Y字の交差路

 ここはY2つめがノリで作ったブログです。  カードワースを中心に、私が思ったことや考えたことを徒然なるままに書きたいと思います。

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第1話 『シグルト』 

 その日も冒険者の都リューンには、穏やかな風が吹いていた。
 
 旅人は、風と一緒にやって来る。
 そうでなければ、雨と嵐で風が荒ぶ時に。

 風は予兆を告げる様に吹く。

 それは絶望という名で。
 或いは希望という名で…

 旅人の背中を、未来へと押すのだ。
 
 ヒュゥゥッ―――
 
 一陣の風が合図の様に、物語を唄い始める。
 
 春の暖かい日差しの下で、北風の様な鋭さを纏った、男が一人。
 
 彼が青黒い瞳で見据える先には、年季の入った宿の看板が見える。
 ふっ、とその顔には苦みの入った微笑が浮かんでいた。 

 
 冒険者の宿『小さき希望亭』。 
 リューンの郊外に位置し、髪の生え際が淋しくなった頑固親父が経営する、冒険者の宿である。

 〈冒険者の宿〉とは、それぞれに尊重するルールや主義はあるものの、所謂〈何でも屋〉的な生業である冒険者が、拠点とする宿だ。
 時に探検家になり、旅人にも変わる根無し草たちが帰ってくる、憩うべき場所であった。

 …冒険者。
 その生業が何時からこう呼ばれる様になったかは、起源が明らかで無い。
 だが、的を射た呼び方だ。

 この時代、万の仕事を行うには兎角移動を要した。
 依頼を受けて東奔西走…時に遺跡を探索し、怪物を仕留めるために地下に潜り、盗賊を討伐するために山に登り、荷物を運んで国境を越える。

 血沸き肉踊る…一歩間違えれば旅先で命を落とす。
 冒険者とは、まさに命懸けの〈冒険〉をする、挑戦者たちだ。

 そんな、彼らにも帰る場所が必要だった。

 名目上であれ、仕事の拠点としてであれ…
 ほとんどの冒険者にとっては、我が家同然になる場所。

 冒険者の宿とは、そんな処である。

 この『小さき希望亭』は、創業から時を経たそこそこの老舗である。
 先代の主人も元冒険者であり、今の主人も若い頃は名の通った冒険者であった。
 業深いその仕事の苦しみが良く分かる、理想的な主人を持っている宿だ。

 しかし、今は実力派の冒険者たちが立て続けに辞めて行き、空いた部屋には隙間風ばかり。

 「主人の頭同然」と言われて、親父が烈火の如く怒り狂う…
 やや落ちぶれた状況である。

 だが、どんな時であっても、長年続けた親父の習慣は変わらないのだろう。 
 今まで何千回とやって来た様に、親父は丁寧に食器を磨いていた。

 半分拭き終えたか、と手に持った食器を欠けない様にそっと棚に置いた時、宿のドアにつけられた鈴が、からん…と鳴った。
 
「いらっしゃい…宿をお探しかい?」
 
 慣れた態度で要件を問うた親父を、少しやつれた仏頂面で見つめた客は…
 年頃を言い当てるのが難しい、不思議な雰囲気を持った青年である。

 宿の親父は眉をひそめて一瞬、その容姿に見とれた。

 凛とした眼差しに端整な顔立ち。
 白磁の様な肌は旅の埃で多少汚れていたが、化粧をした女にも見られない滑らかさ。

 妖精と見紛う…それだけの美貌がそこにあった。
 
 筋骨隆々ではないが、服の合間から見られる体格は強靭さを連想させる。
 幾分痩せているが背丈はすらりと高く、190㎝近い。
 その以上が又下という、信じられないスタイルの持ち主だ。

 薄汚れた旅装束を纏っていなければ、飛びきりの美丈夫に見えるだろう。
 
 どこか、ほの暗い雰囲気を放っていた。
 陰がある、あるいは苦味の利いた、とでも言おうか。
 
 不思議な髪と瞳の色が、見る者の心象に強く残る。

 髪の青黒い光沢は白い肌と対照的で、はっきりとしたコントラストを描いていた。
 男が持つ強い存在感も含めて、一層彼を印象深い人物に魅せる。

 どこか空ろな雰囲気さえ、様になっていた。

 神秘的な煌きを持つ瞳は、夜の淵の様にどこまでも深い。
 貞淑な女神でも、その双眸にじっと見詰められたならば、たちまち恋に落ちてしまうだろう。
 
 親父は、美しい人物を数多く見て来たつもりだ。
 たが、その親父をして〈絶世〉と認める美貌であった。
 
(こいつは…あいつが騒ぎそうだな)
 
