Y字の交差路

 ここはY2つめがノリで作ったブログです。  カードワースを中心に、私が思ったことや考えたことを徒然なるままに書きたいと思います。

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CWPC4:ラムーナ

「ところで、あの派手なのはどうしたんだ?」
 
 シグルトはロマンの自己紹介が落ち着くと、唐突に切り出した。
 
「ああ、あの人だよね?」
 
 ロマンは眉を八の字にして、はあ、とため息をつく。
 どうやらため息は少年の癖のようだ。
 
「???」
 
 ついていけない親父とレベッカが首をかしげていると…
 
「…うぬぬ~、このドア、開・か・な・い~!」
 
 宿のドアの外から、間の抜けた女の声が聞こえてきた。
 
「う~んと、ああっ!
 このドア、手前に引けばよかったんだ~
 失敗失敗~」
 
 がらんがらん~
 
 派手な音を立ててドアベルが鳴った。
 
「…あそこ」
 
 ロマンは頬を引きつらせて、宿に入ってきた人物を指差した。
 
 そこには小麦色の肌の、風変わりな衣装を着た娘がちょこんと立っていた。
 
 16、7だろうか…
 エキゾチック(異国風)な顔立ちをしている。
 明らかに西方の人間ではない。
 宿の親父は、ずっと東にあるという、暖かい地方の民にこのような容貌の者たちがいることを聞いた事があった。
 
 長いまつげと大きな瞳。
 レベッカよりも肌を露出しているが、色っぽいというより健康的な印象を受けるあまり起伏のないしなやかで若々しい身体。
 美人に分類してもよいだろうが、どこか幼い雰囲気をもった少女である。
 
「…ついてきたみたいだな」
 
 シグルトが肩をすくめて苦笑いすると、少女は、にぱ~、という形容がふさわしい笑みを浮かべてシグルトを指差した。
 
「いたいた~
 もう、私のこと置いて行っちゃうから困っちゃったわ。
 この綺麗な子も私のこと無視するし、ひどいよ~」
 
 どこかなまりのある言葉で、少女は大げさな身振りを交えて一方的にしゃべりだした。
 
「だいたい、怪我した女の子をほうっておくなんて、紳士のやることじゃないわよ~」
 
「あれって、お前が滑ってこけそうになって、いきなりトンボをきって上にあった看板に頭を強打した、言わば自業自得のように思うんだが…」(シグルト)
 
「それに、助けてあげようとした善意の人にお礼も言わずに無視するのはいけないと思うのよ、お姉さんは!」
 
「泣きながら頭を抱えてうめいていただけの人に、どう反応すればよかったのかな、僕…」(ロマン)
 
 甲高い声でまくし立てる少女に、親父もレベッカもぽかんとしている。
 シグルトに向かって、手をぶんぶん振りながらしゃべっている少女から少し距離を置いて、ロマンはことのあらましを話し始めた。
 
 
 ロマンは前に逗留していた宿に帰る途中で、柄の悪い男たちにぶつかってしまった。
 どうみても道のど真ん中をよそ見をしながら、横に並んで歩いていた男たちが悪いはずなのだが、ぶつかった男がよろめいてこけてしまった。
 服が汚れたと言って、親のもとに連れて行けと、ロマンの胸倉をつかんで騒ぎ出した男たちを、周囲の連中は見て見ぬふりをして通りすぎようとしたが、シグルトとあの騒がしい少女だけは駆け寄ってきた。
 
