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PC5:コール

2018.07.23(23:03) 467

 グロザルム統一帝国。

 一般には統一帝国と呼ばれる。
 千年ほど前に滅びたが、グロザルム・ラダニール地方すべてを治めていた大帝国である。
 帝都はこの地方の聖北教会の教皇庁が置かれる、聖エンセルデル市国にあった。

 まだ現在の聖北教会が無かった頃、グロザルム統一帝がまつろわぬ蛮族を打倒し、種族を超えた国を建てた。
 非常に優秀な魔法技術があったとされ、現在の下水技術や特別な魔法建築と、亜人たちの優れた力を借りて建立した施設や設備を数多く有していた。それらは西方諸国にも技術的影響を与えたとされる。

 しかし、数百年後に統一帝の後継問題で国内が割れ、魔法兵器を使った内乱が勃発し、国は荒廃。
 その後、聖北教会の登場によって帝都に教会が築かれ、教皇庁を後援とした貴族議員たちによる共和制に移行する。

 強くなり過ぎた教会勢力の影響は、腐敗した貴族政治のもたらす選民主義を歪め、いつしか神に造られたのではない亜人たちを人間ではないと差別し、それに異を唱えた皇族が、異種族への偏見は統一帝の意思に背くとして国を離反。

 件の皇族…統一帝の嫡流である第一皇女は、その当時南部からやって来た異種族の技術集団〈鐵の部族〉の首長と結婚し、西南部にあった亜人・異種族や部族をまとめ上げ、現在のイルファタルの地を王都と定めて、「最初の地」を意味するエアトリア王国を建国。
 これが俗に〈鐵の王国〉と呼ばれる古代王国だ。

 引き続いて、内戦の魔法兵器使用によって虐殺されたその地の遺児を率い、エアトリア王国に連動して第一皇女と仲が良かった末の第六皇子が興した国がツェフトリア王国…〈銀の王国〉である。

 〈鐵の王国〉と〈銀の王国〉は協力し合って、統一帝国西部を平定。
 統一帝国の魔法兵器を破壊して、聖北教会に圧力をかけ、亜人差別をやめさせた。

 この時、内戦の混乱に乗じて俗にダルトリア(三番目の地)という国を作ったのが、〈鐵の王国〉女王の弟で、帝位継承権第一位を主張する統一帝国第一皇子である。
 彼は立太子していなかったが、姉である第一皇女を「下賎と交わって血を汚した」として、教会と結託し非難。
 自らの立てた国を〈真なる地〉を意味するラトリア王国と呼称した。

 この連鎖的な建国ブームに乗って、統一帝国は完全に離散。

 妾腹の第三皇子が建国したフィアトリア王国(四番目の地)。
 東の貴族に嫁いでいた第二皇女を奉じて建国されたフェフトリア王国(五番目の地)。
 先帝が立太子させたものの、謀略で流刑にされていた皇兄によって建国されたザクトリア王国(六番目の地)。
 貴族無き共和制を訴え、皇族を一度は辞めた皇妹が女王となったゼハトリア王国(七番目の地)。
 武断の第四皇子が、高潔な騎士の国として打ち建てたエルトリア王国(八番目の地)。
 魔法兵器を嫌い、親戚降下して北に引きこもった第五皇子が賢者の学び場として建国したナルトリア王国(九番目の地)。
 そして、野心的な皇弟が建国したデントリア王国(十番目の地)。

 十の王国が次々と現れ、時の皇帝は悲観して憤死する。(皇弟が行った毒殺だったともいわれる)

 〈十王国時代〉と呼ばれたその頃から、元統一帝国の地は大陸全土に対して旧グロザルム地方と呼称されたが、ラトリアの初代国王が「自分たちこそが正当なグロザルム統一帝国の後継者である」として、他の国が統一帝国の名を名乗ってはならないとしたことが、東西地名分裂のきっかけである。

 後継の諸国には統一帝国の名を継ぐ権利がある、と先に建国した〈鐵の王国〉と〈銀の王国〉は主張し、ラトリア王国側の主張を却下、西部地域は堂々とグロザルム地方を名乗るようになった。

 激怒したラトリア国王は、できたばかりのデントリア王国(のちのマルディアン帝国)を焚きつけて、東西での名称継承問題に発展。
 この〈統一帝国名称継承論争〉は、教会勢力を巻き込んで泥沼化し、これを理由にした東側諸国の西部侵攻が行われた。
 しかし、異種族や亜人の高い技術と地形を利用して侵入者を退け、勝利したのは西部の側である。
 聖北教会の調停を入れ、晴れて西部はグロザルム地方を名乗ることとなった。