 ロマンスに憧れて、大げさに英雄伝のヒロインを夢見る今時の乙女。
 何時も姦しく騒いでいる自分の一人娘を思い出し、宿の親父は心の中でそっとぼやいた。
 
 
「此処が冒険者の宿、か…」
 
 青年は中を見回し、静かに息を吐いた。
 深い呼吸…何かを耐える様な、噛み締めた吐息だった。
 
「『小さき希望亭』という。

 看板にあっただろう?」
 
 親父が眉間に皺を寄せて言うと、青年は黙って軽く頷いて見せた。
 ゆったりとした挙動には、その年頃の若者には無い、侘びしさがある。
 
「俺はシグルトという。

 可能ならば、冒険者になりたいと思っている」
 
 …独特の発音だが、偉大な龍殺しの英雄と同じ名前を持つ青年は、実に簡素な形でその名を名乗った。
 
 大層な名に、「出来過ぎだ」とまたぼやきが出そうになる。
 くっと堪えて、親父は切り出した。 
 
「ああ、新人か…」
 
 努めて、納得した感じに聞こえる様、呟く。
 最初の印象で舐められないための、社交辞令だ。

 だが内心は、心躍っている。
 
 この手の若手冒険者見習いは、後を絶たずやって来た。
 その激務を一年も続けられず、ほとんどの者が宿を去って往くのだが。
 
 多くの去る者を見送った親父。
 これほど印象的な若者を見たのは、その親父の長い経験の中でも初めてだった。

「宿の主人が最初に覚えた印象は、その冒険者の生涯を語る」
 
 まことしやかに伝えられる、ジンクスがある。
 印象だけなら間違いなく英雄の資質がある…そう親父は結論付けた。
 
 内心の動揺を露程も見せず、親父は大げさに手を広げると、やれやれという風に首をすくめた。
 
「お前さん、なんでこんな世知辛い商売やろうと思ったんだい?
 
 甘くないぞ、冒険者って仕事は」
 
 親父は何時もこの手の輩に、一応は同じ言葉をかける。

 冒険者とは、適当な気持ちで始めて失敗すれば死に繋がる職業である。
 そうして失敗した者が出れば、その人物が所属する宿の名も落ちるのだ。

 雇う側として、親父には選ぶ権利もあった。

 だから、この様に声をかけて、まずは新人の意気込みを確認する…
 簡単な、試験の様なものだ。
 
 青年は緊張した様子も無く、カウンターの椅子にゆっくりと腰を下ろす。
 何かを思う仕草で、上を向き目を閉じてしばし黙った。

 本当に、一つ一つの動作が絵になる男だ。
 親父はそんな風に評価しつつ、青年の返答を待った。
 
 やがて目を開けると、青年は人事の様に話し出した。
 
「…故郷から、諸般あって流れて来た。
 特に行く宛も無いが、無駄にこの身命を捨てることは、ある女への借りがあるから出来ないでいる。
 
 正直、どんな仕事でも構わなかったのだがな。
 
 坊主になるほど敬虔ではなし、書庫で埃と巻物に埋もれる柄でもない。
 今俺にあるのは、多少は他人より褒められたことのある、この腕っ節ぐらいだ」

(随分と謙虚な自己紹介だな…)

 男の体格や目つきを見れば、その鍛錬の度合いが見て取れる。
 何をやっていたかは読めないが、一芸を究めた者の雰囲気があった。
 
 それに、美貌一つ取っても常人離れしているではないか。
 男娼にでもなれば、名を売りそうだ…という品の無い評価を噛み殺し、親父はさらにその続きを待った。

「俺には金も、家も、地位も…今は何も無い。
 
 そんな木偶の坊でも…冒険者はこの身一つで出来ると聞いたから、やってみようと思った。
 腕っ節だけの武骨者がただの穀潰しになりたくなければ、傭兵か冒険者しかなかっただけだ。
 