 その後、少女は勢いよくトンボをきって頭を強打しずっとうめいていたが、シグルトは4人の男たちを怪我をしつつも一人で追い払い、ロマンを助けてくれたらしい。
 
「…間抜けね」
 
「…ああ、間抜けだな」
 
 レベッカと親父は心底あきれた顔をして、真っ赤になってしゃべっている少女を注視した。
 
 やがて、一通り主張を終えたのだろう。
 少女は今気がついたように親父とレベッカを見て小首をかしげた。
 
「あの~、どちら様で?」
 
 レベッカと親父は、長い間組んだ芸人に勝るとも劣らないほどぴったり同じタイミングで額に手をあててため息をついた。
 
 
「ここは冒険者の宿でわしは店主、こいつらは冒険者だ。…それで、用件は済んだかい?」
 
 親父が、さっさと話を切り上げるために一息で説明し、少女に問う。

「ああ、ここが冒険者の宿なんだ。
 ちょうどよかった~
 
 私、冒険者になろうと思ってリューンに来たんです!」
 
 親父は聞かなきゃよかったとばかりに、額のしわを増やす。
 レベッカはもはや我関せぬ、の態度で、少しぬるくなったエールをちびちび飲みはじめた。
 
「…一応聞きたいんだが、お前さん、何で冒険者なんかになろうと思ったんだ?」
 
 引きつった顔で親父は、とりあえず聞いた。
 
 少女は口元に一本指を添え、考えるような身振りをした。
 そしてとんでもない話を語りだした…
 
「う~んと、私の国が戦争で負けちゃって、家族が食べるのに困ってきたから私を含めて20人くらいの男や女の人が奴隷として親に売られて船に乗せられたの。
 
 だけど途中で嵐に遭って、船が転覆しちゃって、私は手首と足の鎖の輪が大きすぎてゆるかったから、海の中でなんとか外したんだけど、気を失って岸に流れ着いたのよ。
 
 とりあえず生きてたのはよかったんだけど、食べたり生活するにはお金が必要でしょう?
 流れ着いた浜の近くの港で、親切な漁師のおじいさんにお魚を食べさせてもらったりしてたけど、そのままってわけにはいかなくて。
 働こうと思って仕事を探したんだけど、外国の人だからとか女だからだめとか言われて、どんな職業なら働かせてくれるのってたずねたら、
 
『お前みたいな女が働ける職業なんて、春を売るか冒険者ぐらいだっ』
 
って追い出されちゃって。
 でも、私のお姉ちゃんが街娼をしてて病気で死んじゃったから、売春なんかは嫌だな~って考えて。
 それで冒険者っていう職業をとりあえずやってみようと思ったのよ…」 
  
 ニコニコしながら重い身の上話をする少女に、一同は押し黙った。
 よく見れば少女の手足には一日二日ではつかない、拘束具の作った生々しい跡が残っていた。
 履いている靴は麻の袋の角を切って、それに足を突っ込んで紐で巻いただけで、随分歩いたのだろう、あちこちがほつれて爪先のあたりに血の染みもある。この急ごしらえの粗末な靴は傷をかばうために履いたのだろう。
 
(こんなもの履いてて走ったのか…滑って当然だ)
 
 シグルトは少女が転倒しそうになったときを思い出し、もしあの看板がなかったら、と考えた。
 滑った不安定な体勢から、浮き上がるように片足だけで跳躍した少女の姿が思い出される。
 驚異的なバランス感覚と俊敏性がなければそれは不可能であった。
 シグルトならまねをすれば筋を痛めてしまうだろう。
 
「なあ、何か身体を動かすことをやっていたのか?」
 
 シグルトの言葉に、ロマンが、あっと何かに気付いたように眼を見開く。
 
(よく見ればこの子、鎖の跡以外に何か身につけていた跡があるわ…
 日焼けをせずに残っている、何かが絡まったようなこれ、腕輪とか装飾品の模様の跡みたいね。
 ずっと身に着けていたんだわ…跡が残るくらいに)
 
 レベッカもロマンと同じ事に気がついた。
 
 少女はふわりと軽やかなステップを踏んだ。
 
「お姉ちゃんのお客さんを集めるために踊ってたの。
 みんな上手だってほめてくれたわ。
 剣を使った戦いの女神様の踊りとか得意だったのよ」
 
 それは盗賊や戦士の中にまれに現れる素質。
 奴隷として腱を切られるものもいるが、彼女がそうならなかったのは不幸中の幸いだった。
 
(鍛えれば化けるかもしれんな…)
 
 宿の親父は、強いという巨漢で豪腕の戦士を、素早さで圧倒したある女戦士を思い出していた。
 彼女は極限まで磨きぬいた技術で怪力の戦士を倒せるようになったのである。
 敏捷性…それは冒険者が望む能力の一つなのだ。
 
「…そうか。
 じゃあまず、名前ぐらい教えてくれんかね?
 さすがに名前がわからないと呼ぶのに困る」
 
 親父はとりあえずは受け入れてみようと思った。
 
 しかし、名前を尋ねられた少女は、ううっとうなって頭を抱え悩みだした。
 首でも絞められたかのように真剣に、である。
 
「おいおい、自分の名前なんかで悩むことはないだろう?」
 
 親父があきれて言うと、少女はポン、と手を打った。
 
「ラムーナ。
 ラムーナがいい。
 私はラムーナよ」
 
 彼女の名乗り方は、今決めたような感じだった。
 
「ラムーナって、お姉さんがぶつかった看板の酒場の名前だよね?」
 
 ロマンは三日月の書かれた看板の文字を思い出し、確認する。
 
「おいおい、さすがに名前を適当に決めるのはやりすぎだ」
 
 親父は首を左右に振って、ダメだと伝える。
 
「う~ん、でも私の名前、西の人には難しくて発音できないと思うし。
 それに私のあだ名は“弓のような月”だったのよ。
 私の故郷で、月は女神様で、踊りと戦いと女の守護者なの。
 だから、ラムーナがいい…」
 
 そういって少女はにっこりと笑った。


 
 
 スーパーマイペース娘のラムーナ登場です。
 5人の中で唯一普通の型のPCですが、そこは根性で…
 
 ラムーナは陽気で前向きな性格の少女です。
 
 彼女は貧しい家に5人の兄弟姉妹の下から二番目の娘として生まれます。
 彼女の両親は生んで育ててやったと、彼女たちが大きくなったら働かせて家でその稼ぎを待っているようなあくどい性格でした。
 