 このことを不服として、ラトリア王国とデントリア王国は東部諸国一帯に同盟を持ちかけ、東部をラダニール…〈真なる光〉を意味する地名としたのである。

 こういった歴史から、西のグロザルム地方と東のラダニール地方は、長い間潜在的な敵同士であった。

 状況が変わったのは、デントリア王国で政変が起き、彼の国が帝国を称した時代からである。
 新生デントリアは、十番目を意味する国名を不服としてマルディアン帝国に改名。
 すべてのラダニール諸国は、帝国の名の下に服従すべきである、とした。

 当然ラダニール地方の各国はこれに反発。

 特に帝国から「たかが三番目の王国」と見下されたラトリアは、マルディアンを非難して「十番目の僭主国」と侮辱し返し、長い両国の確執が始まった。

 マルディアン帝国のラトリア侵攻には斯様な歴史的事情もあった。


 オルフ一行が、西のイルファタルを目指すことを決めてから、二週間が過ぎようとしていた。

 ラダニール地方とイルファタルのあるグロザルム地方は、険しい山地と森が境界となり互いを隔てている。
 ラトリア王国から西に向かってグロザルム地方に入るには、二つの急流と二つの山地を越えねばならなかった。
 
 この時期、川幅の狭い二つの急流…ルフト川・メナス川は、乾燥による水位の減少と凍結によって、浅瀬であれば比較的渡河がしやすい。
 フィリが手斧で杭を作成し素早いバッツが先行してロープを張ることで、上手く踏破する。

 山地では狩人の娘で、サバイバル能力に通じたフィリと、そのあたりの植生に詳しかった元農民のオルフのおかげで、食料や道の確保に成功し、マルディアン帝国軍を撒いてグロザルム地方に入ることができた。

 大河に沿って森と山野を駆け抜ける、過酷な逃亡の旅は間も無く終わりを迎えようとしている。

「連邦に入って随分来たな。

 冒険者を装ったら、こんなにも簡単に越境できるなんて思いもよらなかったぜ」

 適当な岩に腰掛けると、オルフが一口水を飲みながら、額の汗を拭う。

「ラダニールって割と冒険者っていう職種がいないんだよね。
 そのせいで、国境警備の人は僕らが〈南の異邦人〉だって思ったみたい。
 出て行く分には問題ないって感じだったよ。

 あっちで冒険者の活動があるのは、東のアドルリア連邦やエルトリア王国ぐらいだし」

 フィリが不思議そうに首を傾げると、オルフがその理由を話す。

「ラダニールは昔から戦争が多いから、食い詰め者は兵士として徴兵されるか傭兵になるのが普通なんだ。
 魔物や山賊は軍隊や自警団が討伐する。

 マルディアン帝国の侵攻を、ラダニール諸国でも小国のクラウス公国が退けたんだが、それは公国があっちでも数少ない魔術師の育成機関を所有してて、特殊な戦力が得られたからだな。
 昔魔法兵器でドンパチして、グロザルム地方のクローネガルドにある〈魔の爪痕〉ってでっかい不毛の地ができたから、ラダニールは魔法使いに対して警戒心が強くて、魔術師や精霊術師の越境は厳しく制限されてるんだ。
 その分、魔法使い以外にはわりと緩い反応するのかもしれねぇ。
 俺のいたギマールは、少数の魔術師を取り込んで保護してて、だから強いってのもある。

 冒険者に偽装して出て行くやつらがいても、俺みたいなみすぼらしい格好のや、女(エルナ)に子供(フィリ)、戦士っぽくは見えない男(バッツ)の冒険者が流出しても、仮想敵国が弱体化するという意味で、諸侯国連邦にとっては歓迎されてんだろうな」

 フィリが持っていた通行証も、ちょうど四人組用のものであったことが幸運だった。
 まさか厳しい冬の川と山地を越えて、貴族や敗残兵が踏破してくるとは考えず、グロザルム地方の国境を守る兵士は、オルフたちが難民的な亡命でないこと、イルファタルに向かっていること、ちゃんとした冒険者が仲間にいたことを確認すると、驚くほど簡単に通してくれたのである。

 むろん、オルフとエルナは身元が割れそうな装備品を捨てて偽装していた。

 オルフは雪焼けで顔を汚していると、血の滲んだ包帯を顔に巻き(幾度かの戦闘で実際に負傷して本物の損傷は負っていた)、北方の気候に慣れてない様を装った。(この偽装方法はバッツの提案)
 エルナはバッツが調達してきた巡礼者用の衣装に着替え、無駄な装飾品は売って旅費に当てている。彼女の立場からすると、南にある父の治める領地か北の教会関連施設に行くのが筋であり、越境する理由を詮索されることは無かった。聖北教会の影響の強い北方諸国では、巡礼者には一定の敬意が払われるのも援けとなっているのだろう。

 二人が、冒険者が主に使う大陸公用語を読み書きできたことも、各国を旅して言語に明るい冒険者らしい、と受け取ってもらえた。

「エルナさんはともかく、あんたがバドリア語とギマール語、大陸公用語まで読み書きできるのは驚いたよ。最初に言ってくれればあそこまで反対しなかった。
 人が悪い話だぜ。