 だが、傭兵なんてのは戦争屋で、時には盗賊にも化けるただの人殺しだ。
 金を取ってまで、延々と戦争や殺しをやるっ、ていうのも気が滅入る。

 だから冒険者を志してみようと思ったんだろうな。
 
 食っていくため…とでも理由付けすれば、主人は認めてくれるのか?」
 
 淡々と語ったシグルトという青年は、安酒のラベルに視線を向け、むっつりと黙り込んだ。
 
 親父は話の節々から、このシグルトという若者が相当な切れ者であると見抜いていた。
 彼の持つ雰囲気には、若さに溢れた新人の危うさが感じられないのだ。
 
(…こんな若造のくせに、えらく達観してる。
 
 それにこの眼。
 相当な地獄を見なきゃ、こんな風にはならねぇぞ)

 時折見せる、刃の様な鋭さ。
 眼光に宿る、熾(お)きの様な苛烈な輝き。
 
(武器も持ってねぇのに、この雰囲気はどうだ。
 熟練の戦士の落ち着きじゃねぇか。
 
 見たこと無いぞ、こんな奴は…)
 
 難しい顔をして聞いている親父に、シグルトと名乗った若者は心中を伝え終えたためか、涼やかな眼差しを向けた。

 親父の胸が好奇心に高鳴る。
 
 珍しいこと、或いは常識外れ。
 それは冒険者にあって、生き残る悪運そのものになる。
 
 よく揶揄されるのだ。
 一流の冒険者は〈変わり者〉だと。
 
 親父はニヤリと口端を歪めた。
 
 この青年が持つただの若造とは違った、ふてぶてしさ。
 変な先入観や憧れで冒険者になるだけの猪どもには無い、 泰然さ。

 こういう人物の方が強くなるし、つらい仕事にも耐えられることを、親父は長い経験から知ってしていた。
 
「…合格だ。

 じゃあ、宿帳に名前を書いてくれ」
 
 親父は、手垢で汚れささくれた羊皮紙の束…冒険者の名簿を、カウンターにどっかと置いた。
 どこかウキウキとした様子で…
 
 これが、後に『小さき希望亭』最強の冒険者と呼ばれる様になる、“風鎧う刃金”シグルトと宿の親父との邂逅である。



 再度どかんと加筆修正したリプレイR総集編、第1話はいかがだったでしょうか。
 
 そう、パソコンの故障とともに消えてしまったリプレイのやり直し、加筆修正版で復活を狙う、とんでもないリプレイ、リターン(R)。
 アレトゥーザもだいぶ様変わりしましたし、思い切ってリプレイをやり直しつつ、過去気に入らなかったところはどんどん書き直しちゃおうという新企画。(転んでもただでは起きないぞ~、というY2つめの暴走です)
 それをもっといじって、総集編です。

 やはり、リプレイは時下のものですので、落ち着いて読み直してみると、変な文章が結構あります。
 せっかくですから、さらに洗練して読みやすくかっこ良くしたいのが人情というもの。
 
 まあ、私の誤字脱字の多さは、スキルが出来そう(ペナルティカードで)ですからね。
 いくらか、らしくなったということで、とりあえず御勘弁を。
 
 1話目はシグルトの登場です。
 
 言わずと知れた(?)、“風を纏う者”のリーダー。
 イメージはケルト系ドイツ人の異端児、といったところでしょうか。
 黒髪ですしね。

 彼の瞳と髪は、本来であるケルト人の容貌「金髪碧眼」ではないのですが、ありふれたそれより黒系にして苦味を利かしてあります。
 同時に、ある設定のためでもあるのですが。
 
 …インチキして作った英雄型です。
 作り方は簡単で、やってみたい方は拙作『特殊な種EX』を御利用下さい。

 彼は武骨でぶっきらぼうな戦士…なんですが、すんごい美形です。
 英雄型の能力値は鬼ですが、『特殊な種EX』で結構簡単に作れます。

 私にとって、英雄型は「悲劇性を持った孤高の人物」。
 相応しい表現をしたいなぁ、といつも思います。
 能力云々より、特殊型の持つ雰囲気を付けたくてインチキした感じです。

 その英雄らしい雰囲気、少しは出てたでしょうか。
 
 クールに見えて実は熱いハートの持ち主。
 誠実でお人好し、武骨で硬派なストイックな青年です。

 彼の禁欲さは、無欲なのではなく、目的のために徹底的に欲を押し殺すタイプ。
 努力家で堅実かつシンプル。
 鈍いけど、磨いた経験のせいで、肝心な時には勘が働きます。
 
 実は、リプレイ初期でかなり初期設定が変わってしまった人物で、旧リプレイの第1話は矛盾が多かったんですね。
 今回の加筆修正で、より初期の頃のどんよりした、しかも格好良いシグルトを表現しようとしました。
 