 実際貧しい国では子供の足を切り落として、地雷のせいだと哀れを誘い物乞いをさせる親がいるという話を聞いた事があるのですが、貧しさの中で食べていくために子供を働かせる親はどこかにいそうです。
 
 ラムーナが本名を名乗るのを嫌ったのは、彼女の本名が記号のように味気なく、利用される道具としてつられた名前だからです。
 
 小さい頃の彼女は泣き虫でしたが、泣いていると気を失うほど父親に殴られるので、つらくても悲しくても泣かないようになりました。
 でも、決してつらくなかったわけではありません。
 彼女は間抜けでおちゃらけた外見の中に、繊細な感性を閉じ込めています。
 間抜けで愚かなふりをすることで「殴る価値もない」とあきれさせる…生きていくために彼女が最初に身に着けた処世術だったわけで、そう考えると悲壮ですよね?
 
 感情的で大げさな動作は、大人の注目を集め、怒りを削ぐために彼女が身につけた生きるための手段です。
 
 これだけひどい扱いであったのに、ラムーナは両親を憎んではいません。
 そうしなければみんな飢えて死ぬしかなく、生きるために悪くなったといっても、自分を育ててくれた両親に彼女は感謝しているのです。
 
 ラムーナは一番上の姉をとても慕っていました。
 娼婦として身を売ってお金を稼ぐ姉は、身内の中で唯一ラムーナに心から愛情を注いでくれたからです。
 父親に殴られそうになると身体を張ってかばってくれ、自分の食べ物を妹たちのために分けてくれる献身的で優しいお姉さん。
 彼女がいたからラムーナは笑うことができたのです。
 
「あなたは笑っているほうが可愛いわ…」
 
 そういってほめてくれた姉との絆の証が、朗らかに笑うことなのです。
 
 ラムーナは西方の言葉を話し、読むことができます。
 彼女の住んでいた町は西方の商人たちの船が停泊する港町の一つで、姉の客は裕福な商人たちでした。
 あるとき商人たちと一緒にやってきた僧侶が、ラムーナが物ほしそうに彼の持つ聖書を見ていたので、聖書を読み理解できるように文字を教えます。
 初老にさしかかったその僧侶は貧しい子供たちの心の支えになるようにと、文字を教え会話を教えそして信仰を説きました。
 
 その僧侶については次のお話で紹介します。
 
 
 ラムーナの国は隣国と戦争していましたが、負けてしまいます。
 戦禍に巻き込まれた国を商人たちは見離し、客がなくなったラムーナの姉は兵士に安い金で買われて身体を壊し、死んでしまいます。
 一家の稼ぎの筆頭を失ったラムーナの父は、彼女を奴隷商人に売りました。
 それから先の事は彼女の語る通りです。
 
 ラムーナは可愛い系の女の子です。
 スレンダーでしなやかな身体つきで、やや幼い行動から子供っぽい雰囲気がありますが、充分美人に類してよいでしょう。
  

◇ラムーナ
 女性 若者 万能型

秀麗     貧乏     誠実
猪突猛進   献身的    進取派
好奇心旺盛  勤勉     陽気
派手     謙虚     繊細
軟派     お人好し   愛に生きる
 
器用度:9 敏捷度:10 知力:6 筋力:5 生命力:3 精神力:5
社交性+3 正直性+1
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テーマ:ゲームプレイ日記 - ジャンル:ゲーム

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この記事のコメント

こんばんは。らっこあらです。
ラムーナさんは、なんていうか、凄くいいです。
なんとなく、守ってあげたい感じでしょうか。
悲しい過去があるのに、明るく振舞う・・・想像しただけで、涙が出てきそうです。
可愛いというよりは、どちらかというとカッコイイという感じの、イメージがします。
皆様の武勇伝聞かせてくださいね~
それでは、失礼します。
2006-06-04 Sun 01:20 | URL | らっこあら #-[ 編集]
 ようこそ、らっこあらさん。
 
 ラムーナは、PC中もっとも不幸だった娘です。
 でも彼女はとても情愛のある娘です。
 だてに「愛にいきる」をもっていません。
 
 彼女が「可愛い」というのは体格的な印象もあります。
 能力値を見てもらえばわかると思いますが、ラムーナは粗悪な環境から身体を壊して、若者にしてはやや生命力が低めです。
 
 スレンダーで小柄で豊満とはほど遠い身体つきで、彼女の愛嬌のある態度とあいまって、色気のない子供っぽい印象を強めています。
 
 よく適当に女の子のプロフィールに乗ってる、うそ臭い3サイズと体重、私リアリティを全く感じないので嫌いなんです。
 
「背が高くて胸が大きくて体重が40kg?
 どこの宇宙人だ、それ?」
 
 という感じに。
 
 まあ、こういう変な設定にだけはこだわる奴です、私。
 
 一応、次のスピッキオで仲間が揃います。
 これからぼちぼち話が進行していきますので、よかったら、是非また来てくださいね。
2006-06-04 Sun 20:14 | URL | Y2つ #-[ 編集]

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