 貧農出身とか言ってるが、普通は字が読めないどころかまともに話せない農民だって多いんだ。
 どこの教養人だよ!」

 バッツが毒づく。
 彼がオルフを切り捨てようとした理由の一つが、下級兵士然とした教養を懸念したからだ。
 習得した言語や習慣はどんなに隠しても態度に出る。

 話してみると、オルフは言語以外にも算術や地理の知識、厳冬期の北方におけるサバイバル術に通じており、今回の逃亡で随分活躍していた。
 防寒に顔を覆うことも大切で、雪道で目を焼かれないように保護する方法や、寒気を一気に吸い込むと肺を傷めるのだと、戦場で野宿しつつ培った知識を披露する。
 力も強く、荷物運びの強力としても仲間を助けていた。

「まぁ、ラダニールの言葉はもともと統一帝国で使われてた北方なまりの公用語が元だからな。
 文法や単語がほとんど同じなんだよ。

 収監所で強制労働の最中は暇だったから、読み書きを教えて爺さんと単語の発音の練習をしながらツルハシ振るってた。
 やることが無くて二年近く毎日使ってりゃ、俺みたいなとんまでも案外言葉を憶えるってことだ。

 俺に読み書きや学問を教えてくれた爺さんは、ギマールにはよくいる政治犯ってやつで、収監所では知識人として尊敬されてた。
 爺さんが死んですぐに戦争に駆り出されたんだが、文字や算術がこんなに役立つ者とは思わなかったぜ。

 で話を戻すけど…あと一日も行けばイルファタルの国境だ。
 
 随分な強行軍だったが、なんとかなったな」
 
 今回の逃避行は、本業の冒険者である二人にも過酷だった。
 特に北方の冬は尋常ではなく寒い。
 
「…はは、寒さなんてものは嫌なだけなものだと思ってたけど、水がぬるくならないのはいいよね」
 
 フィリが泥と煤で汚れた顔を拭いながら、オルフと同じように体温で温めた水をゆっくりと飲んでいる。
 
「エルナさんが山道に文句を言わなかったのはありがたかったな。
 
 これだけ無茶をしたというのに…たいした方だ」
 
 バッツが周囲を警戒しながら、呟く。
 
「ああ。
 
 だがかなり無茶をさせた。
 これ以上急ぐと、野外慣れしてる俺やフィリも持たない。
 
 しばらくここで休憩しよう」
 
 そう言ってオルフは、毛布に包まって寝息を立てているエルナを眺めた。
 
 エルナは気丈な娘であった。
 オルフでもきついと感じる速度に、歯を食いしばって付いて来たのだ。
 仲間たちも彼女の意志の強さを心から賞賛していた。
 
 つらい旅も間もなく終わる。

 イルファタルは独立都市国家であり、他地方の軍装をした兵士が入ることはできない。
 その手の軍隊をひどく嫌う国柄なのだ。
 戦争より商売と交易を重んじる海の都である。
 
「イルファタルかぁ。
 
 あそこなら、おいしい肉料理を食べられるね。
 由緒正しい歴史があるけど、気候も穏やかだし、異民族や亜人にも寛容なんだよ。
 エルフやドワーフがあんなに見られる国って少ないんだよね」
 
 イルファタルは近くにウッドエルフの集落があり、衣料品や金属と森の幸の取引をしている。
 エルフ制の弓や薬は良質で、貴重だった。
 
 近しいツェーンツヴェルク連邦の山岳部にはドワーフたちが住み着いていて、よく交易に訪れる。
 彼らは優れた鉱山夫であり、良質の銀や鉄をイルファタルにもたらしていた。
 
 ラダニールやリューン近郊で強い影響がある聖北教会ではなく、イルファタルにある教会は聖海教会である。
 主に、西方南海で盛んに信仰される聖海教会だが、異国の神を聖人として取り入れるなどの柔軟性はイルファタルの気質にあっていた。
 加えてこの国は、癒しの秘蹟を多く残した聖海教会の聖女オルデンヌ縁の地だ。
 オルデンヌは、聖海で列聖された聖女であり、異教徒や異端的とされる精霊術師たち、さらには亜人との交流もあったとされる人物である。
 
 聖女の意思を引き継ぐ、というスタイルなのか、このイルファタルは異邦人や異種族にとりわけおおらかな国であった。
 独特の文化があり、旅人用の無料診療所や格安の宿、さらには異種族の職業斡旋を助ける組合などがある。
 他の地では聖北教会の影響で勢力の弱い精霊術師たちにも寛容で、彼らの聖地でもあった。
 