 シグルトという名前は北欧神話の英雄、龍殺しのシグルズからとったものです。
 発音違いで分かりやすくしてあります…おんなじような名前多いですから。

 シグルトの父親は神話マニアで、シグルトの妹もシグルーンというワルキューレ(戦乙女)の名前をつけてるぐらいです。
 折り合いの悪かった異母兄の名前はベーオウルフ(北欧ではシグルト並みに有名な英雄)ですし。
 
 シグルトの父親は西方諸国の北にある寒冷な地方に小さな所領を持つ騎士で、一応は男爵様でした。
 高慢で貴族であることを鼻にかける兄と、同母の妹という兄妹がいます。
 
 シグルトの母親は没落した大貴族の元令嬢で、シグルトの父親に囲われてる愛人の時期を経て、正式に妻になったという形ですが…
 実はシグルトの父親が、「愛人として囲う」ことで、好色な貴族たちから、絶世の美女と謳われたシグルトの母親を守ろうとしたのが真相です。

 馬の暴走で森に振り落とされ、途方にくれていたシグルトの母親は、遠乗りに来たシグルトの父に助けられて知り合いました。
 事業の失敗という名目でシグルトの母の両親は自殺してしまい(陰謀で殺された説が有力です)、その罪でシグルトの母の家は取り潰し(シグルトの故国では自殺は大罪)、シグルトの母は放っておけばスケベな貴族や商人に奴隷同然として買われていく寸前でした。
 そこを、シグルトの父が、自分が愛人を囲うという不名誉を背負って助けたのです。(こういう形で貶める理由がなければ、咎人の娘であるシグルトの母親を救う術はありませんでした)
 そうして2人は両想いになり、シグルトが生まれたわけです。
 
 シグルトの母親は、開国の代、初代国王の弟の家から出た名門の血筋です。
 その血筋には、白エルフと呼ばれる上位エルフの族長の娘と亡国の王子との間に生まれた、オルテンシア姫という女傑の血も流れています。

 オルテンシア姫の父親は、ケルトの英雄神ルーの血を引く末裔で滅びた国の王族です。
 ルーはフォーモル族という魔神とダーナ神族という神々のハーフです…かなり複雑なんですね。
 シグルトの青黒い髪は、フォーモル族の子孫にして、祖父殺しの呪いでもあります。

 オルテンシア姫は優れた精霊術師で弓の名手、開国の王とその弟で王国の宰相となった俊才の母親です。
 
 シグルトの瞳は、ハーフエルフだったオルテンシア姫と同じ色で、彼が先祖の特徴を出だすほど血が濃い英傑であることを暗示しています。

 美形で肌が白くて優秀な能力も、血筋故、というわけです。
 ドルドナ(全知全能)とまで言われたルーの性格を、濃く受け継いでいるのかもしれません。
 シグルトは後々、精霊術師としての素質が開花していきますが、それも先祖が上位エルフだからです。
 
 成長したシグルトは、一時期“青黒い稲妻”と呼ばれる槍使いの戦士になりました。
 その実力は、(小国ではあるのですが)国の若手ナンバー1と称えられるほど。

 美しい恋人を得、順調な人生を歩んでいたシグルトですが、不幸に巻き込まれ、国を追放されます。
 その不幸ぶりは、前のリプレイでも紹介していますが、全身に重い傷痕と体調不良を抱え、失意を胸に西方に流れてきました。
 
 リプレイ2のオルフとは、後に同じ北方の出身として意気投合し、親友になります。
 
 凛々しく背が高いので女性にもてるはずなのですが、鈍感で武骨とくれば色恋には当然朴念仁。

 女性の必死のアプローチを「変な行動」と率直に言ってヒンシュクを買うタイプです。
 ですが、子供好きで責任感は強く、面倒見がよくて、親しい女性には誕生日プレゼントとかまめにしますし(妹と恋人に躾けられた)、時折見せる笑顔は多くの娘のハートを奪います。
 前の恋人を今も愛しているのと、生来の鈍さから女泣かせな結果に終わっていますが。
 
 「腕っ節が強いだけだ」と本人は言っていますが、知性はそれなりに高いし、勇敢で根性があります。
 また、大変な努力家でもあり、実力は才能と努力の折半だったりします。
 
 身分や種族の差でいわれのない迫害を受けることは大嫌いで、弱いものを守ることを誓い、その信念を貫くことを名誉としています。
 彼を描くひとつの形として、「顔より格好良い生き様」が表現したいなぁと思っています。  
  
