんとこのパーティが…。ここでは名前を見かけたことがありますが、こういう方々だったのですねぇ。こっちも賑やかですねぇ。とにかく、いろんな意味で今回も楽しませていただきました。

 ちなみに風刃の纏いはつれこんだNPCの女の子に持たせては楽しんでいました。

 えーっと、シオンたち『ドルチェーズ』がそろそろ旅立つ頃かな。とりあえずいつか彼らやアンバーたち『六珠』がご一緒できるときをたのしみにしつつ。
【2009/06/17 14:49】 | フーレイ #DEtutM4g | [edit]
>マルコキエルさん
 【風刃の纏い】は、当時の私の技術では最高峰のスキルでした。
 攻撃を受けると減るという、カードワースの防御召喚獣の性質を利用したもので、強すぎかものいう威力はともかく、人気のあるスキルになったようです。
 攻防一体のスキルの面白さに目覚めたのも、たぶんこの頃でしょう。
 
 カードワースのスキルって、一芸に偏らせたものが多かったのですが、装備枚数が限られた状況で応用性を考えた時、物足りないかなと感じていました。
 本来リューン以外の店シナリオでは、そういった「かゆい所に手が届く」スキルが必要ではないかと思っていたことが、私の店シナリオ
制作の骨になっています。

 クロスオーバーは、シナリオでもリプレイ同士でも楽しいものです。
 昔からリプレイを書いてた方がだんだん少なくなって思うのですが、誰かが残しておくと、消えて行ったそれらの物語は残るんですよね。
 
 私は楽しんでクロスオーバーしています。
 なかなか著作権への配慮が難しいのですが。

 シグルトは謙遜してるのではなくて、過去のレベルに達していない自分がもどかしくて、本心からまだまだだと言っています。
 この辺りは向上心の強いシグルトらしい性格かもしれませんね。

 マルコキエルさんのシナリオ、正直申せば3~4レベル辺りから使えると有り難いです。
 コネとしてはクエストさんのシナリオのベルヌー(女)伯がいいかも。
 個人的見解を申せば、買い取ってもらう選択肢はシナリオごとに箇条書きではなく、分野別に分けて選ばせるとかいいのでは、と思います。
 品物は5つずつにして、「次」と「前に戻る」を完備してもらえれば、見やすくて扱い易いかなぁと。
 作業が大変なので、我儘は申せませんが。←かく言う私はずぼらの極み。

 リューンはフランスの第二都市リヨンをモデルにと考えています。
 イタリアへ近いので、アレトゥーザとの距離ともイメージが重なりますし、金融の中心地ということで、交易都市っぽい感じがします。

 フランスは歴史上カトリックの拠点になったことが何度もありますし、『三銃士』ノリシュリューなんか枢機卿ですからね。
 意外と聖職がらみのコネも面白いかもしれません。
 中世の御夫人は、贅沢か、家庭か、聖職者のお説法も含めた信仰しか楽しみが無かったのは、日本も外国も変わらないみたいですからね。

 寂寥の荒野…やりすぎたかな~


>フーレイさん
 わらしべイベント、私も楽しんでいます。
 私の場合は【エア・ウォーカー】でストップすることもしばしば。
 でも、付帯能力にすることが一番多いですね。
 回復役に持たせると、生存率がかなり増えます。
 どうせ聖職者関係は召喚スペースあまり使いませんし。

 Martさんのリプレイは、私のブログで掲載していたこともあるので、クロスオーバーのために、いろいろと関わらせて頂きました。
 本当は「アイテムトレード」をやりたいのですが、今後どうするか悩みの種です。

 クロスが必要なら御一報くださいね。
 その時は是非ブログの方に。(秘匿コメントで結構です)
 メールは(y2tu◇eos.ocn.ne.jp←◇を@の半角)の方に送って下さればいいですが、たぶん連絡が遅くなると思います。

 六珠の方々だとすると、どの辺りでクロスでしょう?
【2009/06/17 16:33】 | Y2つ #TIXpuh1. | [edit]
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