 イルファタルから海を渡った秘境の島にはアヴァロニアと呼ばれる場所があり、樹海の中に大きな淡水湖があるとされる。
 獅子の王が最後にいたった妖精郷に因んでいるとされ、多くの亜人や妖精が生息していた。
 そこでは、上位精霊“湖の貴婦人”モリガンと契約した大精霊術師であるアリエスがおり、水の精霊術師たちにとっては一大聖地である。
 アリエスは来る者を拒まず、出会えればその精霊術を授けてくれるという。
 
「争い無き、自由の国か。
 
 早く見てみたいものだな」
 
 オルフは空を仰ぎ、夢の都と聞いているイルファタルを思った。
 
「…ま、そんなにいい国でもないさ。
 
 あんまり期待すると肩透かしを食らうぞ。
 今じゃ人口が増えすぎて、人間と亜人の諍いがよく起きるし、精霊術師同士の主義の違いから小規模の小競り合いが起きることもある。
 
 イルファタルじゃ、シャーマン、つまり精霊術師は一種の特権階級さ。
 坊さんと同じように権力に固執する奴や、細かい儀式や主義を周囲に強制してあおる馬鹿もいる。
 さらには、魔法使いや呪術師がそれにからむからな。
 
 迷信深い国ってのも、考え物だよ」
 
 バッツは肩をすくめる。
 
「初めてあの国に入ったときは、俺が額に巻いてる布が悪い色だって、変な爺さんと取り巻きにつかまって訛りの強い言葉で一刻(二時間)も説教聞かされたしな。

 あれにはまいったよ」
 
 額のバンダナをなでながら、バッツがぼやくと、フィリが二へへと笑う。
 
「結局、あのときは途中で逃げちゃったんだよね。
 
 また捕まらないように、気をつけなきゃ」
 
 にぎやかに話しながら、一行は和やかに休息を終えた。
 
 
 さらに一週間後、一行は無事イルファタルの国境を越えることができ、国内をさらに西に進んでいた。
 
 この国の国土は狭い。
 しかし、様々な亜人や妖精の住む森や平原に面し、そういった独立した場所との同盟関係を勢力図にすれば、ち大国を凌ぐ広さになる。
 豊かな緑と、北方特有の寒冷な気候。
 様々な宗教や種族、文化の坩堝である。
 
 この国ではとりわけ魔術師や精霊術師が多い。
 妖精や亜人と共に精霊術を学び、自然と生きる者たちや、自由な国風に学問の自由を求めて集結した隠者たち。
 
 混沌としているが、束縛の無い場所である。
 
 だが、そういった文化圏ではならず者も多い。
 海賊まがいの蛮行で生計を立てる荒くれ者や、南で犯罪を犯し逃亡してきた者、外道の魔術に手を出して国を追放された呪術師。
 そういったものたちも流れてくる土地だった。
 
 北方の重要な港を持ち、解放された文化であるが故の弊害である。
 
 一行は文化の入り乱れる賑やかさに目移りしながら、今宵の宿を探していた。
 
「…聞きしに勝る盛況ぶりだな。
 
 こんな賑やかな街は初めてだ」
 
 感心したようにオルフが呟く。
 
「田舎者丸出しだぞ。
 
 リューンにいけばもっと華やかな場所もある。
 ま、ここほどごちゃごちゃした街じゃないがな」
 
 いつの間にか手に数本の肉串を持ち、仲間に配りながら、バッツが要所を説明してくれる。
 
「あそこが賢者の学院。
 
 西方のカルバチアにある魔道学院よりは小さいが、集まってる人材は一級だって話だ。
 噂じゃ、空から星を降らす術を習得した大魔術師がいたって話だがな。
 
 で、あれが精霊宮だ。
 この街の精霊宮はリューンより大きい。
 ま、精霊術師やエルフがたくさんいるから、当たり前なんだろうが。
 
 あっちがこの国で最大の聖海教会の聖堂だ。
 聖オルデンヌ教会って言うんだ。
 
 昔話があってな…
 ずっと昔にオルデンヌっていうすごい聖女様がいて、たくさんの人を救ったが、聖女様は若くして亡くなってしまうんだ。
 残った僧侶たちは聖女様から奇跡を戴こうと、その御遺体をめぐって言い争うんだが、突然大風と共に現れた妖術師が聖女様の御遺体を盗んでしまったんだ。
 困り果てた僧侶たちは、聖女様が纏っていた僧服を棺におさめて、このことを嘆いたんだが…
 その棺の下から突然水が湧き出し、その水は人の難病を癒したんだそうだ。
 後の人々は、聖女様の魂はここにとどまって人を守ってるんだと感動し、ここにあんな大聖堂を建てたってわけだ。
 