 シグルトSS 著作権:葛葉ふみさん、久遠さん
※この画像の著作権は、背景に久遠さん、キャラクター画像には葛葉ふみさんにあります。
 若干加工されています。

 【久遠さん】
 HP:Show Goes On
 URL:■://thatsall.blog79.fc2.com/

【葛葉ふみさん】
 HP:ゆめ缶
 URL:■://urawa.cool.ne.jp/fumi2/

 著作情報のURLは、スパム防止のため、httpを■に変えてあります。
 
◇シグルト◇
 男性 若者 英雄型

秀麗     高貴の出   誠実
鈍感     勤勉     武骨
硬派     お人好し   名誉こそ命
 
器用度:5 敏捷度:6 知力:7
筋力:11 生命力:8 精神力:8
 
社交性+1 勇猛性+3 正直性+2
 
※データは正確を期すため、バイナリエディタを使って調べています。

 ICV:伊○達也(ブリーチの黒崎一護)
 聖暦1354年8月16日生まれ 獅子座 年九星が七赤金星 月九星が二黒土星 甲午
 身長187㎝ 体重64㎏(この当時、体格が戻りつつあるがかなり痩せている) 血液型A型
 冒険開始時 聖暦1373年3月27日 18歳

・容姿
 独特の艶を持つ青黒い髪と瞳。
 髪型には無頓着。
 眼光鋭く、苦労性の身の上からか苦みのある表情をすることが多い。
 眉を寄せたまま口元で笑う、苦笑をよく浮かべる。
 一物秘めたやや暗い瞳は神秘的で、見詰められた者は吸い込まれそうな印象を受ける。
 肌がきめ細やかで白く、女性もびっくり。
 女装するとアテネにも例えられるほどの凛々しい系美人になる。
 筋骨しなやかで、強靭。
 やや痩せ型。
 体格の半分以上が又下という、ウルトラスタイルの持ち主。
 座ってると成人男子と対して変わらない。
 腕には縄で抉られたような傷痕。
 両足のアキレス腱付近に傷痕あり。
 服を脱ぐと、全身に大小の傷痕がある。

・性格
 外面涼やかで内面の熱い、触れたら火傷するドライアイス。
 武骨で鈍感な朴念仁の気質があるが、仲間のことや生き残るため、仕事のためには細やかな気配りを見せる。
 決して神経質なわけではないが、やるべきことには勤勉で誠実かつ硬派。
 本質はお人好しであり、名誉を重んじるものの、単に自己中心的なプライドに拘ることはしない。
 他人を立てるからこそ、己の名誉を守ってもらえると、他者の矜持を守る気配りがある。
 非常に強い向上心を持っており、勤勉で実直。
 目的のために徹底的に禁欲的になれる上、とてつもなく我慢強い。
 命を大切にするが、大切な存在を守るために命を掛けるタイプ。
 諦観、達観に近い、懐の深さと度量を持っている。
 戦いに臨む時は、相手がいかに卑怯でもなじらない。
 反面、どんな状況にも対するべく、徹底的に戦術を練る、実戦気質である。

・友情、仲間に対して
 親しいものに対して特別奮起するタイプ。
 その名誉や命を守るためなら、がむしゃらになる。
 本来は熱い気質の持ち主なので、仲間に対してはその情を垣間見せることもある。
 親しいもの、特に目下にあたる後輩や子供には、厳しい年長者としての一面を見せる反面、普段はとても優しく情愛を見せる。
 仲の良い同輩とは、まれに冗談も交し、案外知的な対応をする。
 弱者や子供に対して、強い義務感を持っているが、時に厳しさを持って導く様自らを強く戒めている。

・恋愛に関して
 賢い女性、自立した女性には好意的だが、未だに過去の恋から離れられずにいる。
 一途で誠実な恋愛観の持ち主。
 意外にも、猥談に平然と付き合え、豊富な性知識を持ってたりする。(彼の幼馴染が女たらしだったので、耳年増)
 惚れられた経験は多く、愛の告白はよく受けてたが、一人を除いて皆玉砕。