 残念ながら、湧き出した泉には聖域で入れないし、泉の水は万能の薬とかで教会が高い寄付金と交換に売ってくれるらしいけどな。
 
 なんでも聖女オルデンヌは聖海教会で、異教や精霊信仰とともに歩んでいくことを説いた穏健派では有名な聖女らしくてな。
 女だから、教会の派閥によっては列聖をどうするか諸説あるんだが、人気のある偉人らしいよ」
 
 オルフが感心して頷く。
 
「ふふん、知ってるんだよ~。
 
 バッツ、エルナさんにいいとこ見せようとして、徹夜で覚えたんだよね、それ」
 
 青筋を立てて怒るバッツから逃れ、フィリが舌を出してからかう。
 
「ふふ、それでもこれだけのことを一晩で調べるなんてすごいわ。
 
 聖女オルデンヌ。
 その行いの素晴らしさは聞いたことがある。
 
 聖北教会にも、彼女のような人物がいたら、歴史も変わっていたでしょうね」
 
 眩しそうに大きな聖堂を見上げながら、エルナは遠い目をした。
 
 
 しばらく行くと噴水に行き当たり、そこで一行は一休みすることにした。
 バッツとフィリは宿を探すといって、オルフとエルナをここで待たせている。
 
 噴水の縁には二人の先客が座っていた。
 
 一人は杖を持ち、複雑な刺繍の長衣を纏っている。
 淡いブロンドの髪と、尖った小さな耳。
 
(ありゃ、ハーフエルフってやつか?
 はじめて見たぞ…)
 
 その男は長衣から小さな本を取り出し、一心不乱に読んでいる。
 
 ハーフエルフとは亜人とも妖精とも言われるエルフという種族と人間の間に生まれる混血種である。
 エルフほど長命ではなく、人間ほどがっしりした体格ではない。
 二つの種族の特徴を中途半端に持っている。
 場合によっては鬼子として迫害されるが、このイルファタルでは普通に過ごしているのだろう。
 
 興味深げに観察していると、その男が不意に顔を上げて迷惑そうにオルフを睨んだ。
 神経質そうな顔立ちである。
 
 オルフはばつの悪そうな顔でごまかし笑いをすると、もう一人の男を観察することにした。
 見るとエルナは、じっとその男の方を見つめている。
 
 興味をそそられ、オルフが男に視線を移す。
 
(…こりゃまた。
 
 なんかやつれちゃいるが、すごい美男子だな)
 
 まるで噴水と一つになったように、泰然としているその男は、目の覚めるような美青年だった。
 
 無頓着な髪型だが、白い肌に映える青黒い髪。
 髪と同じ神秘的な深い色の瞳。
 すっと整った鼻梁、凛々しい口元の造形は端整で、女性もたじろくような美貌である。
 背が高く股下の足も長い。
 引き締まった筋肉と広い肩幅は美しさとは別に、この男をより男性らしく見せていた。
 
(ま、エルナも女の子ってことだな。
 
 あれだけ美形なら、若い娘は騒ぎ出すだろう)
 
 ほほえましい心持でエルナを見る。
 だが、エルナは見惚れてぼんやりしている様子はなく、どこか心配そうに男を眺めていた。
 
「…どうかしたのかエルナ?
 
 あの男にあやしい点でも…」
 
 オルフが小声で聞くと、エルナは首を横に振った。
 
「あの男の人、苦しそうだわ。
 
 額に脂汗をかいているし、マントで隠しているけど胸を押さえているの。
 顔も少し蒼白だし、どこか具合が悪いのかしら?」
 
 オルフはエルナの慈愛深さを見くびっていたことに反省し、あらためて男を見た。
 最初から美しさと一緒にやつれた印象のある青年だった。
 
 よく見れば男はただでさえ白い肌から、さらに血の気を失っている。
 唇は艶を失い、肩が小刻みに震えていた。
 よほどの苦痛を耐えているのか、噛み締めた唇から血がにじんでいる。
 
「ありゃ、そうとう悪そうだな。
 
 声をかけてみるか?」
 
 エルナが頷いて立ち上がる。
 彼女が青年に近づき、声をかけようとした、まさにその時…
 
「あ、暴れ馬だぁ~!!!」
 
 周囲がにわかに騒がしくなり、オルフとエルナは思わず騒ぎの起こっているほうに注目した。
 
 一頭の黒い馬が、よだれを垂らしながら全速力で走ってくる。
 周囲のものをことごとく踏み砕く、凄まじい勢いだ。
 向かう先は丁度、エルナがいる方角である。
 
(まずいっ!)
 
 あっけに取られた数秒、反応が遅れてしまった。
 エルナがはっとしたとき、すでに暴れ馬は彼女の間近に迫っていた。
 
(くそっ、間に合わねぇ!!!)
 
 必死で駆け寄ろうとするが、すでに遅かった。
 暴れ馬は前半身を振り上げ、邪魔なエルナを蹴り倒そうとした。
 
 反射的に目を閉じるエルナ。
 誰が見ても手遅れだった。
 
 馬の蹄が振り下ろされ、もうもうと土埃が舞う。
 
「《眠りをもたらす白雲よ、抱いて沈めまどろみの底に…眠れっ!!!》 」
 
 少し高い男の声。
 土煙の中から現れた黒馬は、よたよたと数歩進んで崩れるように倒れた。
 
「エルナァッッッ!!!」
 
 絶望的だと知りつつ、オルフは纏った襤褸で土煙を払いながらエルナのいた場所に駆け寄った。
 周囲の者たちも騒ぎを聞きつけて走ってくる。
 
 数人が馬を取り押さえ、他の者たちがオルフに続いた。
 
 
 エルナは目を閉じた瞬間、大きな何かに包まれたような気がした。
 
 いつまでたっても襲ってこない痛み。
 とても力強い、暖かな感触。
 土の匂いの混ざった、どこか安心できる薫り。
 
(お父様…)
 
 小さな頃によく抱き上げてくれた、大きな腕。
 父の抱擁を受けているような安堵感。
 
 エルナはその安らぎの元を知ろうとして、目を開けた。
 
 彼女はしっかりと抱きかかえられていた。
 決して不快ではない汗の臭いと、顔の触れている皮の外套の感触。
 
 彼女が顔を上げると、先ほど苦しそうにしていたあの青年が、心配そうにエルナを見下ろしていた。
 
 ポタリ…
 粘ついた赤いものがエルナの頬を濡らした。
 
 青年の額が浅く裂け、血が頬を伝わりエルナに降りかかったのだ。
 
「…すまない。
 
 顔を汚してしまった」
 
 青年は苦笑いすると、そっとエルナを立たせてくれる。
 そして、いささか乱暴に自身の額の傷を手ぬぐいで拭くと、さっとそれを巻き、服のすそでエルナの頬に付いた血を拭いてくれた。
 
「…あっ」
 
 エルナが何か言おうとする前に、青年はそれを制するように言葉を発した。
 
「ああいう時、目を閉じてはいけない。
 
 賑やかなところほど、馬による事故は多いからな。
 女でも子供でも、巻き込まれることだから、気をつけたほうがいい」
 
 青黒い瞳の青年は、優しげに微笑むと踵をかえした。
 
「待ってくれっ!」
 
 そこに、事情を察したオルフが駆け寄ってくる。
 そのときには、土埃はたいがい晴れていた。
 
「すまねぇ。
 
 連れが助けられたな。
 恩に着る。
 
 …怪我したのか?」
 
 オルフは簡素だが心から礼を言い、あらためて青年が血の滲んだ手拭を額に巻いていることに気がついた。
 
「大した傷じゃない。
 
 まず、その女性に怪我が無いか確認したほうがいい。
 どこか打ち身でもあれば、後で腫れる。
 
 それに、礼を言うのは俺だけでは不足だ。
 後ろの御仁が魔術を使ってくれなかったら、もっと惨事になっていたかもしれんからな」
 
 そう言って、青年は、先ほど【眠りの雲】の魔術を用いて暴れ馬を眠らせた、ハーフエルフの男に軽く会釈をした。
 
「…大事にならなくてよかったです。
 
 そちらの女性は大丈夫ですか?」
 
 紳士的で上品な口調だった。
 少し顔が上気しているのは、エルナの美しさを目の当たりにしたからだろうか。
 
「はい、私は平気です。
 
 助けてくださって有難う御座います」
 
 エルナが頭を下げると、ハーフエルフの男は、白い顔を真っ赤にしてしどろもどろに、当然のことをしたまでです、と答えていた。
 
「ありがとうよ。
 
 正直、あの馬が前足を振り上げたときはだめかと思ったぜ」
 
 オルフも頭を下げて礼を言う。
 
「いや、無事で何よりです。
 
 それより、そこの方は怪我をされたようですが…」
 
 ハーフエルフの男は照れ隠しか、話題を青年の方に振った。
 
 先ほどの傷は塞がっていないらしく、手拭いに滲んだ血の染みが広がっている。
 
 青年がまた大丈夫だと言おうとした時、エルナが側により、聖句を唱えて手を青年の傷痕にかざした。
 痛みが引いたことに少し驚いた青年は、手拭いを取る。
 額の裂傷は綺麗に消えていた。
 
 さらにエルナは聖句を唱え、そっと青年の胸に触れる。
 少し青ざめていた青年の顔に、血色が戻ってきた。
 
「…感謝する。
 随分楽になった」
 
 今度は青年が礼を言った。
 
「あんた、さっきから調子が悪そうだったが、病気か?」
 
 オルフが尋ねると、青年は苦笑して首を横に振った。
 
「己がいたらなかった代償だ。
 
 寒さがどうもいけないな。
 いつもは休んでいればおさまるんだが」
 
 はらりと青年の腕から何かが落ちた。
 黄ばんだ木綿の布だ。
 両腕にそれを巻いていたのだが、片方がさっきの衝撃で切れてしまったのだろう。
 
 そして覗いた青年の地肌。
 
 エルナは衝撃を受けて両手を握り締めた。
 
(…こりゃ、ひでぇ)
 