・好きなもの
 子供と遊ぶこと。
 辛い味付け。
 伝承や物語を聞くこと。
 武術に関する話。

・嫌いなもの
 弱い者いじめといわれのない差別。
 子供を力ずくで押さえつけようとする大人。

・冒険者に至るまでの略歴
 北方ゴルド地方シグヴォルフ王国にて、父アルフレト、母オルトリンデの間に生を受ける。
 生れつき精霊に愛される体質で、お披露目に当たるある儀式で、金床に上って空を掴もうとしたことから、大物になると期待されていた。
 シグルトという名前は、神話好きの父親が、世話になったドワーフの鍛冶師にちなみ「病の無い子に育つ様に」と鍛冶師に育てられた不死身の竜殺しである英雄シグルズの名を取って付けた。
 尚、彼の故国シグヴォルフでは若干発音が違い、シグルトと読む。

 幼少から非凡な才能を見せ、特に「優れた師に出逢う」不思議な幸運を持っていた。

 子供の時分には父と母から伝承や物語を学び、ドワーフの銘工マクラホンの鍛冶風景を見て育った。
 ふとしたことから、精霊術師のまじない師に教えを受ける機会に恵まれ、魔術や精霊のことを聞いて育つ。

 幼い頃に妹と仲間とともに森を散策中、狼の群れに襲われ、たった一人でそれを撃退。
 誰かを守る時、その勇敢さは飛び抜けていた。

 貧しさで大半は国外に出たり死んでしまったが、同輩や後輩、幼馴染にはとても慕われていた。
 本人は孤高だったが、そんな彼に惹きつけられる人物は多く、生来のカリスマ性があると言っていい。
 シグルト自身、自分を慕う者や仲間にはとても気を配り、指導者やリーダーとしての気質はもともと持ったものだった様子。

 10歳の頃、彼の身辺は一変する。
 妾だった母親が父の正妻となり、貴族の一員となる。

 シグルトの母は、元は王家の親戚である公爵家の令嬢で、両親が自殺した(シグヴォルフで自殺は大罪)ためにお家取り潰しとなった身柄だが、その血筋は王家に準じるものである。
 そして、父アルフレトは前騎士団長であり、国王と国軍の危機を救った英雄だった。
 アルフレトは妻の名誉を回復することを恩賞とし、傷ついて自由が利かなくなった身を引いて、生家の男爵家を継いでいる。

 庶民上がりとして妹を傷つけた異母兄であるベーオウルフとは犬猿の仲となり、滅多に激昂しないシグルトも、この男が相手だと機嫌が悪い。

 丁度貴族になった頃、二男では家を告げないと奮起して、王国最強と言われた槍使いの戦士ハイデンに弟子入りする。
 ハイデンの弟子となって間もなく、シグルトを敵視する同門の兄弟子を手にかけるという悲劇もあったが、初めて人を殺す経験を乗り越え、立ち直って達人を目指した。
 血の滲むような鍛錬の末、一番弟子の名誉を許され、ハイデンが数人しか認めていない免許皆伝を最年少の12歳で受けた。
 槍術最強を決める王国の建国祭では、若手最強の座を守り続ける。

 16の時、最愛の恋人ブリュンヒルデと出逢い、相思相愛の仲となる。
 彼女の師であるアフマドに医術を学ぶ機会を得、ブリュンヒルデからは夫に成るに相応しくなる様、貴族のノウハウを叩き込まれた。

 王国はこの年、隣国と緊張状態となり、シグルトは義勇兵となって小規模の自警団を組織。
 辺境に迫った軍隊を退け、野盗と化した傭兵を討伐、戦に炙り出された大きな人食い熊をたった一人で倒すなどして、不動の名声を得た。

 その名誉からブリュンヒルデと婚約し、彼女の生家である伯爵家の養子になることが決まっていた。

 だが、横恋慕する司教の甥グールデンに幼馴染を殺され、妹をさらわれて捕まり、全身に深い傷を負う。
 目前で妹に乱暴を働こうとしたグールデンを、激昂して撲殺。
 貴族殺しの咎で一年間の国外追放を命じられる。

 恋人ブリュンヒルデは義兄に嫁ぎ、父はシグルトの代わりに復讐で殺され、母と妹は逃れる様に修道院に入った。

 全てを失ったシグルトは絶望して自殺を図るが、その運命を画策した“貪欲”と呼ばれる死神に事実を突き付けられ、絶望に染まった魂を奪われそうになる。
 それを救ったのが“神殺しの灰”という神仙だった。
 
 シグルトは死ぬタイミングを逸して、森を彷徨っていた所、“神殺しの灰”が暴走しない様見張りに来たもう一人の神仙“不折の刃”ライオットに命を救われ、生きるべき道を諭される。

 その後、槍の道を捨てて国を出奔。
 西方まで不思議な縁に導かれ、流れて来た。
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