 オルフも思わず顔をしかめた。
 
 うじゃじゃけた傷痕。
 肉が盛り上がって治りかけてはいるが、一生その傷痕は消えないだろう。
 ケロイド状に腕を抉っているそれは、縄のようなものが肌に食い込んで化膿した痕だ。
 
「すまない。
 
 見苦しいものを見せてしまった」
 
 また苦笑して、傷痕を隠す。
 青年はあらためて自身の不調まで治してくれたことに感謝の意を示し、エルナに礼を言うと立ち去ろうとした。
 
「待ってくれ。
 
 俺はオルフ、ラインドの子、オルフだ。
 名を尋ねてもかまわないか?」
 
 オルフが呼び止めると、青年は振り返って、少し考えるように天を仰いだ。
 そして、まっすぐにオルフを見据え直す。
 
「シグルト。
 
 俺には分不相応だが、親から貰った名前だ」
 
 男は伝説の龍殺しと同じ名を名乗り、一礼して去って行った。
 
「…絵になる方ですね。
 
 ああいうのを勇者と言うのでしょうか」
 
 ハーフエルフの男がため息混じりに呟いた。
 
「…あんたにも名を尋ねていいかな?
 
 もう一度名乗れといえば、あらためて名乗るが?」
 
 オルフがそういうと、男は名乗りは不要だと首を振った。
 
「私はコールディン・バラルズ。
 
 このイルファタルで商人をしている者の息子です。
 もっとも、私は商人の道ではなく、知識を求める賢者を志していますが。
 
 見ての通り、エルフの血を引いています。
 
 どうやら先ほどの不躾な視線は、差別の目ではなかったようだ。
 貴方の礼節に免じて、あの無礼は許しましょう」
 
 やや高慢な言葉であるが、品のある態度であった。
 
「すまねぇ。
 
 何分田舎者だから、エルフやハーフエルフを見るのは初めてだったんだ。
 俺は東の出身なんだが、あっちは妖精とか魔法とかは珍しいんだよ。
 
 俺に字を教えてくれた人が、エルフもハーフエルフも魔術師もおんなじ地上に生を受けた命だから、偏見を持つなって教えられてたが、物珍しいって気持ちはどうにもならなくてな。
 
 気分を悪くしたなら謝るよ」
 
 オルフのような大男が、頭をかきながら謝ると実に滑稽だった。
 男は愉快そうに微笑むと、許します、と頷いた。
 
「ところで、あなた方はなぜこんなところに?
 
 随分前からこの噴水にいたようですが…」
 
 男の問いに、オルフは宿を探しにいった仲間を待っていると答えた。
 そして、東からわけあって流れてきたことと、南のリューンを目指していることを告げる。
 
 男は興味深そうに聞いていた。
 
「なるほど。
 
 そうなると、船を探さねばならないでしょう。
 私の父の商会はリューンとの交易に関わっています。
 もしよかったら、私が間に立って差し上げましょう。
 
 知り合った以上、最後まで義理を尽くすことが私の母から受けた教えなのです。
 御婦人には親切にすることも。
 遠慮は要りませんよ」
 
 渡りに船の話に、オルフは感激して何度も礼を言った。
 エルナも感謝の言葉を述べる。
 
「待ってください。
 
 その代わりといってはなんですが、私も貴方たちにお願いしたいことがあるのです」
 
 交換条件を提示されて、オルフとエルナは顔を見合わせた。
 
「何、難しいことではありません。
 
 私もリューンに行きたいのです。
 あの都市はこのイルファタル以上に大きく、大きな図書館もあるとか。
 何かの機会に、リューンに行けるように父に頼んでいたのですが、一人ではだめだと頑固でしてね。
 
 同行者として船に乗っていただく…それが条件です。
 貴方のような立派な体格の男性が一緒なら、父も納得するでしょう。
 
 成人して随分立つのですが、父の過保護ぶりにはいささか閉口しているのです。
 私は新しい知識を求め、新しい世界に旅立ちたいと日々願っているのですが」
 
 そう言って男は空を見上げた。
 
「私のことはコールと呼んでください。
 
 よろしくお願いします」
 
 再び視線を二人に戻し、男は自身の尖った耳の先を軽く撫でた。



 ハーフエルフの魔術師、コールのお話です。
 ある意味、リプレイパーティで私がはっきりとした亜人を出したのはこれが初めてかなと。

 序盤は統一帝国に関して。
 せっかく地図を作ったので(第一話続き参照)、歴史なんぞを紹介してみました。
 設定はオリジナルなんですが、地形の見てくれや気候的にはエストニアやフィンランドに近いかも。

 寒くて薄暗く、冬の夜間は火が無いと凍死します。
 オルフたちが踏破した山地は千メートル級の山が連なっている感じ。
 雪はあまり降らず、乾燥している代わりに寒いところを選んで通り抜けています。

 どう見ても寒さに強そうじゃないエルナがいますが、そこは彼女も北方人で、しかも寒い修道院で生活していただけあって、結構タフです。
 

 イルファタルは広い港をいくつも所有する都市国家です。
 異種族や異民族の坩堝で、独特の風土を持っています。

 コールは、一般的なハーフエルフとは違って、両親の愛によって生まれた割合裕福な家の出身です。
 父親はそれなりの承認ですが、エルフである妻に熱烈アタックして、若い頃に結婚しました。
 そのためか、良い大人になったコールに対して過保護です。

 我儘に育てられたコールは、頭がよく品もよいのですが、性格がある意味破綻しています。
 高慢で、盗賊や傭兵といった職業に強い偏見があります。
 反面フェミニストで、女性に対しては紳士な態度を取ります。
 バッツのような女の子が好き、というのとは違って、レディファーストを地で行くタイプでしょうか。

 その中に過激さがあってひねくれています。
 冷静ぶってて猪突猛進。
 神経質で繊細。
 面倒な性格です。

 美形なんですが、残念系?

 知性は大したものなのですがね。


 シグルトがひょっこり登場しています。
 この頃の彼は満身創痍でした。

 黄金パターンながら、まったく恋愛的に発展してねぇ!
 なんというかY2つらしいテイストで御座いました。

 コール、この話の主役のはずなのに…完全にわき役っぽい。
 (なんて不憫な…すまん、仕様なんだ。許せよ)

 豪商の息子で、姓があります。


◇コール(コールディン・バラルズ)

 男性 大人 策士型

秀麗     裕福     猪突猛進
利己的    神経質    無頓着
過激     悲観的    勤勉
内気     高慢     上品
繊細     ひねくれ者  名誉こそ命

器用度:6 敏捷度:8 知 力:11
筋 力:4 生命力:3 精神力:5

好戦性+1 内向性+1 臆病性+1 慎重性+1
 
・初期装備
 スキル【眠りの雲】-600SP

 
 読めない性格にしようとしてたらすごいことに。
 彼がヒステリックに突然切れるシーンも、時折出てくると思います。
 
 
 今回、リューンに来る前のシグルトが登場してました。
 この頃は、まだ治りかけで、体の不調が酷かった頃です。
 時節は冬、つまりシグルトが宿に来るのは夏ですから、かなり前になるわけですね。
 このイルファタルから船でリューンまで何日もかかるのです。
 
 オルフやエルナと運命的な出会いを果たすわけですが、彼らのかかわりもリターンリプレイでは表現していくつもりです。


〈著作情報〉2018年07月23日現在

 カードワースはgroupAskに著作権があり、カードワースの管理、バージョンアップ、オフィシャルな情報等はgroupAsk official fansiteにて、カードワース愛護協会の皆さんがなさっています。

 このリプレイは各シナリオをプレイした上で、その結果を小説風リプレイとしてY2つが書いたものです。
 書かれた記事、書かれる記事は、特定のシナリオの名前が出たときは、そのシナリオの著作権はすべてそのシナリオの作者さんにあります。

 リプレイ環境であるCardWirthPy Rebootは2018年2月1日リリースされたCardWirthPy 2.3 - CWXEditor同梱版に拙作のカードワースダッシュStandard Editionを使ったスキンを作成してプレイしているものです。
 CardWirthPy Rebootは同名の開発サイト
 ( https://bitbucket.org/k4nagatsuki/cardwirthpy-reboot/wiki/Home )で配布されています。
 カードワースダッシュStandard Editionはこのブログのリンクから行ける、Y字の交差路別院にて配布しています。
 エンジンと付属物の著作権・開発状況・その他の情報は各配布元を御参照ください。

 【CW:リプレイ】、【CW:リプレイ、R】、【CW:リプレイ2】、【CWPyDS:リプレイ】、【CWPyDS:リプレイ2】等で書かれた記事、書かれる記事は、特定のシナリオの名前が出たときは、そのシナリオの著作権はすべてそのシナリオの作者さんにあります。
 また私がお預かりしているMartさんの“風を駆る者たち”リプレイの記事を参考にした内容は、それぞれのシナリオそのものの著作権はそれそれの作者さんにあり、参照記事はMartさんに著作権があります。
 御了承下さい。
 また、リプレイ中に使われる内容には、各シナリオで手に入れたスキルやアイテム、各シナリオに関連した情報等が扱われることがあります。
 それらの著作権は、それぞれのシナリオの作者さんにあります。
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